日本人よ!利益は悪ではない! 書評「勝間式 利益の方程式」 by 勝間和代

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日本人には、どうも「利益を上げる」ということに対する罪悪感、抵抗感があるように思う。

利益を上げることは悪いことなのか?

 

日本には清貧の思想がある。

貧しくても心清らかであれば良い。

さらに、「暴利を貪る」という言葉や、外資系ファンドを「ハゲタカ」と呼ぶなどの習慣もある。

関西では「儲かりまっか?」に対しては「ボチボチでんなあ」と答えるのがマナー。

 

 

資本主義経済のまっただ中にいるのだから、儲けることは正しいことであるはずだ。

現にアメリカでは、大学生が次々とベンチャーを立ち上げ、あっという間に巨大企業に育て、売却益で億万長者の仲間入りをしていく。

ところが日本では、そういった仕事の仕方をすると「カネの亡者」と言われたりする。

 

 

 

 

今まではそれでも良かったかもしれない。

だが、これからは、グローバル化した地球で、肉食の他民族と同等に闘って生き残っていかなければならない。

「清貧」という美学は持ち続けるべきだと思う。

だが、それをビジネス上で持ち出すことは、これからの時代ナンセンスだ。

 

 

「儲けなくてもいいです」と言った瞬間に、他国の企業に「ごっつぁんです」と全部根こそぎ持っていかれてしまう。

そうならないためには、利益に対する正しい知識を国民が持つことが大切だ。

本書「勝間式 利益の方程式」は、企業がいかにして利益を上げるか、その仕組みと法則が網羅されている名著だ。

勝間氏得意の自己啓発書ではなく、かつての本業の経営コンサル的視点から書かれた本だが、予想以上に勉強になった。

 

 

勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!─ 

勝間 和代 東洋経済新報社 2008-04-04
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by ヨメレバ

 

 

 

売上のために働くな!利益のために働け!

 

 

日本が長いデフレのトンネルに入ってからもう10年以上が経つ。

デフレ経済下では、じわじわと物価が下がる。

そして、景気が悪いため、国民の購買意欲も低い。

 

 

すると、企業はライバルに勝つために、値下げをしてしまう。

同じ材料、同じ品質の商品の値段を下げれば、当然利益は減る。

同じ業界の会社同士、本来なら利益を競うべきなのに、いつの間にか値引き合戦になっている。

どちらも消耗し、売上は減少し、そして従業員の給与、外注先への発注単価、すべてが圧縮され、その従業員達はますますお金を使わなくなる。

まさにスパイラルだ。

 

 

 

 

本書では「戦略なき値引きは悪」と断言している。

日本の企業は安易に値段を下げるべきではない。値引きの誘惑に負けるべきではない。

現代における正しい利益の知識を社員一人ひとりが持ち、ビジネスを推進することで、今自分達が何をするべきか、正しく判断することができるようになる。

 

 

僕たちは、利益を上げて始めて生活ができるのだ。

上げるべきは売上ではない。利益だ。

そのことを頭に叩き込む必要がある。

 

 

利益を上げる4原則

 

 

本書では、利益を上げるための方程式を定義している。名付けて「勝間式万能利益の方程式」。

 

 

利益 = (顧客当たり単価 – 顧客当たり獲得コスト – 顧客当たり原価) X 顧客数

 

 

そして、利益を上げていくための4つの原則が示されている。

 

 

原則1. 顧客単価を1円でもバカにせずにコツコツと引き上げ、戦略のない値下げはしない

原則2. しっかりと顧客獲得コストを計算して、口コミ等、なるべく顧客獲得コストが安くなるチャネル・手法を活用する

原則3. コスト改善を地道に行って、かけるべきところにはコストをかけながら、全体コストを引き下げる

原則4. 顧客の普及率に伴ったステージを意識し、市場と対話をしながら、施策のメリハリをつける

 

 

それぞれの原則が、個別の知識や行動習慣に落とし込まれ、それぞれについて解説が加えられている。

このブレイクダウンの仕方、取りまとめと分析の素晴らしさは、まさに勝間和代氏でなければできない、超実践型だ。

結局は、いかに単価を上げつつ顧客獲得コストを下げ、さらに原価も絞っていくかというバランスになるわけだ。

 

 

世界の中の日本のために

 

 

日本のケータイが「ガラパゴス」と呼ばれるようになったのはいつからだろうか。

ふと気づけばお隣韓国のサムスンは欧米に大々的に進出し、世界企業となった。

いっぽう、日本のメーカーの海外進出は一時の勢いを失い、苦戦を余儀なくされている。

本書では、日本企業を苦戦に陥れているのは「3つの過剰」だとしている。

「過剰な品質」、「過剰な設備投資」、「過剰な人員投資」。この3つである。

 

 

 

 

日本の労働生産性はOECD加盟先進国で最下位。アメリカの70%しかない。

我々が「効率が悪いだろう」とイメージしがちな、昼休みに昼寝をしたりするスペインや、何でも適当そうなイタリアよりも低いのだ。

この労働生産性の低さの原因が、上に書いた「3つの過剰」が問題だとしているのだ。

 

このような過剰を生んでいる原因も、正しい「利益」に対する知識が現場やマネジメントに欠如していることが一因である。

正しく稼ぎ、利益を享受する。

当たり前のことが日本を救うのだ。

 

 

まとめ

 

 

「他社よりも少しでも安く」「赤字覚悟」。

我々は長い不況の中で、このような言葉にあまりにも慣れすぎてしまった。

もちろん「リップサービス」として使うのなら良いのだ。そのようなフレーズを使って競争していても、業界全体が潤っているなら何も問題はない。

だが、バブル崩壊後の失われた20年で、日本企業は本来温存すべき利益も全部吐き出し、丸裸になってしまった。

さらに追い討ちをかけるように、世界はグローバル化に向けてまっしぐらに進んでいる。

 

 

もはや日本だけの思想やしきたりで勝負してはいけないのだ。

今こそ海外企業と同じスタンダードで闘わなくてはいけない。

利益を上げて生き残ろう。そのうえで、日本固有の美しい文化やしきたりを、大事に残していこう。

勝負に負けたら、文化も生き残れない。

もう執行猶予の時間は、ない。

 

 

追記: 本書「勝間式  利益の方程式」のレバレッジ・メモ僕のFacebookページで公開しました。

 

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2011年の73冊目の書評としてお送りしました。

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