お金・マネー書評

お金2.0 〜 新しい経済のルールと生き方 by 佐藤航陽 [書評]

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2018年4冊目の書評は、佐藤航陽さん著、「お金2.0 〜 新しい経済のルールと生き方」をご紹介。

お金に関する本はすごく好きで定期的に読んでいるが、この本は今まで読んできたどの本とも違う、凄い本だった。

21世紀、情報革命時代の世界の動きを網羅的に捉えたうえで、テクノロジーと経済の融合、そして人々のライフスタイルの変化を見極め、いま世界で起こっていることを明快に解説している。

帯を見ると6万部突破しているヒット作のようだが、納得である。

さっそく紹介しよう。

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お金2.0 〜 新しい経済のルールと生き方 by 佐藤航陽 [書評]

仮想通貨が変えるお金の価値

いま世界はビットコインに代表される仮想通貨が話題になっている。

話題になっているが、その実体と、仮想通貨が我々の生きる世界にどのような影響を与えているかについては、あまり理解されていない。

という僕も全然理解していなかったのだが、この本を読んで「なるほど!」と腑に落ちた。

仮想通貨の仕組みなどは本書を精読して理解していただきたいが、仮想通貨が我々の世界に与えるインパクトについては、非常に説得力があった。

それは、これまで各国政府が中央銀行に独占的に与えていた「お金を作る」権利が、民間に解放されてしまった、ということだ。

この状態は、「情報発信」に例えると分かりやすいのではないだろうか。

20世紀には、テレビや新聞などのマスメディアに特権的に与えられていた「情報を世界に向けて発信する」という権利が、インターネットの普及によって、あっさり壊された。

今では僕のこのブログのように、誰でも簡単に世界に向けて情報を発信することができるようになった。

それと同じように、仮想通貨市場は政府の中央銀行とは関係なく、独立して開設することができ、そこで自由に取引ができるようになった。

この動きは情報発信と同じように不可逆的であり、二度と以前の状態には戻らない。

仮想通貨の誕生と劇的な発展により、お金が民主化した、といっても過言ではない。

世界にお金が溢れている

世界の経済は、僕たちが普通にお金を使ってモノやサービスを買ったり売ったりしている「消費経済」と、株式、為替など金融市場で動く「資産経済」に大別される。

そして、実体経済ともいうべき「消費経済」よりも、一般市民にはまったく関わりがない「資産経済」の方が、9倍も規模が大きくなっている。

さらに、資産経済は次々開発される新しい金融商品や、仮想通貨市場の拡大などのため、どんどん肥大化している。

資産経済においては、投資先がもう見つからないほどお金が有り余っていて、飽和状態になっている。

つまり、世界にはお金が溢れているわけだ。

資産経済のお金は、不動産投資や仮想通貨取引などをしている人を経由して、我々の消費経済にも流れ込んでくる。

その影響を受け、我々の生活にも、どんどんお金が流れ込んできて、溢れるようになりつつある。

先日流れたニュースで、「ベーシックインカムハウス」という賃貸住宅が話題になっていた。

ベーシックインカムハウスは、住む人が家賃を払うのではなく、無料で住めるうえに、光熱費無料、さらに15,000円の食費を毎月もらえる、というもの。

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使い道のない資産を抱えている人が、「世の中のためになりつつ面白いことをできないか」という試みで発生しているプロジェクトだが、これもまさに、お金が余っている時代を象徴するできごとだ。

お金は世界に溢れ返り、もう元には戻らないのだ。

資本主義から価値主義へ

どんなものでもそうだが、「足りない」「貴重」と思うからこそ、「欲しい」「価値がある」とみんなが思う。

お金に関しても、今までみんなが「お金がほしい」と思っていたのは、お金が常に足りなくて、もっと欲しいとみんなが思っていたからだ。

お金は貴重なものだったのだ。

ところが、お金は自由自在に増やせるようになり、そこらじゅうに溢れているという状態になった。

そうなってくると、河原の石ころと一緒で、お金は急速に価値を失いつつある。

そして、相対的に価値が高まっているのが、「お金で買えないもの」だ。

その一つが「影響力」だ。

情報発信による影響力は、お金で買うことができないものの代表的なものの一つ。

Twitterのフォロワーをお金で買うことはできないし、ブログのPVもお金を払っても釣り上げることはできない。

著者の佐藤さんは、資本主義の次の時代を「価値主義」と名付けているが、まさに、お金よりも価値が重要視される時代になりつつあることを、日々情報発信をして生きている僕は痛感している。

お金から自由になる僕たち

急速なテクノロジーの発展により、近い将来人間にできるすべてのことを、人工知能ができるようになり、人間の知能を人工知能が追い抜くと言われている。

そのような時代になると、単純労働から順に労働はロボットが行うようになり、価値を生むための作業から人間は解放されるだろう。

そうなると、僕たちは働く必要がなくなる。

お金を稼ぐのはロボットの仕事になり、僕たちはベーシックインカムを政府から受け取り、働かなくても生きていけるようになる。

働くという行為は、さらに豊かに生きたい人、そして、それ以上に、世の中に価値を生み出したいという純粋な気持ちによってもたらされるものへと変化する。

そうすると、「儲からないからやらない」というような、価値はあるが利益が出なかったという仕事が大きく注目されたり、純粋に世界が良くなる行為に人々は従事するようになる。

お金というのは、人間が発明した後天的なものだが、お金の発明以降、僕たちは常にお金に囚われて生きてきた。

そのお金から僕たちはまもなく解放されようとしているのだ。

これほど大きなパラダイムシフトを経験できる時代に生きていることは、とてつもなくすごいことだ。

まとめ

スケールの大きな話で、しかも非常に論理的で切れ味も鋭い。

しかし僕のような初心者にも分かりやすく、網羅的で親切な書き方になっている。

僕たちが生きる時代が、ここまで大きく変化しているとは、この本を読むまで実感できていなかった。

テクノロジーの進化が加速する未来を楽観的に捉えるか、悲観的に捉えるかは人それぞれだ。

僕はこの本を読んで、ますます「未来は明るい」と希望を持った。

素晴らしい未来予言の書。

お金2.0、超オススメです!!

お金2.0 のチェックはこちらからどうぞ!

お金に関する本の書評はこちらにも!もう1記事いかが?

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