ライフハック書評

来年を「豊かさ2.0」スタートの年にしたい人だけに送る15のリスト

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僕たちは大きな時代の変わり目に立ち会っている。

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「ものの時代」と「心の時代」

最近そう感じることが多くなった。

戦後から続いてきた一つの時代が終わり、次の時代が始まっているのだ。

 

 

きっかけは何だろう?

21世紀になったことかもしれないし、9.11の同時テロかもしれない。

 

 

リーマンショックかもしれないし、大震災と原発事故かもしれない。

一つの出来事でポンと変わるのではなく、徐々に変わっていくのかもしれない。

あと10年もすれば、全体像が見えるようになっているかもしれない。その時を待とう。

 

 

時代が変わるときには僕たち人間の価値観も大きく変わっていく。

いま、すごく実感している変化は、「豊かさ」の指標の変化だ。

 

 

多分、第2次世界大戦からあとの昭和から最近までの時代は、「物質」に象徴される「モノ」が僕たちの豊かさの象徴だった。

カッコいい車、大きな家、クルーザー、高級腕時計、ブランド物のスーツ、銀座の三つ星フレンチでの食事、舞浜の外資系ホテルのスイートルーム、などなど。

 

 

いま僕たちが開こうとしている扉の向こうに広がっている時代を象徴する「豊かさ」は、きっと「心」をキーワードにする何かではないか?

家族と笑顔で過ごす時間、シンプルで着心地の良い普段着、美味しくて安心して食べられる食事、空間を大切にした居心地の良い部屋、など。

 

 

豊かさの象徴が変わったということは、僕たちの価値観が変わったということだ。

そして価値観が変われば、向かうべき方向性もやるべきことも変わっていく。

 

 

僕たちが生み出したばかりの、新しい「豊かさ」を追求するガイドブックがあったらどんな素敵だろうと思っていたら、そんな本が産み落とされた。

元祖ライフハックコンビ、小山龍介氏と原尻淳一氏のコンビが送る「Idea Hacks! 2.0」という本だ。

この本には89もの素敵なハックが詰まっている。なかでも僕がすごく好きになった15のハックを紹介しよう。

 

 

IDEA HACKS!2.0原尻淳一  小山 龍介 東洋経済新報社 2011-12-09
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1. 「断捨離」で「アイデア環境」を作る

余計なものが詰まっていると気が散って目の前の「やるべきこと」に集中することができないものだ。

「余計なもの」は物質的にあるモノもそうだし、タスクリストに書き出された「ToDo」もそうだ。

 

 

本当に必要なもの以外はなくしてしまい、すっきりさせよう。

この本では、やらなくて良いタスクは先延ばしすること、机の上をキレイにすること、そして気分をスッキリさせるための儀式をすることを紹介している。

僕自身いま盛んに断捨離に取り組んでいるが、まさにこの視点とピッタリ一致していて嬉しい。

 

 

2. 半日断食で聡明な頭を手に入れる

断食、ファスティングには以前から興味があるのだが、まだ挑戦できていない。

でもあちこちで記事になっているから効用については知っている。

 

 

現代人は食べ過ぎで、食べ過ぎていること自体がストレスになってしまっているという。

朝を野菜ジュースだけにして一日をスタートさせるというこの半日断食は、ハードルも低いし始めやすい。

 

 

毎日連続だと構えてしまいそうなので、まずは一日試してみようと思う。

スッキリ頭を手に入れよう!

 

 

3. 運動すると脳が鍛えられる!

これは僕自身が強く実感しているテーマだ。

ランニングが習慣になって身体から25kgの体脂肪が消滅したわけだが、それと同時に脳もとても柔軟になったと思う。

 

 

この本ではジョン・J・レイティ氏の「脳を鍛えるには運動しかない!」という本の例を引いて、運動と脳の関係性に関する研究成果を説明している。

 

「ランニングマシンで35分間の運動をした人たちを調べたところ、認識の柔軟性が向上したことが分かりました」

 

昔からよく「ランニング・ハイ」という言葉があり、走っていると脳内でドーパミンが分泌されて気持ち良くなる、ということが言われている。

でも僕はそれだけではなく、走って帰ってくると、頭がスッキリして冴えるような感覚を以前から感じていたので、それが錯覚ではないのだと分かり嬉しかった。

健康のためだけではなく、仕事の効率化やアイデア出しにも、是非活用したいところ。

 

 

 

 

4. 「フロー状態」に入るための三つのポイント

「フロー状態」とは、高度に集中力が高まり他の物事が目に入らなくなった状態のことを言います。心理学者のチクセントミハイが命名したもの。

同じ仕事をするのでも、高い集中力を持って一気に片づけるのと、Webを眺めたり同僚と無駄話をしながらダラダラやるのとでは、かかる時間も違うし、成果のレベルも変わってしまう。

 

 

僕自身集中力を高めることは得意な方なのだが、この本で紹介されている3つの方法を使うことで、短期間でフロー状態を生み出すことができるだろう。

たとえば意図的に「時間的制約の中に身を置く」というのは僕もよくやる集中法。

家で原稿を書いている時に、書き終わるまでお昼ご飯にしない、というのはとても効果的だし簡単。おなかがすくので嫌でも早く片づけるようになる(^_^;)。

 

