日本人よ!右脳で生き残れ!! 書評「ハイ・コンセプト」 by ダニエル・ピンク

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グローバル化の進展は、確実に僕らの生活を変えつつある。

仕事の仕方も変えなければならないし、それに伴って脳の使い方も変えないといけない。

 

本書「ハイ・コンセプト」は、高速インターネットがもたらしたグローバル化時代に日本を含む先進国の国民が、いかに生き残るかのサバイバル術を提示してくれる。

ずばり、キーワードは「右脳」だ!

 

 

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代 

ダニエル・ピンク 三笠書房 2006-05-08
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by ヨメレバ

 

 

 

左脳仕事はインドで片づいてしまう

 

 

グローバル化。

もう耳にタコができているほど繰り返されるこのキーワード。

日本人を含む先進国の国民にとって、このキーワードは鬼門だ。

 

 

なぜか。このキーワードは、情報や物流の進化により、様々な商品やサービスが国境を簡単に越えて移動するようになったことを意味する。

つまり、日本で自動車部品を作るより、中国やベトナムなど物価の安い国で作った方がコストが安くなる、ということだ。

 

 

そして、今まで日本で部品を作っている工場で働いていた工員さんは、仕事を失う。

これがグローバル化だ。

 

 

さらにやっかいなことに、グローバル化は年々そのスピードを上げ、さらに深度も増しつつある。

10年前に繊維工場や部品工場を移動させていた。

 

 

それが数年前にはハイテク部品工場もアジア諸国で生産するようになった。

そして最近では、優秀なプログラマーは皆インド人ということになってしまった。

 

 

 

 

本書では一例として、アメリカ人プログラマーとインド人プログラマーの年収を比較している。

習熟したアメリカ人プログラマーの年収は約820万円。それに対し、同程度のインド人プログラマーの年収は160万円以下だ。

160万円という年収は、アメリカでは少ないものだ。

だが、インドでは、この年収は一般的インド人の平均年収の25倍にあたる。

 

 

若い優れたプログラマーは、アメリカ企業からのオーダーで裕福に暮らし、そしてアメリカ人プログラマーは職を失う。

これがグローバル化だ。

 

 

論理的に考え命令に従う仕事はアジアに外注するか、もしくは機械にやらせてしまう。

そう、論理的に説明できる仕事をしていては、これからは先進国では生き残れないのだ。

それがダニエル・ピンクの導いた仮説である。

 

 

 

「ハイ・コンセプト」と「ハイ・タッチ」の時代だ!

 

 

 

では、グローバル化の時代に僕たちはどこに向かえば良いのだろう。

ダニエル・ピンクは今後必要となる、二つの能力を掲げている。

それは「ハイ・コンセプト」と「ハイ・タッチ」だ。

 

 

ハイ・コンセプト

パターンやチャンスを見出す能力、芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力、人を納得させる話のできる能力、一見ばらばらな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力、など。

 

ハイ・タッチ

他人と共感する能力、人間関係の機微を感じ取る能力、自らに喜びを見出し、また、他の人々が喜びを見つける手助けをする能力、そしてごく日常的な出来事についてもその目的や意義を追求する能力、など。

 

 

 

産業革命より以前、人間が「働く」と言う時は、体力を使うことを意味した。農業の時代だ。

その後は工業の時代。大量生産の現場で働く労働者たちが主役だった。

 

 

そして、先進国に訪れたのが、「情報の時代」だ。

情報や知識が先進国の経済を牽引した。

この時代の中心人物は、「左脳主導思考」の熟達者達。

 

 

だが、いよいよ次の時代の幕が開こうとしている。それが「コンセプトの時代」だ。

この時代の中心となるのは、クリエイターや他人と共感できる人。つまり「右脳主導思考」が得意な人々である。

そう、大いに発展したハイテク力を「ハイ・コンセプト力」と「ハイ・タッチ力」で補うのが、今後先進国で生きる我々に求められることなのだ。

たとえばAppleの作る製品は、性能が良いだけではなく、素晴らしいデザイン力と全商品を貫く哲学が溢れている。

 

 

 

 

単に性能が良いだけの製品は、アジアで作ればいい。

そこにいかに優れた物語を付与し、素晴らしいデザインを施し、そしてユーザーとの間で共感を育むか。

これこそが、これからの時代に必要なステップなのだ。

 

 

 

これから必要な6つの感性(センス)

 

 

 

著者ダニエル・ピンクは、「ハイ・コンセプト力」「ハイ・タッチ力」を身につけるために必要な感性を6つに分類している。

 

 

  • 機能だけでなく「デザイン」

 

  • 議論よりは「物語」

 

  • 個別よりも「全体のシンフォニー」

 

  • 論理ではなく「共感」

 

  • まじめだけではなく「遊び心」

 

  • モノよりも「生きがい」

 

 

 

 

 

個別のセンスの内容とその磨き方については、本書を読んでもらいたいのだが、例として一つ挙げよう。

著者がテーブルワイン、日常家で飲む1,000円程度のワインを購入するシーンが紹介されている。

スーパーで、3種類のワインを見つけた著者は、その中からBig Tatto Redという銘柄を選んで購入した。

そのワインのラベルには、以下の一文が印刷されていた。

 

 

このワインは、エリックとアレックス・バーソロミアスという二人の兄弟のアイデアから生まれました。彼らにはある理由があって、アレックスが製造し、エリックが描いたラベルを貼った良いワインを、あまり堅苦しくないやり方で売りたいと考えていました。


二人の目的とは、ガンに苦しんで亡くなった母親に敬意を捧げることでした。


アレックスとエリックは、”Big Tatto Red”の売上から、一本あたり50セントを、リリアナ・S・バーソロミアスの名で、北バージニアのホスピスや各地のガン研究基金に寄付することにしています。


皆さまのご協力のおかげで、初回出荷時の売り上げから75,000ドルを寄付することができました。今後もさらに多くの寄付をしていきたいと考えています。


“Bit Tatto Red”をお買い上げくださいました皆さまに、、母に代わってアレックスとエリックより御礼申し上げます。

 

 

先進国には豊富な商品が行き渡り、安くて味の良いワインは幾種類も販売されている。

その中から、「これだ」という一本を消費者が選ぶには、その商品の背景にある物語、ストーリーを語り、そしてそれをユーザーとの間で共感させることが必要なのだ。

 

 

まとめ

 

 

右脳の時代、コンセプトの時代の幕が開こうとしている。いや、既に開いている。

本書でダニエル・ピンクは、これからの成功者と脱落者を分けるポイントを以下のように挙げている。自分の仕事について考えてみて欲しい。

 

 

  • この仕事は、他の国ならもっと安くやれるだろうか

 

  • この仕事は、コンピュータならもっと速くやれるだろうか

 

  • 自分が提供しているものは、豊かな時代の非物質的で超越した欲望を満足させられるだろうか

 

 

著者は、日本の主たる欧米への輸出品が自動車からアニメに代表されるポップカルチャーに変化したことを、「日本のハイ・コンセプト化」として、肯定的に捉えている。

果たして日本で生きる僕たち自身に、その自覚はあるだろうか。

自分のする仕事。自分の生きる業界が、「ハイ・コンセプト」で「ハイ・タッチ」かを、一度見つめ直す必要があるだろう。

日本人よ、右脳を鍛えて生き残ろう!!

 

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