さようなら”WAVE” 君と過ごした日々は忘れない 日刊たち vol.114 新米フリーエージェントな日々

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昨日のニュースで知った。

CDショップのWAVEが全店舗を閉店し自己破産へ。

 

 

もともと、WAVEはセゾングループの一員で、第1号店は1983年に六本木にできた。

六本木WAVEは僕の自宅から徒歩5分の場所で、今は六本木ヒルズのメトロハットの辺り。

WAVEができる前はシェルのガソリンスタンドだった。殺風景なガソリンスタンドが取り壊されたらいきなり真っ黒で威圧的なあのビルができて、子供心にもすごくビックリしたことを憶えている。

 

 

大げさなことではなく、WAVEは、僕のすべてを変えた。

1983年、僕は中学2年生だった。

当時僕はブラスバンド部に所属してトロンボーンを担当していて、結構本気で打ち込んでいた。

でも、まだ音楽全般に関する知識は未熟で、自宅ではアニメソングを聴いたり、テレビはザ・ベストテンやトップテンを観る程度だった。

 

 

WAVEができるまでの六本木には、「衆楽堂」という小さな町のレコード屋さんがあるだけだった。

六本木という土地柄、多少他の地域よりは品揃えのセンスがあったかもしれないが、ホントに小さなレコード屋さんだった。

 

 

 

 

そんな牧歌的な街に、まさに黒船襲来である。

僕が何かを感じ取る前に、まずはジャズ・ピアニストの母が大騒ぎし始めた。

ジャズの輸入盤が安く手に入る、とホクホクの笑顔で、何枚も何枚もレコード、それも輸入盤を買ってきたのだ。

 

 

そして僕の周囲にいた、僕よりも流行に敏感な同級生も騒ぎ始めた。

当時はニューロマ全盛期、ユーロビート全盛期で、Duran DuranやKajagoogoo、Culture Clubなんかが売れていた。

敏感な思春期の僕らに、真っ黒なビル、天井まで届く高い棚にカッコ良くディスプレイされた輸入盤のTop 40のアルバムが整然と並ぶWAVEが襲いかかった。

 

 

裏口の脇には3Dホログラムのお地蔵さん。1階には「雨の木」(レイン・ツリー)というとってもオシャレなカフェ。

当時、まだ東京にはなかったあらゆる「カッコいい」「すげー」ものが、WAVEにはギッシリ詰まっていた。

 

 

 

 

またたく間に僕は洋楽にのめり込み、お小遣いを全額突っ込んで輸入盤を買い漁った。

買ったアルバムを、WAVEのグレー地に黒で店名が書かれたビニール袋に入れてもらい、小脇に抱えて歩くのが、すごくカッコ良く、誇らしかった。

中学から高校時代にかけて、WAVEと青山ブッセンターは、僕の心を育てる、まさに中心地だった。

 

 

そして、もう一つ忘れてはいけないのが、地下にあった単館系の映画館、シネ・ヴィヴァンの存在だ。

音楽に較べて映画への目覚めが遅かった僕だが、大学に入った頃から急激に映画好きになり、家から徒歩5分のシネ・ヴィヴァンには何度も通うことになった。

当時はまだ単館系が今のように充実していなくて、レイトショーでワインを飲みつつというようなスタイルは、他にはなかったように思う。

 

 

シネ・ヴィヴァンで特に印象に残っているのは、パラジャーノフの「ざくろの色」と、レイトショーだけで公開していた、アメリカのモノクロ・サイレントムービー、「サイドウォーク・ストーリー」。

どちらの映画も決して商業的に大成功するような作品ではなく、いかにも通好みの渋いチョイスだった。

 

 

女の子と六本木で食事をして飲んで、22時からのレイトショーを観る。

映画が終わるともう終電はない。

だからもう1杯といって飲みに行き、その夜に深い関係になる。そんなこともあった。

 

 

たくさんの思い出を残してくれた六本木WAVEは六本木ヒルズの建設に伴い1999年に閉店した。

最後にWAVEに行ったのは、えんちゃんこと福岡ユタカ氏の大好きなアルバム、「UR Words」を買いに行った時。あれは1996年のはず。

 

 

僕の中では、WAVEは六本木店の閉店で終わっていた。

だから昨日発表された自己破産のニュースは、ショックではなかった。

むしろ、「へー、まだやってたんだ」に近い印象。

 

 

Wikipediaで「WAVE」を検索してみる。

WAVEは黄金の時代のあと、パルコからタワーレコードに売却され、その後はさらにノジマの手に渡るなど、流転の日々を送っていたようだ。

 

 

あの時代の六本木WAVEに毎日通うことができて、本当に良かった。

塩ビ盤の匂いが立ち篭めていた開店当初、そして一気にレコードがCDに置き換わる1990年代を体験できて本当に良かった。

あんなにカッコ良くキラキラ輝いていたレコード屋さんなんて、そうはない。

 

 

ありがとうと言いたい。

とっくの昔になくなっていた六本木WAVEに改めて。

そして、企業としての役割を終えた、WAVEに。

本当にありがとう。

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