時間管理・計画書評

プロの時間術 by 上阪徹 〜 テクニックだけではなく「時間の哲学」に踏み込んだ熱き時間術の名著!! [書評]

時間管理・計画書評
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ブックライターで作家の上阪徹さんの「プロの時間術」という本を読んだのでご紹介。

時間術の本は大好きで、今までも数え切れないほど読んできたが、この本はそれらの中でも抜群の素晴らしさ。

なにが素晴らしいって、時間術に関する数々の原則やテクニックの前に、冒頭に「時間の哲学」について著者の上阪さんが熱く語っているところから。

どうしても時間術の本は小手先のテクニックやガジェット・ツールの使い方みたいな方向に流れるケースが多い。

それだとツールが変われば本は古くなってしまい使えないということになるが、哲学は古びない。

上阪さんは書籍、僕はブログがメインのフィールドだが、時間の効率をMAXにしたいという想いは同じだ。

最初から最後まで気合いの乗った、素晴らしい本だった。

さっそく紹介しよう。

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時間の使い方こそ、人生の使い方

冒頭に書いたとおり、本書は具体的な時間術の技術やテクニックについて語る前に、第1章を「時間の哲学」に充てている。

僕は上阪さんと似た業種で仕事をしていることもあり、頷くことばかりだった。

特に響いた言葉がこれ。「時間の使い方こそ、人生の使い方」だ。

今日一日だけダラダラとサボる。

たったそれだけのことと思うかもしれないが、それが3日続き、7日続き、一カ月続いたら、それはもう習慣となり、あなたの人生になる。

習慣とはそのまま言い換えれば「生き様」だと僕は思っている。

毎日のちょっとした時間を大切にすること。

自分の時間、家族との時間、友達との時間。

家事の時間、通勤の時間、そして仕事の時間。

すべての瞬間を大切にして、そのときに自分がしていることに対してマインドフルであること。つまり心込めていること。

一瞬一種の時間の使い方の積み重ねが、僕の、そしてあなたの人生を作っていく。

時間を雑に使う人は、自分の人生を雑に扱っていることと知ろう。

世間には匿名でも、自分には匿名ではない

もう一つ第1章の言葉で響いたのがこちら。

「世間には匿名でも、自分には匿名ではない」ということ。

執筆というのは孤独な作業だ。

一人で取り組む仕事だから、裏を返せば一日ちょっと遅れたり延ばしたりしたところで、周囲に迷惑がかかるわけではない。

僕のブログなんかは端的で、〆切りもないし関係者もいない。

だから、「今日は止めた」と決めても、そのことをSNSなどに書き込まない限り、僕以外の人は僕が仕事を延期したことに気づくことすらない。

でも、そうではないのだ。

自分との約束を守ること。小さなことでも「決めたことをやり抜いた達成感」は自信になり、自己肯定感がアップしていく。

それを積み上げていくことで、僕たちは一歩ずつプロになっていくのだ。

他人との約束ではなく、自分との約束を守り続けることの大切さ。

そして裏を返すと、暗い道で誰も見ていないからとゴミを捨てる人。

そしてネットで「匿名だから」と罵詈雑言、誹謗中傷を書き込む人がいる。

これらの人は、「世間にはバレないから構わない」と思ってやっているわけだが、実は一番大切なことを忘れている。

上阪さんの言葉を引用しよう。

「書いている人は、匿名だし、わからないし、憂さ晴らしのつもりかもしれません。しかし、正しくないことをやっていることは認識しているはずです。世間には匿名でも、自分には匿名ではないのです。自分がやっていることは、自分でわかっているのです。

ネット上での罵詈雑言を、「天に唾をはいている」と取材で表現していた作家の人がいましたが、激しい非難の言葉は、そのまま自分に跳ね返ってくる危険があると私も感じています。誰あろう、そんな言葉を使っている自分に突きつけることになる。自分自身を傷つけ続けることになるのです。

誰も見ていない、なんてことはない。見ている自分は、「お前はこんなことをするヤツだ」「正しくないことをする人間だ」「こんなひどい言葉を人に投げ掛ける人間だ」「ダメなヤツだ」と自分にどんどん刷り込んでいるようなものなのです。」

