自己実現・自己啓発書評

「幸せになる技術」 7つの教え

自己実現・自己啓発書評
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幸せになる技術」という本を読んだ。

上阪徹さんの新刊だ。

すごく頷く部分が多く、本は付箋だらけになった。

幸せになりたい、幸せに生きたいと願わない人は誰一人いないだろう。

でも、すべての人が幸せに生きているかというと、そうではない現実がある。

世界の幸福度ランキングでも、日本人の幸福度に関する自己評価はとても低い。

でも、幸せになることが「技術」であるならば、その技術やノウハウを知ることで、多くの人が幸せになることができるようになるのではないか。

そんな問いに対する壮大な提案が本書だ。

本書の中から僕が特に強く共感した7つの項目をピックアップしてお伝えしたい。

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1. 幸せな人は「成功を目指さない」

本書の最初の項目がこの「幸せな人は「成功を目指さない」だ。

多くの人が「成功すれば幸せになれる」と信じて日々猛烈に努力し、頑張っている。

でも実は、幸せであることと成功することに相関関係はない。

世界の幸福度ランキングでは、日本よりもずっと経済的には貧しい国が日本よりもランキング上位に並んでいる。

多くの人は経済的な成功、出世、名声などを得ることが、幸せの条件だと信じている。

しかし著者の上阪さんは、3,000人を超える経営者や著名人へのインタビューを通じ、成功と幸福には相関関係はないのではないか、と感じるようになったという。

そしてそれは、僕自身も成功と幸せに直接的な相関関係はないと考えている。

成功するために我慢して働く。

そしてその報いとして「幸せ」がもらえる。

多くの人はそう誤解している。

しかし、幸せな人は、「成功を目指してもそこに幸せがあるという保証はない」ことを知っている。

だから、幸せを得るために成功を目指すことをしないのだ。

2. 幸せな人は「世間の正解に惑わされない」

日本人の価値観は画一的で序列やカテゴライズが大好きな傾向が強い。

良くいえば「和を尊ぶ」「あうんの呼吸」など、協調性が強く争わないという形にその価値観が出る。

でも悪い方に出ると、「みんなと同じでなければならない」という風潮を生みやすい。

同調圧力が強いと、他の人と違うことをするのに抵抗が出るし、実際違うことをすると叩かれたりする。

そのような環境だと、本当に自分が好きなことを「好き」と言ったり、好きなことをすることが難しいケースも出てくる。

結果として、「世間がどう言おうと関係ない。自分の道を進むのだ」、という生き方が選びにくく、横並びで流されて生きる人が多くなる。

その結果が、本書でも示されている7カ国での若者の自己肯定感の調査でトップのアメリカが86%なのに対して最下位の日本は45.8%という、悲惨な数値として現れている。