 

5. 天からくる直観を受け止めるコツ

この項目はとても重要。

皆さんは「与贈循環」という言葉を知っているだろうか?僕は知らなかった。

小山氏の説明を引用しよう。

 

「自分の持っている時間を場に「与贈」することによって、場が豊かになり、豊かになった場からまた与贈される。この与贈する循環が生まれることで、場と個人が豊かになっていくのだというのです」

 

直観は自分の頭の中で生まれるものだ。だから自分自身で活用することになるわけだが、それを自己利益のために使うのではなく、「場」に返還しようということだ。

小山氏がこの本の中で引用している内田樹氏の言葉を再引用しよう。

 

 

天賦の才能をもっぱら自己利益のために使うと、才能はやっくり目減りしてくる。

才能を威信や名声や貨幣と交換していると、それはだんだんその人自身から「疎遠」なものとなってゆく。

他人のために使うと、才能は内在化し、血肉化し、自分のために使うと、才能は外在化し、モノ化し、やがて剥離して、風に飛ばされて、消えてゆく。

 

 

天から与えてもらった才能を誰かに返礼したい。でも天には返すことができないので、「場」や「人」に対してお返しをする。

たとえば被災地へのボランティア活動。たとえば会社での仕事。

こうしてブログ記事を書いた皆さんに「こんな情報があるよ」とお知らせすることも、「場への与贈」だと、僕は考えて取り組んでいる。

 

 

6. 1,000都市を制覇する究極の海外旅行ハック

自宅に引き篭もって頭をひねってもアイデアが湧いてこないことは多い。

自分の頭と心のスペースを広げないと、出てくるアイデアにも限界があるのだ。

自分のスペースを広げるのに最高に有効なのが旅行だと僕は思っている。

 

 

とにかく旅行が大好きなのだが、その割に最近あまり旅行できていない。

この本で紹介されているような、ぶらりと気が向くままの旅、特に海外への旅に出かけたい!

あらためてそう感じた。

 

 

 

 

7. 現場に入る前に、なるべく本は読まない

フィールドワーク。仕事でも旅行などのプライベートでもそうなのだが、あまり念入りに下調べしてしまうのは逆効果だ。

もちろんある程度最低限の下調べをしておくことは必要だが、あまり入念だと、下調べした情報を現場でなぞってしまうことになる。

 

 

さらには、その情報が「正しかった」とか「ちょっと違う」など、検証する作業を頭で始めてしまうのだ。

これでは現場での感激やリアルな体感を得ることができない。

仕事などの場合も、自分のオリジナルなアンテナの感度を保つためにも、机上の情報を脳に詰め込みすぎないように気をつけよう。

 

 

8. インタビューでは「相手のコトバ」を繰り返す

これ、インタビューでももちろん有効だけど、初対面の人との会話でもすごく効く。

僕は営業出身なので、初対面の人と話す機会はすごく多かった。

 

 

その時にやたらと質問を続けると、会話がうまく進まなくなるときがある。性急に感じられてしまうのだ。

そんな時は、相手が言ったことをそのままおうむ返ししていると、不思議とゆったりと会話が進むようになる。

 

 

相手の話をしっかり聴いて同調すること。これによって会話が上手く回っていく。

そしてその中で気になる点があれば突っ込んで質問をし、その質問に対する回答にまた同調する。

これは本当に効くので是非試してみて欲しい。

 

 

9. 身体の拡張とアイデアの発芽

「アイデア」というと、頭で考えてひねり出すというイメージを持っている人が多い。

僕もついついそう考えがちだ。

 

 

でも、実はアイデアは現場に転がっていることが多い。

すごく印象的だったのが、原尻氏が引用している梅棹忠夫氏の言葉。

 

ほんとうにみんなは、学問といえば、ひとが書いたものを読むことだと思っている。

なぜ自分のオリジナルの観察を大事にしないのか。

 

 

もう一つ引用。同じく梅棹忠夫氏の言葉。

 

なんにもしらないことはよいことだ。自分の足であるき、自分の目でみて、その経験から、自由に考えを発展させることができるからだ。

 

 

頭でばかり考えず、街に出て自分の目と耳と足で考える。これは実行したい。

 

 

 

 

10. Apple流「30年ロードマップ」を作る

僕らは何かアイデアを考えるときに、つい「正解」を探してしまいがちだ。

正解を探す行為は、「過去」に向かって情報を探しにいってしまうことだ。

 

 

でも、未来には正解はない。

だからこそ、未来に向かっては仮説を立てる。これがとても重要。

 

 

そのとき、未来の味方には二つのアプローチがある。

一つは現在から続く近い未来をイメージすること。

 

そしてもう一つが、30年後、遠い将来の自分を想像すること。

スティーブ・ジョブズはAppleに戻ってきた時に30年ロードマップを示したという。

1997年に示されたこのロードマップに従ってAppleは製品開発を続けているという。

 

 

