自己実現・自己啓発書評

夢に日付を!〜夢実現の手帳術〜

自己実現・自己啓発書評
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渡邉美樹氏著、「夢に日付を!〜夢実現の手帳術〜」という本を読んだのでご紹介しよう。

この本を最初に読んだのは2010年1月だった。

当時の僕はまだ会社員で、ブロガーとして独立することを夢見始めたぐらいの時期だった。

この本は強烈な上昇志向と自己管理能力を持つ著者の渡邉美樹さんならではの手帳術というか、人生論をまとめたものだ。

自分に厳しいだけでなく従業員や他の役員にも同レベルの厳しさを求める渡邉氏の考え方には賛否両論があり、僕はその部分に関しては否定的なスタンスである。

それでも僕がこの本を何度も読み返すのは、彼の手帳術が夢実現に非常に有効だと感じるからだ。

実際僕は当時実践していたノート術に本書の考え方を取り入れ改良した結果、ブロガーとして独立、出版、会社設立などの夢を次々と実現することができた。

2022年の今、アナログノートへの回帰をテーマにノート術、思考整理術の本を続けて読んでいる。

その流れで本書を再読しないわけにいかないと思い、手に取ることにした。

さっそく紹介しよう。

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夢は日付を入れてこそ叶う

本書は渡邉美樹氏の人生の歩みを振り返りつつ、彼が夢を実現するためにどのように手帳を活用してきたかを解説している。

手帳術の本というよりは、自己実現、目標達成に関する自己啓発書という位置づけだろう。

渡邉氏は10歳の時に母親を病気で亡くし、その直後に父親が経営していた会社を清算するという苦しい時期を過ごした。

絶望し無気力な少年時代を過ごした渡邉氏だが、父親の無念を晴らすため自分が社長になるという夢を描いたことにより大学受験を目指し、夢実現への道を歩み始める。

その後24歳で会社を設立し社長に就任、そこからワタミを全国区の大企業に育てていく。

大学受験、会社設立資金を貯めるための運送会社への就職、会社設立と社長就任、そして会社を急成長させ続けていくこと。

それらの夢を猛スピードで叶え続けてきたのは、彼が自ら描いた夢に日付を入れていたからだ。

「いつか叶ったらいいな」と言う日付のない夢はなかなか叶わない。

いつまでに叶える、と実現までの日付を入れることで、夢は「目標」へと変換される。

そして目標を実現するためにするべきことをブレイクダウンし、やるべきことを確実にこなしていく。

夢の実現は「重要だけれど緊急ではないこと」に分類されがちだ。

重要だけれど緊急ではないことに、自ら期限を定めることで優先順位を上げ、「絶対に達成する」という強い意志を持って行動することで夢は叶うのだ。

6本の柱で夢を描く

本書では夢を6本の柱で描くことを推奨している。

6本の柱とは、「仕事」「家庭」「教養」「財産」「趣味」「健康」だ。

仕事だけではなく、財産だけでもなく、自分の人生を網羅的に発展させるための柱である。

若い時は仕事に夢が集中することもあって良いが、長い人生を見通したときには、バランスが必要である。

また、 一度描いた夢も時には切り捨てる必要が出てくることもある。

渡邉氏自身、 ビジネスの交渉ができるレベルの英語力を目指し勉強を続けたそうだが、英語学習の優先順位を維持することは、自らの夢全体を考え無理と判断し、英語の学習を断念したという。

描いた夢に固執することなく、世の中の情勢や自らの立場の変化に応じてアップデートすることが大切だ。

夢を行動に変える

世の中には「夢を書き出すと放っておいてもセンサーが働き実現していく」というスタンスの本も多い。

本書はそれらの本とは対極のスタンスである。

究極の現実主義であり、すべては「徹底した行動の積み重ね」に集約される。

目を実現するために実行すべきことを日々のルーチンに落とし込み、そのルーチンを手帳に書き込む。

ぎっしり詰まったタスクを日々一つ一つ実行していき、実行できたタスクを赤えんぴつで消し込んでいく。

夜に手帳を見返して実行できなかったことが残っていたら、別の日に転載して必ず消し込むまで続ける。

睡眠時間を削ってでも何が何でも実行することで、目標達成へと近づいていく。

本書の表紙は渡邉氏の、真っ赤に消し込まれた手帳のページが掲載されている。

「絶対に達成する」という自らを律する徹底した姿勢は強烈で、正直読んでいて引く部分も多い。

だが、正論かそうではないかという意味では、圧倒的に正論を書いており、背筋が伸びる。

達成した姿を繰り返しイメージする

渡邉氏は手帳のほかにカードケースに 自分の夢を書き出した「夢カード」を持ち歩き、毎日繰り返し何度も読み返しているという。

毎日何度も何度も繰り返し夢を読み返し、細部までイメージすることが大切だ。

イメージがカラーでありありと湧いてくる場合、夢の実現に困難はない。

しかし、夢が細部まで描けない場合、夢の実現に向けたプロセスに、何らかの問題や落ち度がある。

その場合、夢が実現する過程で行うべきことが間違っていたり、足りなかったりしている可能性が高い。

やるべきことが間違っていれば夢は実現しない。

早急に対策を講じ、やるべきことを修正することにより、夢がカラーでイメージ出来るようにする。

渡邉美樹氏の厳しさについて

今回何年かぶりで本書を読み返したが、やはり素晴らしいと感じる部分と、戸惑う部分が混在している本だと感じる。

夢の実現に向けての彼の手法は素晴らしいと思う。

一方で、彼の厳しさに関しては戸惑う部分も多い。

自分に対して厳しいことは人それぞれなので構わないが、周囲の人に自分と同レベルの厳しさを求める姿勢には反感を感じる。

一時期ワタミの従業員に対する姿勢が問題になったが、渡邉氏の他人に対する厳しさが従業員に向けても発露した結果なのではないかと感じる。

本書が提示している夢実現に向けての手法は素晴らしいが、渡邉氏の厳しさには共感できないことははっきり明記しておきたい。

この記事の2ページ目に僕が2011年に書いた2回目の書評を掲載してある。

当時はその厳しさも含めて評価した記事になっているが、その後の渡邉氏の言動などから、今はその点は評価できないというスタンスに変化している。

2010年書いた1回目の書評のスタンスの方が、いまの僕に近いように思う。

1回目の書評はこちら。

超絶上昇志向の旨味を汲み取れ! "夢に日付を!" by 渡邉美樹 [Book Review 2010-007] - No Second Life

まとめ

本書の提示している「夢実現のための仕組み」は本当に素晴らしいと思う。

しかし、本書では「鋼の意志」を強調している点には、僕は違和感を感じる。

僕は「意志の力には限りがあり、意志の力だけに頼る自己実現はできない」というスタンスだ。

だからこそ意志の力がなくても実行できる「仕組み」が大切なのだと思っている。

渡邉氏個人が鋼鉄の意志を持っていることは素晴らしいと思う。

しかし、彼と同じように睡眠不足や体調不良に打ち勝つことを周囲、特に従業員に求めることは危険だとも思う。

本書の素晴らしい点を活用し、僕なりの夢実現の仕組みを構築していきたいと思う。

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