「やりたいことができる」

「自分にはやりたいことをやる力がある」

と思えるためには、「あの人がやっているから自分もやろう」ではなく、「どうしてもやりたいからやるんだ」という選択を繰り返すことが必要だ。

僕自身41歳までのサラリーマン時代は「自分らしく生きている」「あるがままで行きている」とはまったく思えず自己肯定感はとても低かった。

しかし41歳でブロガーとして独立して自分の力で生活するようになり、自己肯定感は劇的に上がることになった。

上手くいくことも失敗することもあったが、常に「まあ、好きなことやってるんだからしゃあない」と思って笑い飛ばせる。

それは、世間の正解ではなく、自分だけの答えを持っているからこそ言える言葉なのだと僕は思っている。

3. 幸せな人は「幸運と不運を区別しない」

仕事でもプライベートでも、生きていれば様々なことが起こる。

起こったことを一つの側面だけ見て「成功だ」「失敗だ」「幸運だ」「不運だ」と区別することは稚拙だ。

一見とんでもない不運と思えたことが、実は次の幸運のための重要な布石になっていることは良くあることだ。

実際僕は昨年自分が創業して社長を勤めていた会社を元妻に譲って退職し、フリーランスに戻った。

会社の社長という肩書きをなくし、拠点も手放したことを「とんでもない不運」と捉える人もいるだろう。

でも、それは起こっていることの側面の一つだ。

別の側面から見れば、僕は大きな責任やたくさんの「やらなければならないこと」から解放され、完全なる自由を得た。

それによって僕はもう一度「本当にやりたいこと」に向けて邁進することができる環境を持つこともできた。

その側面から見たら、今回起こったことは「ものすごい幸運」と捉えることができるのだ。

起こっている事象は一つであって、幸運と不運を解釈しているのは人間なのだ。

起こっていることが本当に不幸なのか幸福なのか、不運なのか幸運なのかは、その時点では分からないことがほとんどだ。

10年後、20年後に振り返ると、「あのとんでもない災いと思ったことが、人生最大のチャンスだった」ということはしょっちゅうあるわけだ。

だから、余計な解釈をせず、目の前で起こっていることを精いっぱいこなしていくことが何よりも大切なのだ。

4. 幸せな人は「自分で自分の幸せを定義する」

幸せになりたいけどなれていないと感じる人は、そもそも「どういう状態が幸せ」なのかを定義できているだろうか?

