ワタミの赤字転落について思うこと

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今朝何気なくSNSを見ていたらこのニュースが目に留まった。

ワタミが上場以来はじめての赤字転落となったということだ。

ワタミ、アルバイト100人を正社員に 決算は初の赤字:朝日新聞デジタル

ワタミの元会長、渡邊美樹氏について、僕は以前にもブログに意見を書いたことがある。

そのときのエントリーはこちら。

渡邉美樹氏ツイートについて思うこと | No Second Life

このエントリーを書いてから2年2ヶ月がたった。

その間に日本は自民党に政権が移り、アベノミクス効果とオリンピック開催の決定により、経済的には回復の方向に進んでいると僕は感じている。

いっぽうで、長いデフレの期間に急成長してきたワタミが日本の景気回復と逆行するように赤字に転落した。

これはとても象徴的なことだと感じた。

ちょっとだけ思うことを書いてみよう。

ワタミの赤字転落について思うこと

デフレ下でワタミで働く人、ワタミで飲食する人

デフレが長く続く時期に繁栄してきたワタミ。

ワタミは低価格帯の居酒屋という激戦区で闘ってきた。

同じ飲食店でも高級レストランは価格競争に陥りにくく、利益率も高い傾向にある。

居酒屋というのは提供価格が安く、顧客も価格に敏感な人たちが多いため、利益率が低くなる。

世の中が不景気である間は、「ワタミくらいしか働く場所がない」という人たちを厳しい労働条件で働かせることができた。

デフレの間は、「ワタミくらいしか飲みに行ける店がない」という顧客を「安さ」でつなぎ止めることができた。

日本経済の景気が悪ければ悪いほど、低価格帯で勝負するワタミには有利な状況だったのかもしれない。

働く場所ができれば人々は逃げ出す

自民党政権になり経済政策が機能し始め、景気が回復基調になって1年以上がたつ。

その間に2020年東京オリンピックの開催が決定し、東京都心部を中心に、労働者市場に大きな変化が起き始めている。

人が足りないのだ。

飲食店や建築現場など、環境が厳しい職で労働力が不足し始めた。

人が足りないということは、当然ながら労働者が働く場所を選べる状態になることを意味する。

今まで「ワタミぐらいしか雇ってくれる会社がない」という理由で泣く泣くワタミで働いていた人たちは、当然もっと条件の良い会社に移っていく。

上で引用したニュース記事ではアルバイトを正社員化することを決めたそうだが、すでに全店舗の1割を従業員不足のため閉店せざるを得ない状態だという。

どれだけ多くのアルバイトや社員が、ワタミから逃げ出したのかが分かる。

安さ以外にウリがない会社の末路

デフレの時期には「安い」ということが、市場ではとても優位に働く。

お金の価値が上がり、モノの価値が下がるのがデフレなのだから当然だ。

少ない給与の中から飲み代を捻出するのだから、いかに安く飲めるかが重要なファクターだった。

しかし、景気が回復して人々の懐に余裕が出始めると、「安い」店の魅力は急速に薄れていく。

安い店は、安いということが一番のウリだったのだ。

そしてその安さを維持するために、人件費を徹底的に切り詰め、その結果、従業員が逃げ出すような仕組みで働かせていた。

いっぽう他の店は「安い」以外に競争のポイントを作る。素材の良さ、美味しさ、雰囲気の良さ、従業員のサービスの良さなどだ。

景気が良くなると、これらのファクターを重視してきた店は、急速に競争力を増すだろう。

いっぽう、安さを追求してきたワタミが品質やサービスを追求しようとしても、ずっとそのフィールドで勝負してきた他社からは大幅に遅れをとっているだろう。

安さ以外にウリがない店は、景気が良くなると、何もウリがなく、こだわりもない店になってしまうのだ。

人の役に立つことでなければ儲けられない時代

ワタミが赤字に陥った理由として、日本経済の回復は大きな要因だとは思う。

しかし、僕は景気回復だけが今回のワタミの凋落の理由ではないような気がしている。

詳しくは拙著「サラリーマンだけが知らない 好きなことだけして食っていくための29の方法」に書いたのだが、21世紀は「人の役に立つことでなければ儲けられない時代」になったのだと僕は思っている。

SNSやブログの普及により、企業が従業員に強制して悪いことをさせようとしても、簡単に内部告発ができるようになった。

いくら値段が安くても、ジャンクフードに含まれる化学添加物は毒だと知っている人がどんどん増えている。

値段が安い居酒屋で働く人たちがひどい労働環境で働かされていることもみんなが知っている。

いくら企業やマスコミが隠そうとしても、個人の情報発信の力でそれらの隠蔽工作を突破することができるのだ。

だから僕たちは、ジャンクではなく、きちんとした食材を使ったものを食べたいと願うようになる。

従業員にひどいことをしてお金を儲けるような会社が経営する飲食店には行きたくないと思うようになる。

21世紀は「共感」の時代だと僕は思っている。

共感の時代を生き抜くには、誠実であることが企業にも個人にも求められるようになる。

人々のニーズが「良くなる」に向かっているときには、企業も必然的に「良くなる」ことをしないと儲からなくなっていく。

僕はそう感じている。

まとめ

従業員が働かなければ企業は経営を維持することができない。

景気が悪ければ、会社は従業員に「雇ってやっているんだ」という強気な態度で臨むことができる。

しかし、いったん景気が回復し始めれば、従業員は劣悪な環境から脱出することができるようになる。

そういう意味で、今回のワタミの赤字転落は、日本の景気が回復しつつあることの証明なのかもしれない。

このままワタミは衰退していくのか、それとも、従業員に愛され顧客にも喜ばれる会社として再生していくのか。

興味深く見守りたいと思う。

僕の本もよろしく!

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