Chick Corea、チック・コリアというミュージシャンが存在しているということは以前から知っていたのだが、今まで聴く機会がなかった。
今回、Return to Foreverというアルバムに初めて触れる機会を持った。独特の広がりを持つ音の世界は、このアルバム・ジャケットのデザインと良くマッチしていて、ジャズという分野からははみ出している、そんな風に感じさせられた。
Wikipediaによると、チック・コリアは1968年にHerbie Hancockに代わってMiles Davisバンドにピアニストとて加入し、マイルスの指示により電子ピアノを弾くようになった。
当初は電子ピアノ演奏に違和感を持っていたチックだが、70年にマイルスのバンドを脱退したのちの自らの音楽世界において、電子ピアノは彼の代名詞的な存在へと成長していく。
1972年に発表されたこのアルバム"Return to Forever"、リターン・トゥ・フォーエバーは、壮大なスケール感、そしてラテンとフュージョンの融合によるクールさと熱さの融合により、チックは独特の音の厚みと奥行きを描き出してる。そして前述のとおり、このアルバムにおいてチックは電子ピアノによる世界の表現に見事に成功していると言って良いだろう。
一度目に聴いた時は、クールさが冷たく感じられ、僕の好みではないように思ったのだが、二度目にじっくり腰を落ち着けて聴くと、豊かな音の広がりと確かなテクニックに裏打ちされたクールさが良い方向に変化して聞こえ、その中に織り込まれてくるラテンのリズムやメロディーも、一度目よりも優しく感じられた。
なかなか奥が深いアーティストなのかもしれない。他のアルバムも聴いてみたくなった。
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