人によって幸せの定義はまったく違ってくる。

自分自身の価値観に従い、自分の幸せを定義しなければ、絶対に幸せになることはできない。

なぜなら、幸せが何か分からければ、幸せになりようがないからだ。

たとえば僕はブロガー・作家として執筆をする仕事をしている。

執筆をするときは僕は完全に孤独だ。

一人で朝から晩までずっとパソコンに向かいキーボードを打っている。

この作業が僕は死ぬほど大好きで、何よりも活き活きとした実感を得ることができる。

だから僕は鎌倉の海街に一人で住んで、一日誰とも会わない日があっても、ちっとも辛くない。

やりたいことがたっぷりできて幸せなのだ。

もちろんパートナーや友達との時間も大切だけれど、一人の時間がなかったら仕事にならない。

あと、僕は何よりも「規則」や「ルール」に縛られることがとっても苦手で、「自由」が大好きだ。

自由が好きなので団体行動が苦手で、個人主義なところがある。

だから大企業のリーダーみたいにいつも集団行動の先頭を走るというのは苦手で、一人ビジネス、一人社長が向いている。

でも、僕以外のみんなが僕と同じように一人の時間が大好きである必要はない。

常にたくさんの部下を引き連れて先頭を切って走りたい、というリーダータイプの人もいるだろう。

リーダーをサポートして貢献することで仕事が上手く回るのが一番ハッピー、というサポータータイプの人もいる。

みんな一人一人ちがって、一人一人の適性にしたがって生きられれば良い。

だからこそ、自分の幸せはしっかり自分で定義することが大切なのだ。

5. 幸せな人は「お金に興味がない」

資本主義社会において、お金の存在は大きい。

でも、幸せな人はお金のために働いていない。

上阪さんはこのように書いている。

「お金に興味がない人が、お金持ちになっている」

「お金持ちはお金のために働かない。楽しみのために働く」

最低限の備えは必要ではあるが、それ以上にお金を貯め込むことに、多くの成功者は興味を持っていない。

「モノ」や「お金」よりも、体験、「コト」にお金を使い、自分を喜ばせているのだ。

お金をたくさん稼ぐこと、お金をたくさん貯めることを目的とせず、「お金で何をしたいのか」がハッキリしている人が、幸せな成功者なのだ。

6. 幸せな人は「テレビを見ない」

僕は2011年、東日本大震災のあとに家に置いていたテレビを撤去して、後日処分してしまった。

それ以来約9年僕はテレビのない生活をしている。

テレビを見ない生活で困ることはまったく何もない。

そして僕は新聞も取っていないので、マスメディアからの距離はとても遠く自ら設定している。

そして、それぐらいでちょうど良いと思っている。

上阪さんはこのように書いている。

「テレビの危険なところは、ラクチンなことである。相手からどんどん情報を流してくれるのだ。

そうするといろんなことが面倒になる。何もしなくなっていく。ゴロゴロし始める。そして、ますますテレビが消せなくなっていく」

そしてテレビが流している情報の質にも問題がある。

すべての情報はビジネス的、政治的な側面から操作されていると思った方が良い。

刺激的で残酷なニュースを流すと視聴率が上がるので、猟奇的殺人事件などは延々と放送され続ける。

しかし、テレビの中の事件やニュースと僕の人生に関係性があることは、かなり少ない。

感動的なスポーツ番組は僕もテレビがあれば観るだろうが、僕はそれも観ない。

なぜかというと、僕はテレビの向こうの選手が走っている姿を見て感動するより、自分が走って身体を鍛えたいからだ。

テレビを視ているとき、僕たちの活動はすべて停止している。

僕は他人の人生を見て感動するより、自分が感動したり、自分の人生が人に良い影響を与えたり、感動してくれたりするような人生を選びたいと思っている。

7. 幸せな人は「自分が「すでに幸せだ」と知っている」

幸せとは「なる」ものではなく、「あるもの」。

僕自身はそう思って生きている。

一昨年から昨年にかけて、僕の人生にとって最大のガラガラポン、大シャッフルがあった。

僕は離婚をして自分が作った会社を辞め、全拠点と社長の肩書きを手放して六本木から鎌倉の海街に流れ着いた。

世間の人はそれを「大変だった」とか「大失敗」とかいろいろ評価しただろう。

でも僕は、「大変だった」とはもちろん思ったが、その渦中にあっても結構いろんなことを楽しんでいたし、常に自分は幸せだと思っていた。

幸せというのは、何かをクリアしたり達成したりすると「なる」ものではなく、どんなときにも「幸せである」ことはできるのだ。

これは解釈の問題なのだ。

上阪さんはこのように書いている。

「日本では、「幸せは目指すもの」というイメージがある。しかし、うまくいっている人たち、幸せな空気を醸し出している人たちから受け取った私の印象は、そうではなかった。「幸せというのは、そこにあるもの」というイメージだった。

さらに上阪さんは付け加えている。

「結果や成果が出ないから、幸せになれないのではない。実は、幸せな人たちが結果を出しているということだ。

自分は幸せだと自分で思っている人たちが、うまくいっているのである。幸せだから結果が出せるのだ。順番が逆なのである」

幸せとは自分で決めるもの。

幸せとは自分で定義できるもの。

だったら、自分で自分を幸せと定義しようではないか。

上阪さんのこの言葉の力強さが、すべてを言い表している。

「ならば、幸せになったほうがいい。幸せそうになったほうがいい。それは自分でできる。なぜなら自分で決められるのだから。そのためにも、今をきちんと見つめることが大切なのだ。今の幸せに気づくことが必要になるのだ。」

まとめ

新年にふさわしい、とても力強く、そしてしなやかで優しい本だった。

多くの日本人がいまの日本社会に閉塞感、息苦しさを感じ、自己肯定感が下がり、幸福度も上がらない状況で喘いでいる。

そんな社会に風穴を開け、「幸せに生きよう!」と強いメッセージを送ってくれる一冊だ。

僕自身も会社員を辞め、執筆と講演で生きるようになり人生が激変した。

自分で選び自分で掴み取った人生には、上手くいくときもあれば行かないときもあるけれど、悔いがなく、押さえ付けられるストレスもないので、いつも爽快だ。

だから僕はいつでも自分自身を「幸せである」と定義できている。

幸せとは追求するものではなく、気づくもの。

でもそうあるためには、技術がいるのも事実。

その技術がぎっしり詰まった宝石箱のような一冊。

幸せになる技術、オススメです!!

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