パソコンメーカーだったAppleがiPhoneやiPadなどの革命的商品を開発できたのは、過去からの連続ではなく、遠い未来からのイメージと現在を繋いだからこそ可能となったのだ。

 

 

11.  「地動説」を思いつくためのアブダクション思考

アブダクション思考とは、直観に基づいた突拍子のない仮説で問題解決する方法のこと。

日々同じような仕事をしていると、どうしても考え方が凝り固まってしまい、斬新なことを思いつかなくなる。

 

 

だからこそ、理論ではなく直観をベースに、あえて飛躍するアイデアを考えてみることが大切だ。

アブダクション理論の代表格は「地動説」やヒマラヤの高山で発見された魚の化石から「ここはかつて海だった」という発見など。

「あり得ない」と追いやってしまうのではなく、突飛なアイデアこそ大切にしていきたいものだ。

 

 

12. 仕事のパワースポットをノマドする

僕自身もノマドするので良く分かるのだが、同じカフェでもすごく相性の良いお店というのがいくつかある。

そこに行って決まった席に座ると、集中力も高くアイデアも深まり、しかも延々と作業を続けられるような場所と出会うのだ。

 

 

著者原尻さんもいくつかそのようなお店を持っていて、しかもそれらパワースポット的カフェを次々とノマドで移動していくというのだ。

これは斬新なアイデアだ。

トイレに行きたくなるタイミングで移動するというのも合理的。

今度試してみようと思う。

 

 

 

 

13. セルフ・ブランディングは単なる自己PRではない

「セルフ・ブランディング」という言葉はここ数年で一気にメジャーになり、いまやそこら中で使われている。

でも、残念ながらほとんどの場合、セルフブランディングは「自己PR」と混同されている、と原尻さんは指摘する。

 

 

「ブランドを作るということは、「価値の創造」に他ならない」原尻さんの言葉だ。

 

つまり、「自分」が中心ではセルフブランディングにはなっていないということだ。相手に評価されてはじめて価値が生まれる。

「こんなことをやりたい」「こんなことが得意」という視点ではなく、「こんな分野で皆さんのお役に立っている」「こんな貢献ができます」という視点。

 

 

これこそが「セルフ・ブランディング」に必要なのだ。

僕自身も、もう一度自分自身のブランディングを見直したいと思う。

 

 

14. いいね!マーケティングで仲間を増やす

TwitterやFacebookで全然知らない人から突然売り込みのメッセージを受け取ってがっかりすることはないだろうか?

僕は結構良くある。

 

 

「大切なあなただけに今だけ無料でTwitterで100万設ける仕組みをダウンロードできます」みたいなことが書いてある。

だれがどう見たって怪しいでしょ!これ。

 

 

こういう商売をやっている人を見ると、とても残念な気持ちになる。

せっかくTwitterやFacebookを使っているのに、その使い方を全然知らないんだと思ってしまうのだ。

 

 

TwitterやFacebookを駆使して仕事をするなら、いかに「売り込み」をしないで済ませるか、ということが非常に重要になる。

どれだけ大きなファン・コミュニティを構築できるかが、ビジネスの要になるのだ。

 

 

そのためには、押し売り的なメッセなどは言語道断の最悪のアクションなわけだ。

皆が「この人のことを応援したい!」と心から思うように日々生きネット上で活動すること。

これこそが「いいね!マーケティング」なのだ。

それって要は、「生き様を晒せ」ってことなのかも。大変な時代だね(笑)。

 

 

15.シナジーとエナジーの螺旋

今までの時代は、仕事とプライベートは二つの切り離された時間だった。

職場で必死に働き、余暇はのんびり休んでまた仕事に備える。

 

 

それはそれで悪くない。

でも、それではもったいないとも思う。

 

 

この本では「稼ぐための仕事」を「ライスワーク」、そして自分き人生をかけてやり遂げたいと思うことを「ライフワーク」と呼び、この二つを連動させることで、これからの新しい「豊かさ」の時代を生きよう、と提示している。

ライフワークとライスワークを連動させ「シナジー」を生む。スキルや知識を連動させ互いのワークを高め深めていく。

そしてそのシナジーがライフワークとライスワークに新たなエナジーを注入していく。

 

 

これからのキャリアデザインは、この2軸をDNAの二重螺旋構造のように行き来しながら安定して向上していく、そんな姿が求められるのだ。

 

 

 

 

まとめ

今までの価値観においては、「効率」や「成果」という言葉が重視されてきた。

もちろん今でも効率や成果は大事だ。

 

 

でも、それだけではダメだということを、僕たちはもう知っている。

もっとずっと大事な「豊かさ」が必要な時代に、とっくになっているということを。

 

 

時代は変わった。

変わるべきは僕たちだ。

 

 

ハック2.0の幕開けとなる2012年がもうすぐやってくる。

この本と共に、僕たちの新しい「豊かさ」を謳歌しようではないか。

素晴らしい本だった。オススメ!

 

 

IDEA HACKS!2.0

原尻淳一  小山 龍介 東洋経済新報社 2011-12-09
売り上げランキング : 514

by ヨメレバ

 

 

 



 

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