僕が尊敬するある方も同じことを別の表現を使って言っていた。

「世界中のすべての人を騙せても、最後の一人だけは騙すことができない。その一人とは、自分である」と。

「小分け」と「時間割」が仕事を変える

第2章から本書は具体的な時間の管理手法についての解説に入る。

本書で一貫して語られているベースとなる手法は、「小分け」と「時間割」である。

僕も7冊の書籍を出版しているので良く分かるが、一冊の本を書くというのは、一日や二日でできることではない。

僕の場合は自分の本だからまだ良いが、上阪さんの場合、他人の本を取材をしてそのメッセージを一冊の本に仕上げていくわけだ。

しかも毎月著者が変わり、題材も変わり、メッセージも変わるのだから、その労力は大変なものだろう。

その大変な仕事を月に1冊のペースでこなしていくのだから凄い。

その高速の仕事術の核となるのが「小分け」と「時間割」なのだ。

上阪さんはあらゆる仕事を1時間単位に小分けして、それを時間割に組み込んでいく形で仕事を回しているのだ。

ゴールから逆算して仕事を細分化していくことで、イヤでも仕事の全体像が見えるようになる。

仕事の全体像が見えなければ時間割が作れない。

だからこそ、仕事のゴールをまずは見て、そこから逆算することで、どの程度の作業にどの程度の労力が掛かるのかの見通しを立てるのだ。

早く手をつけてしまう、ことをクセに

仕事を小分けにしたら、とにかくすぐに手をつけてしまうことが大切だ。

これは僕も書籍の原稿を書くときには必ずする手法。

ギリギリになって焦って徹夜、というようなスケジュールでは、他の仕事に影響が出てしまう。

先にも書いたとおり、書籍の原稿というのは、小手先の一夜漬けのような対応で書き切れるものではないのだ。

圧倒的ボリュームのものを、しかも高いクオリティで出し続けていくためには、ある一瞬のハイクオリティではダメなのだ。

毎日、そして毎時間、常に均一の、そして高いクオリティを出し続ける必要があるわけだ。

しかも、上阪さんも僕もだが、仕事は書籍の原稿だけではない。

講座・講義・講演のようなものがあったり、取材があったり、僕の場合はもちろんメインのブログの執筆がある。

ギリギリのスケジュールで取り組んでいたら、書籍原稿の圧倒的な量に押しつぶされ、他の仕事がめちゃくちゃになってしまう。

だからこそ、とにかく早く手をつけてメドを立てることで、クオリティを高め、精神的にも余裕を持って仕事に取り組むことができるようになる。

これを繰り返していくことで、作家やライターにありがちな、「締切りに追われる」という状況が発生しなくなり、精神的にも肉体的にも常に万全な状況で仕事ができるようになる。

自分との予定をスケジュール帳に書き込む

ビジネスマンのほとんどがスケジュールの管理をしているだろう。

紙の手帳を使っている人もいれば、スマホのカレンダーを使う人いるだろう。

いずれにしても、スケジュールの管理はビジネスの大原則である。

でも、ほとんどの人は、他人との予定しかスケジュール帳に入れていないのではないだろうか?

自分の時間を本当の意味で自分のものにするためには、他人との予定よりも優先して、自分との予定を先にスケジュール帳に書き込むことが何より大切だ。

他人との予定を入れるかどうか判断するときに、その時間帯が「空白」だったら、誰でもそこに予定を入れたくなるものだ。

しかし、そこに自分が一人でやるべき大切な仕事の予定が書き込んであれば、相手の予定は別の時間帯に設定するだろう。

プロとして自分の仕事をしていきたいなら、まずは自分の時間を最優先でスケジュールする習慣をつけよう。

他人との予定を優先して、「空いている時間に自分の仕事をしている」ようでは、仕事はいつまでたっても予定どおりには終わらない。

苦手な時間、得意な時間を理解して予定を組む

上阪さんは夜型、僕は朝型。

ライフスタイルや体質の違いはあるが、共通しているのは、「得意な時間帯に一番難易度が高い仕事を集中的に突っ込む」ことだ。

僕は朝型なので、午前中が執筆のゴールデンタイムだ。

朝食を食べて家の掃除をしてから昼までの間が、一番難易度の高い原稿に取り組める時間になる。

だから僕は午前中に打ち合わせ予定を入れることはまずないし、外出も極力昼過ぎ以降に入れるようにしている。

講座・講演なども、1dayの長いものを除けば全部午後の時間帯に入れる。

丸一日を執筆に使える日も、午前中から夕方に向けて、徐々に難易度を下げていき、最後はクリエイティブなエネルギーがいらないメールやメッセなどで〆るようにしている。

この書評記事もまさにゴールデンタイムだから書けているのであって、これを午後7時から書け、と言われても、僕にはとても書けない。

上阪さんは対照的に夕方がゴールデンタイムだそうなので、本当にひとそれぞれ、体質とライフスタイルによってゴールデンタイムは違うんだと納得させられた。

いずれにしても、自分が苦手な時間帯にハイレベルなことをやろうとしても、生産性も低くクオリティも上がらないので、時間の無駄である。

僕は夕方以降は出張のホテルのブッキングなどの軽い業務をやることもあるが、それも稀で、原則夕食のあとは仕事はしないようにしている。

自分に負荷をかけていかないと、仕事時間は減っていかない

これもまさに僕の哲学とぴったり一致して感激してしまったのだが、仕事の効率というのは、負荷をかけて上げていかないと上がらないものなのだ。

自分の快適な、楽勝でできる仕事を楽なペースでやっている範囲では、人は成長しないし効率も上がらない。

「苦しい」「辛い」「もう書けない」というところまで追い込むことで、初めて潜在能力が開花して、効率が上がり、仕事が短時間でこなせるようになる。

先日僕は自分がその日に書いた原稿の文字数をカウントしたことがある。

2019年9月24日(火)に僕が書いた原稿の文字数は、おおまかにこんな感じだっだ。

  • 書評記事 6,800文字
  • noteのエッセイ記事 4,100文字
  • グルメ記事 3,500文字
  • 日記記事 2,000文字
  • メルマガ記事 700文字
  • 合計 17,100文字

