生き方・ライフスタイル書評

タオを生きる by バイロン・ケイティ — 人生の不安と苦しみがすべて消える 4つの質問

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僕を含め、多くの人が「人生が思うようにならない」と苦しんでいる。

希望した会社に入れなかった、想いを寄せた相手と一緒になれなかった、思うように出世できない、子供がちっとも言うことをきかない、などなど。

僕たちは自分が望んだとおりに人生が進まないときに、怒り、悲しみ、嘆き、絶望する。

でも、ちょっとだけ考えてみてほしい。

そもそもあなたが望んだ姿というのは、本来そうあるべきものだったのだろうか?

たとえば希望した会社に転職できなかったことを延々と後悔して嘆き続ける人もいる。

でもいっぽうで、「これはご縁がなかったのだ」とさっさと忘れて次に進み、別の会社に転職してハッピーになる人もいる。

その二人の違いはなんなんだろうか?

人は、あるがままの現実を受け入れると楽になり、現実を拒否すると辛くなる。

当たり前のことだが、人間の苦悩とは、現実との闘いだけ、といっても過言ではない。

そのことをイヤというほど教えてくれる本を紹介しよう。

バイロン・ケイティさんの「タオを生きる」という本だ。

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タオを生きる by バイロン・ケイティ — 人生の不安と苦しみがすべて消える 4つの質問

僕たちは「過去」と「未来」の中だけで生きている

僕たちは今を生きているのに、僕たちの思考は「過去」と「未来」の中だけで生きている。

どういうことか。

僕たちはしょっちゅう、もう終わったこと、過ぎたことを後悔し続けている。

どんなに後悔したところで僕たちはもう一回過去に戻って人生をやり直すことはできない。

それでも僕たちは過去に戻る。

自分のこともそうだし、過去にさかのぼって他人を責めたりもする。

「あのとき母が僕にあの高校に進むことを強要したせいで人生がおかしくなったんた」

「あのとき彼女は僕のもとを去るべきではなかった。他の男になんか行くべきではなかった」

「あの課長のせいで僕はすっかりチャンスを奪われ、出世街道から外れてしまった」

これらは全部過去のことだ。

過去にとらわれ、自分の思考にとらわれたまま、僕たちは今を生きている。

そして、次のようにも考える。

「私の人生はいつも失敗ばかり。だからどうせ次の昇進試験だってうまくいくはずがない」

「このまま年をとって老いていったら老後の生活はどうなるんだろう?」

「このまま高齢化が進んだら日本の未来は真っ暗だ」

「もう自分の出世もここまでだ。あとは定年までなんとかしがみついて生きていこう」

これらはすべて未来のことだ。

僕たちは「過去」に起こったことを自分の中で「ストーリー」にして、そのストーリーに執着する。

そしてそのストーリーを過去から未来に向けて展開して、過去と未来を接続して不安がり、絶望し、怒り、そして諦める。

これらはすべて「ストーリー」であり、「事実」ではない。

それなのに僕たちはいつもストーリーを描き、そのストーリーどおりに自分の人生を狭め、苦しみ、もがいている。

どうしたらそこから脱出できるのだろうか。

それは、「ストーリー」と「事実」の違いをハッキリ認識することだ。

 

「ストーリー」を描き「事実」と闘っても、あなたは必ず負ける

僕たちはしょっちゅう「ストーリー」を描いて「事実」と闘ってしまう。

「彼女は僕のもとを去るべきではなかった」と幾ら思っても、彼女は去ったのだ。去ったことが事実だ。

「去るべきではなかった」というストーリーを頭の中に描き、そのストーリーを「正しい」と解釈するから、辛く、悲しくなり、怒り、絶望することになるのだ。

バイロン・ケイティさんは、重度のうつ病で療養施設に収容されていた1986年のある日、大きな「気づき」を得て、それを自らの「ワーク」と名付け、多くの人の心を解放してきた。

それは「宗教」でも「スピリチュアル」でもなんでもない。

たった4つの質問で人の心の囚われを解放し、ストーリーから「事実」へと思考を切り替えてくれるのだ。

その質問とは。

  1. それは本当でしょうか?
  2. その考えが本当であると、絶対言いきれますか?
  3. その考えを信じるとき、あなたはどのように反応しますか?
  4. その考えがなければ、あなたはどうなりますか?

この質問を使ったワークの勧め方はこの本の巻末に詳しく乗っているので参照して欲しい。

この4つの質問をしていくときのポイントは、「事実」と「考え」を明確に分けて分離させていくことだ。

たとえば「僕はお金持ちにはなれない運命の人間だ」という考え、つまりストーリーを信じ込んでいる人がいるとする。

信じ込みは「固定観念」とも言うくらいで、本人はそれを「ストーリー」ではなく「事実」だと信じ込んでいる。

だが、実際はそれは事実ではなくその人がそう信じ込んでいるだけなので、あくまでも「考え」なのだ。

だからこそ、「ワーク」では、「その考えが本当であると」「その考えを信じるとき」「その考えがなければ」と、「考え」という言葉を使う。

この4つの質問に答えてもらったあとに、「ワーク」では言葉の「置き換え」をしていく。

上の例だと「僕はお金持ちになれない運命の人間だ」を、「僕はお金持ちになる運命の人間だ」に置き換えたうえで、「なぜならば」と理由を3つ以上出していく。

「僕はお金持ちになる運命の人間だ。なぜならば、『いつも真面目に働いているから』」

「僕はお金持ちになる運命の人間だ。なぜならば、『無駄づかいをせず貯金しているから』」

「僕はお金持ちになる運命の人間だ。なぜならば、『今まで食うに困ったことは一度もないから』」

というように、置き換えた文章を証明する言葉を書いていくことで、固定観念のブロックが外れ、「事実」が見えてくるのだ。

この置き換えを、いくつかの文章のバリエーションを持って行うことで、それまで自分が囚われていたストーリーが突然崩壊し、目の前に、ありありとした「事実」が浮かび上がってくるのだ。

僕たちはどんなに強固にストーリーを構築しても、事実の前には絶対に勝つことはできない。

妄想は事実を変える力は持たないのだ。

すべての苦しみは、事実と闘うときに起こる。

徹底的に現実に寄り添う生き方をすることで、僕たちの人生は大きく広がっていくのだ。

【次のページ】では、僕たちはどうやったら現実に寄り添えるのか?現実に寄り添うと本当に苦しみや不安は消えるのか??

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