自己実現・自己啓発書評

ずっとやりたかったことを、やりなさい。

自己実現・自己啓発書評
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ジュリア・キャメロン氏著、「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」という本を読んだのでご紹介しよう。

この本の英語版オリジナルが出版されたのは1992年、日本語版が出版されたのは2001年4月である。

英語版が出版されすでに30年、日本語版が出て20年以上が経っているが、今も読み続けられている大ベストセラーだ。

そして僕がこの本を購入したのは2011年末で、買ってすぐに一度通読している。

今回思うところあって久しぶりに再読したが、前回以上に心に響くものがあった。

早速紹介しよう。

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原題は “The Artist’s Way”、アーティストの道

本書の邦題は「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」だが、 英語の原題は「The Artist’s Way」である。

日本語に訳すと「アーティストの道」「芸術家の道」という感じだろう。

人は誰もが心の中に本当はやりたいこと、やりたかったことを秘めて生きている。

しかし、様々な阻害要因により、やりたかったことをできずに生きている人が大半だろう。

そして、多くの人は、やりたかったことがかつて自分の中にあったことすら忘れ、封印して日々の生活に追われている。

この本のテーマは「創造性の回復」である。

原題から考えると一瞬アーティスト向けの本なのかと思うかもしれないが、そうではない。

本来はすべての人に「創造性」があるが、ほとんどの人は創造性を封印して暮らしている。

本書が目指すのは、すべての人の創造性の回復なのである。

だから、邦題の「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」は、まさにピッタリの翻訳ということになる。

2つのツール:「モーニングページ」と「アーティストデート」

著者のジュリア・キャメロン氏が創造性の回復のために本書で用いる基本ツールは2つ。

「モーニングページ」と「アーティストデート」である。

2つのツールのうち、「モーニングページ」が非常に有名になり、多くの人が実践して効果をあげたことが、本書を世界的ベストセラーに至らしめた。

モーニングページとは、非常にシンプルなワークである。

行うことは、毎朝ノートに3ページ、自分の感情の流れをありのままに綴るだけ。

些細なことでも構わないし、不平不満や泣き言、怒りなども包み隠さずそのまま書き出すことが大切だ。

モーニングページは他人には見せてはいけない。

誰も見ないからこそ、安心して自分の本当の感情や思考を吐露できるのだ。

何のために毎日自分の感情や思考をひたすら書き出すんだろうか。

その必然性を、ジュリア・キャメロン氏は以下のように説明している。

 

「 あなたがモーニングページに書く怒りや、メソメソした泣き言は、あなたとあなたの創造性の間に立ちはだかっているものを表している。仕事や洗濯物、車のおかしなエンジン音、恋人の奇妙な視線といったものを思いわずらう気持ちが、私たちの潜在意識の中に渦巻き、日々の活動を邪魔しているのだ。それをモーニングページに書き出してみよう。」

 

我々が本来持っている独創的な創造性は、日々の感情や思考により混乱させられ、阻害されている。

そして我々の感情や思考は、言語化されない間は、頭や心の中をぐるぐるとループしているだけで、解決していかない。

モーニングページにそれらループしていた感情や思考を書き出すと、感情や思考が言語化され、形を持つ。

言語化された愚痴や泣き言、不平不満は解決に至る方向性を持ち、行動できる形になり、解決されていく。

ループしている感情は、どんどん膨張し我々を弱体化させてしまう。

「こんなにたくさん辛いことがあったら、とても私は自分がやりたいことなんてできない」というように。

しかし、一旦言語化すると、実はとてつもなく大きな問題と感じていたことが、瑣末なことに見え、あっさり解決できたりする。

この「感情と思考の言語化」をひたすら行うのが「モーニングページ」なのだ。

もう一つのツール「アーティストデート」とは、一週間に一度、二時間程度、自分の創造性を高めてくれる、創造的な環境に自分を置こう、というもの。

大好きな音楽を聴いたり、美術館を訪れたり、想像力をかきたてる本を読んだり、という形だ。

モーニングページで創造性を阻害する感情を整理し、アーティストデートで自分の創造性を刺激し高めよう。

2つのツールはこのように機能する。

12週間の旅で創造性を回復しよう

本書では、冒頭でモーニングページとアーティストデートの役割と実施の方法の説明があり、その後は第1週から第12週まで、合計12週間の「創造性を回復する旅」で構成されている。

長らく自らの創造性を阻害され、封印してきた人が、モーニングページを書き始めても、突然全面的に創造性を回復するには至らない。

第1週から1週間ごとにテーマを定め、そのテーマごとに設定されたワークを行うことで、一つずつ創造性の阻害要因を排除し、本来の自分に戻っていくという旅だ。

第1週は「安心感を取り戻す」、第2週は「アイデンティティを取り戻す」、第3週は「パワーの感覚を取り戻す」といった流れだ。

これらの旅が進む間も、毎朝モーニングページを書き続け、毎週1回アーティストデートも行い続けることになる。

自分が書いたモーニングページは、第9週になるまでは見返さないようにと書かれている。

旅の前半は失われてしまっている本来の自分を取り戻すために必要な、癒しが中心となっている。

その間はモーニングページを読み返すことで、自らが書いた否定的な感情や思考を掘り起こしてしまうことを避けるため、読み返さないようにと指示されている。

旅が後半に入ると、癒しから、本来の自分をより豊かなものに磨き昇華させていく旅へと内容が変わっていく。

本当の自分はもっと素晴らしい。本当の自分は宝石のように輝いている。

自分を癒す段階から自分を磨くステージに進んだときに、初めて自らが書いたモーニングページを最初から読み返すのだ。

そして12週間の創造性回復の旅が終わったあとも、モーニングページとアーティストデートの習慣を途切れさせないことが大切だ。

著者のジュリア・キャメロン氏は、本書が出版された時点で10年間、毎朝モーニングページを書き続けてきたという。

まとめ

この本で紹介しているモーニングページは非常に有名なツールとなり、多くの人が活用し続けている。

しかし、本書を再読して思ったのは、モーニングページを書くことも大切だが、本書のメインパートである12週間の旅に記載されているワークを行なっていくことも、同じくらい創造性の回復に大切だということ。

一週間ごと、週末などに時間を確保して、毎週のワークに取り組むことをオススメする。

僕も今週末から毎週のワークに取り組もうと思っている。

本書を読んで強く感じたことは、すべての人にもともと創造性が備わっているということ。

そして創造性は枯渇したり不足したりしているのではなく、様々な要因によって阻害されているということ。

だから、モーニングページと毎週のワークを行うことで、阻害要因さえ排除できれば、だれでもが、本来の創造性を回復できる。

そして本来の自分に戻り、ずっとやりたかったことを、やれるようになるのだ。

正直10年前に読んだ時はそこまで心に響かず、モーニングページも書かず、ワークも行わなかった。

今回は非常に心に響く内容と感じたので、モーニングページは最低でも1000日は続けようと思う。

そして12週の旅も最後まで続け、ワークにも取り組もうと思っている。

素晴らしい一冊でした。

オススメです!!

「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」のチェックはこちらから!

ずっとやりたかったことを、やりなさい。

「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」は僕のYouTubeチャンネルでも紹介しているので併せてご覧ください!!

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