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超実践的Evernote上級活用テクニック! “Evernote情報整理術” by 北真也 ( @beck1240 ) [Book Review 2011-021] [Net] [Evernote]

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ブックレビュー2011年の21冊目は、北真也氏 ( @beck1240 ) 著、「Evernote情報整理術」を読了。

 

EVERNOTE情報整理術

北 真也 技術評論社 2011-02-09
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by ヨメレバ

 

 

良くできる人は難しいことを簡単に説明できる人だ。

誰かがそんなことを言った。そして本書はまさにそういうタイプの本だ。決して初心者向けではない。むしろ扱っている内容はかなりマニアックで突っ込んだ事項が多い。

だが、本書を読み進むと、それら難しいはずのトピックが、不思議とスイスイと頭に入ってくることに気づく。

「ひょっとして急に頭が良くなったか?」と期待してみたのだが、そうではない。僕の頭が突然レベルアップするはずはなく、本書の説明が上手いので、ついその気にさせられてしまったのである。

「外部脳」「第2の脳」とも呼ばれるEvernote。活用の仕方は人それぞれなのだが、機能が豊富で自由度が高い分、本気で使いこなすにはテクニックが必要となる。

この「Evernote情報整理術」は、サブタイトル「情報過多時代のビジネスパーソンに贈る45の戦術」の通り、Evernoteを活用して日々押し寄せてくる情報をいかに有効に「さばく」かに焦点を当てた、中級者〜上級者向けのノウハウ本である。

取り扱う内容は平易ではない。第1章からいきなりGTDが出てくるし、FlickrだTomblooだFriendFeedだペルソナだPixelpipeだと、他のサービスとの連携や心理学用語なども登場する。そもそもGTDって何だよ!という人にとっては冒頭から軽くビックリする高レベルの進行なのだ。

それなのに、不思議と全然つっかえないのである。そこが本書の真骨頂である。とにかく分かりやすいのだ。

いきなり「GTD」と大上段に構えずに、さりげなくGTDのフローを冒頭から何度か繰り返し登場させることにより、専門用語による拒否反応が起こるのを未然に防いでいたり、ちょっと込み入った部分には必ず分かりやすい図解が付与されているため、ふと気づけば相当難しいはずの展開にしっかり着いていくことができる。

特に第3章のGTDによる情報整理の箇所については、突っ込んだ活用法を徹底的にかみ砕いて解説しており、GTDの本家デビッド・アレン氏の「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」よりもGTDについてずっと簡単かつ論理的に学ぶことができ、GTDに沿ったEvernoteの具体的活用について体系的に学ぶことができる。

こういう書き方をすると、ひどく堅苦しい本のように感じるかもしれないが、著者の人柄が良く出た「ゆるい」話題もあちこちにちりばめられていて微笑ましい。

例えば疲れた時などに眺めて安らぐ「Evernoteに癒しスポットを作る」の項や、テンションを上げたい時に眺める「パワースポット」など、楽しくも仕事が超多忙な著者が本気で実践してきた例が目白押しである。

Evernoteに「何を入れるか」という話題や情報は世の中にたくさん出回っている。だが、入れた情報をどう活用するか、という点にフォーカスした本はまだまだ少ない。

自由度が高いEvernoteだからこそ、活用術を身に付ければ便利さも無限大に広がっていくはずだ。

素晴らしい超実践的Evernote活用術。Evernoteに情報を入れ始めたものの、イマイチ活用できていないという方は、是非本書を手に取ってみてもらいたい。お奨めの一冊。

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