心・心理・あり方書評

言葉にすれば「悩み」は消える 言語化の魔力

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精神科医の樺沢紫苑さん著「言葉にすれば「悩み」は消える 言語化の魔力」という本を読んだのでご紹介。

「言語化」という言葉はここ数年の僕の中での重要なキーワードである。

僕自身頭の中でモヤモヤとループさせていた悩みや落ち込みを言語化することで、その悩みが消えた体験をして、毎日言語化に取り組んでいるからだ。

そんなタイミングで樺沢さんが「言葉にすれば「悩み」は消える 言語化の魔力」という、まさにドンピシャのタイトルの本を出された。

時代を先取りする樺沢さんならではのテーマと切り口だと感動しながら読ませていただいた。

予感通り素晴らしい内容だった。

さっそく紹介しよう。

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「悩み」とは何なのか

そもそも我々はなぜ悩むのか。

そして「悩み」とは何なのか。

本書では冒頭で「悩み」の特徴を3つ挙げている。

1つ目が「ネガティブ感情「つらい、苦しい」」。

2つ目が「対処法が分からない「どうしよう」」。

そして3つ目が「停滞、思考停止「どうしようもない」」である。

つまり、解決法が分からずつらくて苦しい、そして突破口がないのでどうしようもないと諦めて行動を起こせない状態が「悩み」なのだ。

悩みを解消するためには、何らかの行動を起こす必要がある。

しかし、行動を起こすためには「どんな行動をすれば良いのか」が分かっている必要がある。

何をすれば良いかが分かっていて行動できるなら、それは「悩み」ではなく「課題」だったり単なる「予定」だったりする。

「何をしていいかわからない」または何をすべきかは分かっていても「できるわけがない」と思い込んでいるから「悩み」なのだ。

悩みを解消する3つの方法

本書で樺沢さんは悩みを解消する3つの方法を紹介している。

1つ目が「視座を変える」こと。

2つ目が「言語化」すること。

そして3つ目が「行動」だ。

本書では「視座転換」→「言語化」→「行動化」の順で詳細に説明がされているので詳しくは熟読して欲しい。

視座転換

3つのうちの「視座転換」とは悩んでいる物事の見方を変えることで悩みを解消させるというもの。

たとえば物事をニュートラルに見ることを意識すること。

コップに水が半分入っていることを「半分しか入っていない」と捉えればネガティブ。

「半分も入っている」と感じる人はポジティブ。

ニュートラルは思い込みを排除して単に「半分入っている」と捉えること。

人間関係の悩みの多くは、悩んでいる本人が相手をネガティブに捉えることが原因で解決不能と思い込んでいることが多い。

「感情」と「事実」を分けて捉えることで、物事をニュートラルに見ることが大切だ。

また、悩んでいる人は一つの考えかたに囚われてしまい「心理的視野狭窄」に陥っていることが多い。

そのような時には「ロングショット」で物事を捉えることが大切になる。

チャールズ・チャップリンの「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」という言葉が紹介されているが、まさにその通りだ。

他にも視座転換のテクニックが多数紹介されているので詳しくは本書を手に取っていただきたい。

言葉にすれば悩みは消える

本書のメインテーマは「悩みを消す」ことだ。

そしてひと言でいってしまうと、「言葉にすれば悩みは消える」のは本当のことだ。

多くの人は悩みを頭の中でグルグルとループさせてしまっている。

その状態では悩みは実態を持たず、モヤモヤとした「想念」に過ぎない。

人は1日に2万〜6万回の思考を行うそうだが、それらの思考は浮かんでは消え、消えてはまた浮かぶだけで実態を持たない。

人間の脳の作業領域をワーキングメモリと呼ぶが、このワーキングメモリはとても狭く、作業用トレイは3つしかない。

ほとんどの人が数字3つの塊である携帯電話番号は憶えられるが、4つの塊になるクレジットカードの番号は憶えられないのは、作業領域が3つしかないことによる。

さらにその作業領域は「脳疲労」によって2つや1つに減ってしまうのだ。

悩んでいる人は思考をループさせすぎて脳疲労状態になっていることが多く、頭で考えようと思ってもすでに作業領域がほとんど機能せず、思考停止に陥ってしまう。

だからこそ、悩みを紙に書き出すのだ。

悩みを書き出すことを「外化(がいか)」と呼ぶが、外化することで頭の中でループしていた悩みが「言語化」される。

たとえば頭の中でタスクがパンパンになってしまっている時に「今日やるべきこと」を書き出してみると、意外と大した数ではなく驚くことがある。

悩みも頭で考えて解決するのではなく、「手で悩む」ことで可視化され、整理ができ、ガス抜きにもなる。

さらに大切なことは、言語化された課題は「行動可能なタスク」へと変化することだ。

悩みは行動することで本当に消える

最終的にほとんどの悩みは「行動」することでしか解消しない。

問題の方が勝手に片づいて解決するということも皆無ではないだろうが、比率は低いだろう。

冒頭にも書いたとおり、悩みは「何をしていいか分からない」場合や「何をするべきかは分かっているが『できるわけがない』と思い込んで行動しないから解決しないのだ。

たとえば「本を出版したい」という夢を描いているが、「自分にはできっこない」と諦めている人は何も行動を起こさないから夢はいつまでたっても実現しない。

悩みを言語化することで、悩みはワーキングメモリから離れて容量がたっぷりある外付けハードディスクへと移る。

言語化された悩みは整理・分析が可能になる。

出版の例でいえば、「出版のためにやるべきこと」をどんどん細かいプロセスに分解していくことが可能になる。

分解できない部分は知識が足りずイメージできていないのだから、出版に関する本を読んだり出版セミナーを受講するなりすることが最初の「やるべきこと」になるだろう。

そのようにして「出版」という大きすぎる課題を細かく細分化していくことで、最終的には「今日やるべきこと」という「タスク」にすることが可能になる。

コントロール不能な巨大な石を何とか動かそうとするのではなく、出来ることを出来る範囲ですることが大切だ。

行動し続けるためには、心身を整えることが絶対不可欠。

生活リズムが乱れている人は「脳疲労」に陥りやすい。

脳疲労になると脳の扁桃体という「警報装置」が過敏になり、不安や落ち込みが出やすくなる。

人間は「できる」と思えばすぐに行動できるが「できっこない」と感じた瞬間に行動できなくなる。

脳疲労を避けるためにも睡眠、食事、運動などの生活習慣を整え、「行動化」がスムーズに行える体調を維持することが大切だ。

まとめ

読みやすく説得力も抜群の素晴らしい一冊だった。

僕自身解決不可能と絶望していた悩みをノートに書き出し始めたところ、見る見る景色が変わって行動できるようになり解決できた経験を持つ。

悩んでいるときはそもそも脳疲労が起こっている可能性が高いので、悩みを解決する前に生活習慣を見直し体調を整えることからスタートしよう。

そして常に言語化を意識して行動を続けることが大切だ。

頭でグルグル考える時間があったら、すぐにノートに書き出して「外化」することで視点が大きく変わる。

僕自身も作家・ブロガーとして日々言語化に取り組み続けている。

いつか僕も僕自身の切り口で「言語化」をテーマにした本を書いてみたいと思っている。

2023年最初に素晴らしい本を読めて幸せです。

超オススメの一冊!!

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言葉にすれば「悩み」は消える 言語化の魔力

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