この日は執筆をスタートしたのが午前10時で、11時半までに書評を書いて仕上げ公開し、そこで昼休み。

3kmのランニングをしてから昼食を作って食べて片づけて、午後の部をスタートしたのが14時。

noteの4,100文字の記事を仕上げて公開したら、自転車で駅前のスーパーで買い物をし、銀行で用事を済ませた。

そして戻ってきてから近所のカフェ移動して、16時過ぎから残りのグルメ記事、日記記事、メルマガを仕上げた。

全部の原稿が終わったのが17:45だから、ざっくり4時間強の執筆時間で17,000文字を書けたことになる。

これはなかなかのハイペースなわけだが、じゃあ昼ごはんをコンビニ飯にすればもっと生産性が上がるか、というと上がらない。

執筆と執筆の間に休憩のオフの時間が僕には必要なのだ。

だから、わざと原稿と原稿の間で買い物に出かけたり、ランニングを入れたりして、頭と身体、特に指と肩をリラックスする時間を作っているのだ。

でも、この17,000文字が自分のMAXだとは僕は思っていない。

2週間前までは、引っ越しや諸々の疲れで、1日3記事書くのが精いっぱいだった。

多分文字数は1万いっていなかった。

ようやく思うように書けるようになってきて気持ちが良いのがいまだが、17,000文字の日は夜になかなかテンションが下がらずクールダウンに苦労した。

しばらく毎日執筆の文字数の推移をカウントして、まずは一日20,000文字がコンスタントに書けるようになったらいいなと思う。

実は17,000文字の日は朝寝坊をして10時スタートだったので、午前中の使える時間が短くてもったいなかった。

この原稿を書いている今日は9時20分からスタートでき、40分午前中が長いので、もうちょっと生産性を上げられるのではないかと期待している。

というわけで僕の話しになってしまったが、何歳になっても負荷を掛けることで人の知的生産性は上げることができる。

そして生産性が上がったら、もっと仕事をしてもいいし、空いた時間を自分の趣味や家族のために使ってもいいだろう。

時間を短くしたいなら、自分に負荷を掛け続けることだ。

辛いけど、これなしに成長はない。

「これはやらない」を決める

仕事においても、プライベートにおいても、「これをやる」を決める以上に大切なのか「これはやらない」を決めること。

上阪さんも仕事において、「こういう仕事はやらない」を決めて請ける仕事、請けない仕事を仕分けしている。

僕もまったく同じで、やらない仕事を決めていることで、効率的に自分が得意な仕事に取り組み成果を上げることができている。

また、「これはやらない」を決めておくことはプライベートの領域でもとても大切。

上阪さんと一緒なのが、ゴルフをやらない、ビジネスランチをやらないなど。

そして僕は家にテレビを置かない。つまりテレビを見ないというのも、大きな「これはやらない」だ。

ほかにも「ゲームをやらない」というのも大きな「これはやらない」だ。

僕は中学生時代にファミコンが発売されたときにメチャクチャはまって大変なことになった。

親は僕の性格を知っていてファミコンを買ってくれなかったのだが、僕は友達に頼み込んでファミコンを貸してもらい、徹夜して倒れるまでやり続けたのだ。

そのとき僕は「これは一生を棒にふるぞ」と反省し、それ以来ゲームには近寄らないようにしてきた。

数年前にポケモンGOが出たとき、数十年ぶりにゲーム解禁してみたが、それほどのめり込むことはなく、やはり「時間の無駄」と思い、一カ月くらいでアプリを削除してしまった。

「これはやらない」を決めていくことで、「これをやる」に割り振れる時間が必然的に増えていく。

そしてその「これをやる」に負荷をかけ、毎日パフォーマンスを改善し続けていく。

それによって時間というのは、相対的にどんどん増えていくものなのだ。

まとめ

上阪さんと僕はブックライターとブロガーという、ともに文章を仕事にしている立場が似ていることもあり、共感しっぱなしの一冊だった。

上の写真を見て欲しいのだが、付箋の数が多くなり過ぎて、何箇所か他の付箋よりも長く飛び出している付箋が現れているのが分かるだろう。

これは「ここだけは絶対書評に書きたい」という、特別な付箋で、これが登場するのは、一年でも数回のホームラン本のときだけだ。

時間の使い方、特に仕事における時間術というのは、その人その人の働き方や職場のルールによって大きく異なるので、全員に参考になるテクニックというのはない。

ただ、「時間の哲学」というのは万人共通であり、その哲学に冒頭から踏み込んだこの本はすごいと思う。

引っ越しなどのバタバタでちょっとボンヤリ生きていた僕にカツを入れてくれた素晴らしい一冊。

プロの時間術」、オススメです!!

「プロの時間術」のチェックはこちらからどうぞ!!

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