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やれんのか? Facebookでビジネスやれんのか? やれるんです!! “Facebookをビジネスに使う本” by 熊坂仁美 [Book Review 2011-022] [Net] [Facebook]

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ブックレビュー2011年の22冊目は熊坂仁美氏著、「Facebookをビジネスに使う本」を読了。

 

Facebookをビジネスに使う本

熊坂 仁美 ダイヤモンド社 2010-11-06
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by ヨメレバ

 

 

本ブログで取り上げたFacebookに関する本のエントリーはこちら。

 

 

時代はソーシャルなのだ。それは間違いないのだが、いまいち歯がゆさを感じる人も多いのではないだろうか。

特にソーシャルの大きな波の予兆を感じている人ほど、その波の正体が見えず、次に何をしてどう考えれば、その波を捕まえ自分のものとできるのかを考え続けているのではないだろうか。

かくいう僕もその一人だ。手応えを感じつつも曖昧さや焦燥も感じている。次にくるモノの正体を見極めようとドキドキしつつ、身構えている。そんなところだろうか。

もしあなたが僕と似たようなもどかしさを感じているなら、本書は強烈にお薦めだ。

濃霧からスッキリ快晴とまでは行かなくとも、今の自分を取り巻く状況の全体像くらいは見渡せるようになる。少なくとも僕には効果十分であった。

本書はタイトルの通り、Facebookをビジネスでいかに活用するかに焦点を当てた、Facebookの舞台裏ノウハウ本である。

全世界では6億人ものユーザーを持ち、「中国、インド、Facebook」と並べて呼ばれるほどの規模を誇るFacebookだが、日本ではまだユーザー数は200万人台と、ブレイクにはほど遠い。

従って海外で大ブレイクし、「もはやインフラ」とまで言われるFacebookの凄さを、国内にいる我々は、なかなか実感することができない。

本書では海外事例を豊富に盛り込むことで、3億人の人口に対して1.5億人のユーザーを誇る本国アメリカで、いかにFacebookがビジネスの発展に寄与するか、Facebookをうまく使うことで、安く簡単に効果的にネット上でのビジネスを発展させられるかを、分かりやすく解説してくれている。

そして同時に日本発のビジネスがFacebookを活用することで海外に向けての情報発信で成功している例も掲載し、我々にとってもFacebookの成功は他人事ではないのだと教えてくれている。

 

で、本書を読んでの最初の感想。納得。Facebookを使わない手はない。

 

Facebookのビジネス・ユースのここが凄いと感心したのは大別して以下の3点。

 

  • ビジネスユースでも使用料は無料。Official Page(日本ではFacebookページ)の開設・維持も無料
  • ユーザー同士が活発にお互いを巻き込み,巻き込まれる巧みなシステムの設計
  • 画像、動画を含む、リッチコンテンツへの柔軟な対応と他サービスとのシームレスな連携

 

まず、利用料がかからないというのはビジネスでは画期的だろう。FBでは広告を出稿する際には費用がかかるが、企業であってもOfficial Pageを開設し、運営するのにはコストがかからない。

しかもOfficial Pageには、管理者だけがアクセス可能なページのアクセス解析ツール「Insight」が標準装備されていて、アクセス数の増減はもちろん、アクセス者がどこの国から来ているのか、どんなキーワードで辿り着いたかなどの解析ができるようになっている。

そしてFacebookはその仕組みとして、ユーザー同士がお互いを巻き込み、巻き込まれやすいようなシステムの設計となっているため、ビジネスユーザーが開設したOfficial Pageに他のユーザーが芋づる式に訪問する可能性が通常のブログなどと較べて高くなっている。

これは「いいね!」ボタンの存在が最も大きい。例えば僕がiPhoneのOfficial Pageに登録をする。登録の際にはOfficial Pageの「いいね!」をクリックするわけだが、この「立花岳志がiPhoneのOfficial Pageを「いいね!」と言った」という行動ログが、僕のフレンド全員のウォールに表示されるのだ。

そのウォールへの書き込みにはOfficial Pageへのリンクが張られているので、僕の友人は自分のウォールから1クリックでiPhoneのOfficial Pageにジャンプすることができる。

そしてその友人がOfficial Pageを訪れた場合、僕以外にもそのページに登録している友人がいれば、その人たちのアイコンが表示され、「この人たちも参加しています」という勧誘の言葉まで表示されるのだ。

さらに、Facebookは動画や画像も自由に埋め込めるリッチなプラットフォームとなっているうえに、YouTubeなども含む他サービスとの連携がとても簡単で、しかもラインナップも豊富である。

実際本書では、アメリカのワインショップのオーナーがFacebookのページ上で運営するサイトが実例として登場するが、自身のブログやYouTubeなどと自由に組み合わせたそのサイトは、もはやFacebookというひとつのWebサービスのページという域を超え、一つの独立したコンテンツとして完成している。

そして、FacebookのOfficial Page(ファンページ)はGoogleなどの検索にも引っかかる、オープンな場なのだ。

Facebookは個人ページもグループもイベントもアルバムも、ほとんどのコンテンツがクローズドな状態なのだが、このOfficial Pageだけは誰でもアクセスが可能だし、検索エンジンにも引っかかるし、引っかかるだけではなく、かなり上位に表示される、強力なコンテンツなのだ。

従来SNSでビジネスというと、バナー広告を出しますか、くらいしかイメージできなかったのではないかと思う。

だが、本書を読めば、もはやSNSにおけるビジネスはそんな甘っちょろい水準にはないということが理解してもらえると思う。

ソーシャルの波を感じるあなた。今すぐ本書を手に取るべし。

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