出版したい人は必ず読みなさい!! — 職業、ブックライター。上阪徹 毎月1冊10万字書く私の方法

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「すごい本が出たものだ」。この本を最初に手にしたとき僕は感じた。

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表紙の写真を見てもらうと分かるが、タイトルと著者名が同じ大きさで配されている。

タイトルは「職業、ブックライター」なわけだが、僕はごく自然に著者名の「上阪徹」までがタイトルと受け入れた。

職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法

上阪 徹 講談社 2013-11-12
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この本は革命的な本である。

なぜか。

一冊の本が、「ブックライター」という、それまで存在していなかった職業名を定義することに成功したからだ。

もちろん職業としてブックライター業務を行っている人は日本中に何人もいる。今までもいたし今もいる。

しかし、彼らは本を一冊書き上げているにもかかわらず、明確で誇りを持てる職業名を持っていなかった。

著者の上阪さんは自らの職業名を定義することに成功するとともに、ブックライターという職業の素晴らしさを広く世に伝えることにも成功した。

実に濃い内容だが、さすが上阪さんの文章は実に読みやすい。

さっそく紹介しよう。

 

 

 

出版したい人は必ず読みなさい!! — 職業、ブックライター。上阪徹  毎月1冊10万字書く私の方法

 

隠す必要はない!文章を書かない「著者」がたくさんいることを

今回上阪さんが定義した「ブックライター」という職業名。

ブックライターが何をするか。

一言で言えば、本を書くのである。著者にインタビューをして資料を集め、目次構成案を作り、原稿を書く。

著者とタッグを組み、本を作る。

それがブックライターの仕事だ。

 

 

今まで日本では、その職業は多くの場合、「ゴーストライター」と呼ばれてきた。

この職業名は完全に日陰の存在である。

華やかに光を浴びるのは著者ばかり。そしてライターは「ゴースト」、幽霊である。

まるで悪いことをしているかのような言われようではないか。

10万文字以上の原稿分のインタビューをして、著者の想いをすべてぶつけて原稿を書いている人間に、この職業名はあんまりではないか。

 

 

僕自身本を出版するようになるまで知らなかったことだが、ビジネス書の多くは、著者は原稿を書かず、ブックライターとコンビを組んで出版している。

なぜか。

理由は簡単だ。多くの著者は文章を書くプロではないからだ。

たとえば著名なスポーツ選手がいたとする。

その人の理論や経験、そしてメッセージは素晴らしいものがある。

だが、その選手は決して文章を書くプロではなく、企画のプロでもない。

むしろ多くのスポーツ選手は文章を書くことは苦手な人が多い。

文章を書くことが苦手な素人が一冊の本、10万文字以上を書き上げることができるだろうか。

しかも、多くの読者に、一番自分が伝えたいことを明確なメッセージとして響く形にできるだろうか。

答えは「不可能ではないかもしれないが、かなり難しい」ということになるだろう。

 

 

著者が自分で本を書いていないということに違和感を受けたりショックを受ける人もいるかもしれない。

だが、著者が自分で慣れないパソコンタイプを必死でして下手くそな文章を書くことが大切だろうか?

僕はそうは思わない。

一番大切なのは、著者が明確で素晴らしい「伝えるべきこと」を持っていることなのだ。

そしてそれを文章という形にすることは、プロであるブックライターが担当すればいいのだ。

読者に一番伝わる形に文章が整えられていること。

それこそが一番大切なことだと僕は思う。

 

 

著者が自分で輪転機を操作して書籍を印刷しなくても誰も文句を言わないように。

著者が自分で表紙デザインをしていなくても誰も文句を言わないように。

書籍の文章を著者が自分で書いていなくても、それは問題ではないのだ。

 

 

しかも、ブックライターという職業は、非常に難易度の高いプロフェッショナルだ。

他人の本を書く。しかも勝手なことを書くのではなく、著者の思想、体験、メッセージを体系的にまとめ、著者と同レベルに理解して書くのだ。

僭越ながら僕も4冊の書籍を出版しているので分かるが、10万文字(原稿用紙250枚)〜12万文字(300枚)の原稿を書くのは大変なことだ。

そんな高度な技術を持ったプロフェッショナルな職業が「ゴーストライター」などと呼ばれるのはおかしい。

昭和の時代ならまだしも、高度に情報化が進んだ21世紀においては、著者とブックライターがコンビを組んで書籍を作ることは、「当たり前」と認識されるべきではないか。

 

 

当然のことながら出版業界では、著者とブックライターが組んで本を作るケースがあることは誰でも知っている。

しかし業界の外にいる人間は、この事実をほとんど誰も知らない。

僕自身も自分が出版を意識するようになるまでまったく知らなかった。

そしてブックライターが執筆を担当することを「悪いこと」のように気後れして告白した「著者」もいた。

違うのだ。

もうそんなことを言っている時代ではないのだ。

どの分野にもプロがいる。文章を書くプロが著者と組んで本を作る。

 

 

誇れる職業として上阪さんは自らの職業を命名した。

そしてそれは上阪さん自身の職業名というだけではなく、業界で働くすべてのブックライターにも新たな職業名を冠するエポックメイキングな出来事となった。

ブックライター。素晴らしい職業名ではないか。

業界第一人者の上阪さんにしかできない大仕事。そして素晴らしいネーミングだと感激した。

 

 

 

ブックライターが豊かな職業であること

この本のなかで著者の上阪さんは、自らのライフスタイルや趣味などの自己開示をかなりされている。

そこに描かれる上阪さんの生活は豊かで、多くの人が憧れるものだろう。

高級住宅地の一戸建てに住み、好きな車で取材に向かう。そして家族を大切にする日々。

 

 

僕は断言するが、上阪さんは自慢話をしたくて自己開示をされたのではない。

ではなんのために?

