限りなく透明に近いブルー 〜 暴力・薬・エロだらけなのに詩的な静けさが美しい村上龍 衝撃のデビュー作

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村上龍氏のデビュー小説「限りなく透明に近いブルー」を読み返したのでご紹介します。

こんにちは。ビジネス書作家・ブロガー・心理カウンセラーの立花岳志です。

当ブログでは、皆さんが人生をより自由に、より美しく、より楽しく生きるための情報やメッセージをシェアしています。

学び進化することも、より楽しい人生の構成要素の一つと僕は考えています。

心を豊かにする読書をし、読んだ本を紹介することも、このブログのメインコンテンツの一つ。

今回は村上龍氏のデビュー作「限りなく透明に近いブルー」を再読したのでご紹介します。

この作品に初めて触れたのは30年近く前、僕がまだ20代前半のころでした。

それ以来何十回も読み返し、文庫本がボロボロになってしまい、単行本を買い直しました。

ところが今回読み返そうとしたら本棚に単行本が見つからず、慌てて単行本を買い直し読み返しました。

さっそく紹介しましょう。

暴力・ドラッグ・セックスだらけなのに詩的で美しい文章

「限りなく透明に近いブルー」は、主人公の「僕」こと「リュウ」の恋人リリーが、リュウと会話をしながらドラッグを打つシーンから始まる。

舞台は東京の福生であり、米軍兵たち、そしてリュウの仲間の日本人たちは酒、ドラッグ、乱交などに溺れた生活を送っている。

全編を通じて特別なストーリーがあるわけではなく、リュウの視点で仲間との爛れ切った生活が淡々と描かれ続けていく。

作品の中でローリング ストーンズのアルバム「スティッキー フィンガーズ」が「新作」として登場人物によって紹介されている。

スティッキー フィンガーズがリリースされたのは1971年なので、「限りなく透明に近いブルー」の時代設定は1971年ということになるのだろう。

1960年代後半からのフラワームーブメント、ドラッグ全盛の時代とはいえ、ここまでリアルにドラッグ漬けの世界を描いているのは凄いと思う。

そして非常に特徴的なのがこの作品の文体である。

リュウの視点で作品は語られていくが、そこには誇張や激しさ、感情の表現などがほとんどなく、淡々とした描写が続いていく。

描かれているのは酒や暴力、それにドラッグパーティーにおける乱交など、極めて衝撃的な場面ばかりなのに、描写は常に詩的であり静的なのだ。

登場人物が怒ったり叫んだりするシーンはあるのだが、それらのシーンの描写すらが静かで詩的、リリシズムに満ちた文章で描き切られている。

何者なのか分からないままの登場人物たち

この作品は、何らかの始まりがあって始まるのでも、終わるのでもなく、1971年の初夏の時期をただ切り取ったように描かれている。

主要な登場人物は3つのグループに分かれている。

リュウの恋人リリーは、他のグループと顔見知りではあっても深く関わっていない独立した存在だ。

次がリュウの日本人の友人たち。

そしてもう一つのグループがアメリカ軍の兵隊である黒人たち。

日本人の友人たちと黒人兵たちは一緒になってドラッグ乱交パーティーを開いたりするが、そこにはリリーは参加しない。

登場人物たちはファーストネームやニックネームだけで呼ばれ、特に何かをするわけでもなく、何者なのかも分からない。

ただリュウの家や登場人物の一人レイコの家、それに米軍兵の「ハウス」などにたむろして酒を飲み薬を打ち、そしてセックスに耽るのである。

登場人物の多くは自己紹介もなくバラバラに現れて、そして何のキッカケもなくフェードアウトするようにいなくなっていく。

そして作品中で語られる会話も、若者らしい未来に向けての展望や夢などはなく、その日暮らしの退廃したムードに満ちている。

余計な感情表現も、職業や年齢などの余計な情報も、一切排除して、目の前に切り取られた、乱れ切った日常が映画の1シーンのように描かれている。

村上龍 衝撃のデビュー作

「限りなく透明に近いブルー」は村上龍氏が24歳のとき、1976年に発表されたデビュー作である。

彼はこの作品を群像新人賞に応募して見事群像新人賞を獲得し、その年の芥川賞を受賞して単行本として発売された。

単行本・文庫本の合計で367万部(2015年現在)売れており、この数字は芥川賞受賞作では最多部数とのこと。

僕は多くの村上龍氏の作品を読んだが、ごの「限りなく透明に近いブルー」ほど詩的な文体の作品は他には読んだことがない。

彼がこの文体を以降の作品で意図的に採用しなかったのか、自然と変化していったのかは分からない。

個人的にはこの作品が持つ詩的かつ静かな文体と、「限りなく透明に近いブルー」というタイトルは、非常に美しくマッチしていると感じる。

それだけに、以降の作品にこの文体が用いられなかったのは、少し残念に感じる。

いずれにしても、衝撃的な内容なのに静かな読後感が残る、他に類をみない作品だと感じている。

まとめ

限りなく透明に近いブルーは今まで何十回も読み返しているのに、このブログでは採り上げたことがなかった。

WordPressにする前の旧ブログでは一度書評を書いている。

僕は1969年生まれで、世界がドラッグに満ちていた時代のことは知らずに育った。

大人になってからウッドストックなどの映画や中上健次氏の小説などでその世界は知ることになったが、やはり自分とは縁が遠く感じる。

もう50年近く前の時代の小説を、今の若者が読んだらどう感じるのか、ちょっと興味がある。

あまりにも清潔になった現代から見ると、この乱れた世界観も少し懐かしくすら感じられるから不思議だ。

こんな時代もあったんだ、と。

これからも読み続けられて欲しい作品。

「限りなく透明に近いブルー」のチェックはこちらから!

限りなく透明に近いブルー

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