自己実現・自己啓発書評

数値化の鬼 〜 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法

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安藤広大さん著、「数値化の鬼 〜 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法」という本を読んだのでご紹介しよう。

この本を書店で見かけたとき、「読みたい」という想いと、反対に「数字は苦手で嫌だな」という気持ちが錯綜した。

しかし、実際手に取ってみると、僕は懐かしい気持ちになりながら、楽しんで読むことができた。

僕は会社員時代、営業担当から営業マネージャー、そしてシニアマネージャーへと進んだ。

数値化は、まさに僕が会社員時代に取り組み続けたテーマだったのだ。

若い頃は、上司から「お前の話は定性的でだめだ。もっと定量的な話し方にしろ」と叱責されたこともあった。

自分がマネージャーになってからは、若い担当に「すべてを数値化して話せ」と指導したりもしてきた。

年度計画などを立案するようになってからも、会議ではとにかく「数値化!数値化!」と繰り返してきたのだ。

本書を読み進めるうち、僕は自分は「数字に弱い」と思い込んでいたが、会社員時代に徹底的に鍛えられ、むしろビジネスで使う数字には強いのだと思い直した。

そんな想いを抱かせてくれた素敵な本だった。

さっそく紹介しよう。

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数字は言い訳を許さない

ビジネスの世界で「数字」といえば、「売上目標」や「ノルマ」などを思い起こす人が多いのではないだろうか。

売り上げ目標やノルマというと、追い立てられるもの、押し付けられるものというネガティブな発想になりがちだ。

しかし、すべてを数値化することで、曖昧さがなくなり、 感情が切り離される。

たとえば複数の社員がいる現場で「ノルマ」の達成度を数字抜きで測ったら不満が噴出するだろう。

「すごく頑張った」とか「力を出し切った」などの感情的な表現で社員を評価することは危険だ。

曖昧な概念で評価をすると、不公平が生まれる。

気に入っている部下に甘い評価を下せる余地が生まれるからだ。

すべてを数値化することで、曖昧さがなくなり、客観的評価が行えるようになる。

そして数値化することで、「何が足りないのか」「何をするべきなのか」も明確になり、改善活動が容易になる。

仕事の現場だけでなく、日常生活でも数値化は自己客観視と改善の助けとなる。

たとえば読書するにしても、「1日30分本を読む」と目標を数値化すれば、達成できたかどうかは一目瞭然になる。

もし30分の目標に対し25分しか本を読めなかったなら、「どうすれば30分読めるのか」を考え、改善策を実行すれば良い。

ダイエットするなら、「10kg体重を落とす」と決め、その目標に向け「何をするのか」を決めて行動に移す。

行動の結果順調に体重が落ちればそのまま続ければ良い。

思ったように体重が落ちないなら、「なぜ落ちないのか」「何がいけないのか」を分析し、改善案を考えて、行動を修正する。

曖昧な目標だと、「まあまあ上手くいった」という曖昧な結果が受け入れられてしまう。

「まあまあ上手くいった」の世界では、「失敗」を認めにくく、失敗することを悪いことと捉え、避けようとする。

数値化されると必ず結果が客観視されるため、失敗が特別なことではなくなり、失敗を受け入れ改善することが当たり前になる。

数値化は言い訳を排除し、具体的行動を促すものなのだ。

数字に対するネガティブなイメージを払拭し、主体的に行動する武器として活用しよう。

間違った努力をしないために必要な「変数」の知識

すべてを数値化し、PDCAサイクルを回すことで目標を達成できるようなる。

本書の基本的な方向性は上記のとおりだ。

PDCAサイクルとは、計画 = P、行動 = D、振り返り = C、修正行動 = Aの略である。

「計画」の中には、「達成すべき目標値」と、「達成するために実行すること」が含まれる。

ダイエットを例にすると、「半年間で10kg体重を落とす」という目標値と、「毎日30分ランニングをする」という「達成するために実行すること」が含まれる。

計画した通りに毎日30分ランニングしたが、1ヵ月後体重がまったく減っていなかったとする。

「振り返り = C」では、「なぜ毎日ランニングをしたのに体重が減らないのか」を分析することになる。

その際に、「何を変えれば体重が減るのか」のキーになるのが「変数」である。

たとえば、「ランニングが30分では足りないので、45分にする」と判断したなら、「ランニングの時間」が変数と判断したことになる。

だが、翌月毎日45分ランニングしても体重が減らなかったなら、「ランニングの時間」は「変数ではなかった」ことになる。

そこでさらに分析をして、「毎朝飲んでいる甘い缶コーヒーをやめる」、つまり「缶コーヒーの数値を一か月30本から0に変更する」とする。

翌月ランニングは30分に戻し、缶コーヒーを飲まない生活を続けたところ、1ヶ月で体重が2kg落ちたなら、「変数は甘い缶コーヒーを飲む習慣」だったとなる。

何が変数なのかを見極めるためには、何度も試行錯誤しつつ、「なぜ」を繰り返すことが大切だ。

間違った変数を設定して努力しても効果は出ない。

変数の見極めが結果を出す鍵となるのだ。

真の変数を見極め変数を減らす

変数は大切なものだが、同時に危険なものでもある。

放って置くと変数はどんどん増えていき、行動ができなくなっていくからだ。

先程のダイエットの例で説明する。

「甘い缶コーヒー」が変数だったと説明したが、翌月コーヒーを飲まなかったのに1ヶ月で体重が1kgと、目標より少ないペースでしか減らなかったとする。

そのとき分析で、「缶コーヒーだけでなく、風呂上がりのビールもやめた方が良いのでは?」と考える。

さらに「ビールのつまみに食べているポテトチップスもやめるのが良いかも」とも思い付く。

すると、コーヒー、ビール、ポテトチップスと変数が増えていく。

さらに「ランニングだけじゃなくて筋トレもしたらもっと効果的かも」となる。

このようにして変数が増殖し、結果「全部が大事」という考えに陥り、やるべきことが増え過ぎて実行が難しくなってしまうのだ。

変数は放っておくと増えるものと認識し、「真の変数」を見極めたうえで、効果が薄い変数を手放すことが大切だ。

上の例でいうと、「コーヒーやビールを止めるのは効果が薄い」と仮説を立て、「夜のポテトチップスを止める」に変数を絞ることで変数が増えることを防ぐ。

また、変数は常に同じものとは限らない。

季節や時間、計画の進捗などによって変数は刻々と変化する。

いちど設定した変数がずっと正しいと思い込むことは避けよう。

リアルタイムで変数を見極め続けることが大切だ。

まとめ

冒頭にも書いたが、僕は自覚していなかったが、数値化が好きだし、得意でもあった。

40歳前後で27kgのダイエットに成功した時も、常に目標を数値化して設定していたし、変数も見極めていた。

今でもブログの更新記事数やアクセス数、毎月の読書冊数やランニングの距離数、筋トレの回数など全部数値化して管理している。

もちろんビジネスの売上なども数値化してチェックしているし、毎朝の体温、血圧、体重や体脂肪なども数値で確認する習慣だ。

僕が「数値化が苦手」と思ったのは、やはり若い営業時代に「押し付けられたもの」という印象が強かったからだろう。

本書を読むことで、主体的に数字と取り組むことは、むしろ素晴らしいことだと認識できた。

言い訳を許さず、失敗が当たり前になり、改善して目標を達成する喜びを知る。

数値化の醍醐味とはまさにこのことだ。

これからも、様々なチャレンジを数値化し、失敗しながら成長していきたいと思う。

すばらしい本でした。

オススメです!!

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数値化の鬼 〜 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法

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