それは、ブックライターという仕事は、豊かな生活を支えられる収入を得られる仕事だ、ということを多くの人に伝えるためだ。

本の冒頭で上阪さんご自身が書かれているが、世間では「フリーライター」「ゴーストライター」というと、「そんな仕事で食っていけるの?」という印象を持たれることが多い。

しかし著名な著者とコンビを組んで書籍を作るというブックライターの仕事は、収入的にも、そして経験的にも、世間が想像するものとは大きく異なる、豊かなものだ。

 

 

「優秀な若いブックライターがなかなか育たない」

上阪さんはそう現在の状況を吐露している。

普通なら決して会えないような著名な著者に会え、しかも10時間にも及ぶ長いインタビュー、そして原稿のやり取りを経て供に一冊の本を作る。

しかも本がヒットすれば印税も部数に応じて入ってくる。

そんなワクワクするような仕事。

素晴らしい仕事。

それがブックライターなのだ。

本書で上阪さんが紹介しているご自身のライフスタイルを読むと、多くの人は「私もブックライターになってみたい」と憧れるのではないかと思う。

 

 

 

出版と本に関するノウハウの塊!

この本「職業、ブックライター。」は、出版と本に関するノウハウの塊である。

世の中には多くの「いつかは出版したい」という方がいるだろう。

そんな出版予備軍、著者予備軍の皆さんにとって、この本は猛烈に参考になるだろう。

 

 

出版業界の成り立ち、編集者という人々の特徴、印税の仕組みといった「業界」の話もかなり精密に書かれている。

この手の業界ネタは、著者になるとあちこちから「裏話」として聞こえてくるものだ。

僕も実際に著者になって周囲から教えてもらった話が多い。

しかし、この本を読めば、本を出す前にその手の裏話を知ることができる。

つまり、一冊目をこれから出す人に有利な情報が詰まっているのだ。

 

 

業界話と並んで、一冊の本をプロはどうやって作るのかが細かく丁寧に説明されている。

上阪さんはブックライターとしての活動のほかに、この本のように多くの本をご自身の名前でも出版されているベストセラー「著者」でもある。

そんな著者でもありブックライターでもある上阪さんの「本作り」のノウハウが、「これでもか!」「これでもか!」というほど盛り込まれているのだ。

たとえば、多くの人は、「本を一冊書くだけの文章を書くのは大変だ」と思っている。

実際大変なことではあるのだが、上阪さんは以下のようにアドバイスしている。

 

「この本もそうですが、小見出しのついた一塊の文章があるのです。その一塊は、だいたい原稿用紙で五枚くらいのイメージです。

わかりやすく250枚で換算してみると、一塊が五枚ということは、50の塊があるということになります。

つまり、250枚の一冊の本は、小見出しのついた50の塊からなんている、ということです。五枚といえば、2,000文字。2,000文字程度の構成要素が、50揃って、本はできているのです。

いきなり250枚書け、と言われたら「それは大変なことだ」と引いてしまうかもしれませんが、一つ2,000文字で50の構成要素を作り上げなさい、と言われたらどうでしょうか」

 

こういった全体的な話以外にも、目次の作り方、伝わりやすい文章、時間配分、さらにはワープロソフトのフォーマット、推敲のステップとその方法まで、とにかく丁寧に説明されている。

僕自身、今までの本の作り方に適切ではなかったと感じる点が幾つか出てきてた。

次回から訂正しようと思う。

これから本を書こうとしている人、いま書いていく人、そしてすでに本を書いている人も。文章のプロがこんなこだわりを持っているのだ、ということがイヤというほど分かる。

 

 

 

まとめ

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見よ!この付箋の数を!!

 

 

意外に感じるかもしれないが、上阪さんはブックライターの仕事で一番大切なのは「書くことではない」と書かれている。

では、何が一番大切なのか。

それは、「コミュニケーション力」だという。

著者としっかりとした信頼関係を作ること。

担当編集者との間にも相互理解を深めておくこと。

それこそが超一流のブックライターの基本であり、一番大切なことなのだ。

 

 

僕は文章を書くことが大好きで、だからこそこうしてブログも書いている。

書籍もいまのところ全部自分で原稿を書いているわけだが、今後は自分では書かない書籍にもチャレンジしたいと思っている。

これからの時代、「著者が全部書かなきゃダメ」という発想は時代遅れだと僕は思っている。

著者は自分が得意な世界を突っ走り、そこで得た知識・経験・ノウハウ・メッセージを読者に伝えることがミッションだ。

そこに「文章が書けない」という制約があるために、著者が「伝えたいこと」が世の中に出ないまま終わったら、それは世界にとって損失でしかない。

 

 

いつか上阪さんにブックライターを担当していただき僕の本を作りたいと妄想するとともに、僕がブックライターを担当させていただき、上阪さんの本作りをお手伝いしてみたい。

そんなことを想いつつ、この本を読了した。

 

 

猛烈に深く勉強になり面白いだけでなく、業界の慣習を変えるべく革命を起こした一冊。

尊敬の念とともに、すべての出版をめざす人、ブックライターを目指す人にオススメします。

素晴らしい一冊でした!ありがとうございました!!

 

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