しがみつかない生き方 by 香山リカ 〜 論争が本意なのではない [書評]

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ブックレビュー2010年の75冊目は、香山リカ氏著、「しがみつかない生き方」を読了。

本書が注目されたのは、最終第10章に、「<勝間和代>を目指さない」という章があり、その内容について勝間和代氏と香山氏の間で何度か雑誌対談などが行われ、「カツマー vs カヤマー」などとマスコミに取り上げられ、「論争」などと騒がれたためだ。

しがみつかない生き方” by 香山リカ 〜 論争が本意なのではない [書評]

だが、本書を読んで、マスコミが騒いでいた「論争」の種となるようなトーンを僕は感じなかった。

少なくとも本書はとても静かな本で、アジテートするような論調はまったくない。

むしろ、静か過ぎて、それが軽い鬱状態に読者を引っ張っていこうとするかのような、憂鬱な静謐を孕んでいることが、僕は気になった。

普通の幸せを手に入れることすら難しくなっている人々がいる。

精神科医として、日々患者を診察する著者はそのように訴える。

何も過失がなくごく普通に生きていた人達が心を病む姿を見つめ続ける著者が、患者やその家族の視点でそのように投げ掛けること自体、まったく不思議ではないし、もっともなことだと思う。

香山氏自身、精神科医という職業に強いやり甲斐を感じているのでもないと告白している。

「食べるために働いているのだ」と。

皆が皆、人生の生き甲斐を感じて上昇気流に乗らなくても良いのではないか。今日と同じように明日が生きられれば良いのではないか。

そして無理に登ろうとした結果、登り始める前よりも、むしろ不幸になってしまうのではないか。

香山氏は静かにそう問いかける。

それでも、僕は勝間氏と香山氏のどちらに共感するかと問われたら、間違いなく勝間氏の生き方と答えるだろう。

生きるのが難しい時代、中流を維持することも出来ず、仕事の確保すらままならない。

そのような時代だからこそ、一歩でも前に進まなければならないし、少なくとも努力くらいはするべきだと僕は思っている。

若者達に元気がないと言われる時代。

40代の僕らは彼ら若者のお手本を示さないといけない世代だ。

僕自身、彼らに自慢できるだけの成果はまだ人生において挙げられていないかもしれない。

だが、少なくとも、一歩登るための努力は誰にも負けないくらいしているぞ。

そう言える人生を僕は歩んでいきたい。

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