パソコン以前の整理法は時代を超えられない!? "「超」整理法 -- 情報検索と発想の新システム" by 野口悠紀雄 [Book Review]

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野口悠紀雄氏著、「「超」整理法 — 情報検索と発想の新システム」を読了。

先日読了した「iPhone情報整理術」の中で、「いまだに「超」整理法を上回る整理術は見当たらない」と著者が述べていたのが本書を知るきっかけだった。

そんなに素晴らしい整理術なら是非自分自身の情報整理術にも取り入れてみたいと思い手にとり読んでみた。

なかなか面白い部分もあったが、正直ちょっと自分には合わないと感じる部分もあり、また本書が発行されたのが1993年と古いため、時代に合わなくなっている部分も多々あった。その辺りを簡単にまとめてみよう。

まず、肝心の整理術としての「超」整理法の完成度についてだが、個人的には「イマイチ」の感が拭えなかった。ちなみに「超」整理法とは、書類を片端からA4サイズの封筒に入れて本棚に左から順に封筒を並べ、中から書類を出して使ったらその書類は一番左に戻すという行為を繰り返す手法である。

これを繰り返していると、しょっちゅう使う書類はいつも左側にあるので探しやすく、使わない書類は徐々に右に寄っていくので、一定期間使わない状態が続いた書類は捨てるか、またはずっと保存する「神」書類になるかの判別をしていくというもの。

「書類は分類するな」という著者の考え方には100%同意するが、書類を未分類の状態で片端から封筒に放り込んでいくという方法はちょっとどうだろうという感じがした。

僕自身仕事の書類は僕の心の師である吉越浩一郎さんの「デッドライン仕事術」で紹介されていた、書類を仕事単位でクリアフォルダに入れ、各クリアフォルダをデッドラインの日付ごとにあらかじめ作った書類フォルダに入れて管理するという方法を採用しているが、個人的には吉越さんのデッドライン管理の法が、ちょくちょく使う書類を封筒に入れるという超整理法よりも優れていると感じた。

ポイントは3点。

1. 仕事単位でクリアフォルダに格納するので、いちいち封筒から書類を出さなくても内容が判別できるし、クリアフォルダも書類フォルダも一度用意すれば継続的に利用できて経済的である。備忘録をクリアフォルダの前面に貼り付けておくことも容易。

2. 「ちょくちょく出てくる書類」が必ずしも「今日必要な書類」とは限らないため、超整理法だと最初に出てきた書類が最初に必要な書類とは限らない。デッドライン術だと、必ずその日がデッドラインの書類が最初に出てくるので、優先順付けが既に出来ており、探す手間がない。

3. 最初に書類を格納する時に、超整理法では単に一番左に置くだけだが、デッドライン術なら格納する段階で「次に使うのはいつか」を考えてファイルするため、その時点でその仕事で次にするべきことのシミュレーションがなされており、実際に書類が出てきた時にすぐに行動に取り掛かることができる。

以上、吉越さんのデッドライン仕事術との比較で,個人的に超整理法に難ありと感じた部分を列挙してみた。

また、これは仕方がないことなのだが、本書は1993年に出版されていて、時代はまだWindows 95も出ていない時期である。本書ではWindows 3.1ではなくMO-DOSを使っての情報整理をかなりのページを割いて紹介しており、これらの部分は歴史的資料として読み物的にはとても興味深く面白かったが、2009年12月にはそういった部分は参考にはならない。

もう一点気になったのは、著者の野口氏は本業が大学教授であるため、本書の内容もビジネス的というよりは学術的であり、ちょっと読んでいてかったるい脱線やうんちくが多い。第4章と第5章は本書の内容からはかなり逸脱してしまっていて、話が若干混乱してしまっている。

というわけで、残念ながら期待していた成果は得られなった。ただ、恐らく現代において巷で流行している整理法・整理術の根底には本書が唱えた方法が流れているのではないかという気もする。吉越さんのデッドラインによる書類管理も、「分類しない」とい意味では本書の流れを汲むものだといえよう。

それにしても、1993年から2009年の間に、我々を取り巻く情報環境がいかに激しくそして不可逆的に変化したかを、本書を読むことで思い知ることができた。そういう意味ではタイムトリップをさせてもらえたことは貴重な体験であったといえよう。

 

「超」整理法

デッドライン仕事術

 

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このページは、ttachiが2009年12月23日 15:51に書いたブログ記事です。

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