健康・アンチエイジング書評

医者が教える「あなたのサプリが効かない理由」by 宮澤賢史 [書評]

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宮澤賢史さんというお医者様が書いた「医者が教える「あなたのサプリが効かない理由」」という本を読んだのでご紹介。

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僕自身約1年ほど前から毎日複数の種類のサプリを飲んでいる。

サプリを飲むようになったきっかけは、高城剛さんの「不老超寿」という本を読んでから。

自然界の栄養だけでは人間の栄養補給は充分ではなく、サプリで補う必要性を感じたのだ。

そして、当時も今も続けているジムのパーソナルトレーナーさんや、友人のダイエットコーチ、分子栄養学のカウンセラーなどのアドバイスを受けつつ、自分で調べてサプリを摂取するようになった。

お陰さまで体調は非常に良く、毎月ひいていた風邪もまったくひかなくなり、体重も10kg近く落ちて精悍になった。

運動と正しい栄養の摂取の賜物だろう。

今回、さらに専門性を高めたく、また、我流でやってきた部分を検証したく、この本を手に取った。

栄養療法の専門家が書いた本だけあって、非常に分かりやすく、勉強になった。

さっそく紹介しよう。

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サプリは「欠乏症にならない量」が「正しい摂取量」ではない

サプリを毎日飲むようになってから、サプリの最適な摂取量がどれぐらいなのかを調べて驚くことになった。

代表的なのがビタミンCだが、国が推奨している標準摂取量は1日100mgである。

ところが、海外通販で売っていて、僕も毎日摂取しているビタミンCの錠剤は、1錠で1,000mgもある。

さらに、サプリを使いこなしている友人は、この1,000mgのビタミンC錠剤を、毎日4錠も5錠も飲んでいると知り、さらに驚くことになった。

国の推奨量の40倍、50倍のビタミンCを摂取して、身体に悪くないのか?

最初はそんな疑問を持つことになった。

その答えがこの本に書いてあった。

上述した、国が定めているビタミンCの標準摂取量の100mgというのは、「壊血病」という、ビタミンCが不足することで起こる「欠乏症」を防ぐ最低の量なのだ。

つまり、「1日最低100mgのビタミンCを摂取しないと、欠乏症である壊血病になってしまいますよ」という最低ラインが示されているにすぎず、「それ以上を摂ってはいかん」ということでは、まったくない。

それに対して本書で書かれているビタミンCの最適な量というのは、「下痢になる手前の量」となっている。

ビタミンCの1,000mgの錠剤を1時間ごとに飲んでいくと、1日に18g程度のビタミンCを摂取することになる。

これだけの量を摂取すると、風邪を治したり、体調不良を改善するなどの効果が出てくる。

1時間ごとに1gのビタミンCを摂取していくと、血中のビタミンC濃度を3倍くらいまで高めることができる。

そして、必要量以上のビタミンCが身体に入ると、人間は下痢を起こすようにできている。

身体の中に不調があると、ビタミンCが大量消費されてしまうため、「まだまだ足りない」状態になり、下痢は起きない。

なので、下痢が起きる手前が最適な量である。

このように、国の基準となっている「欠乏症を防ぐ最低量」と、「不調を治し健康を増進させる量」というのは、まったく異なる。

医学的な効果を得るビタミンCを食物から得るのは不可能で、だからこそサプリを正しく使うことが大切なのだ。

必要な栄養の量は人によってまったく異なる

上の項目ではビタミンCについて書いたが、人によって必要となる栄養の種類や量はまったく異なる。

なぜなら、男女差、年齢、体格、不調のある身体の部位などが異なり、それに応じて必要となる栄養もまったく異なるからだ。

そして、ビタミンCのように単に飲み過ぎると下痢をする程度の問題しか起きないサプリばかりではないことも知っておくことが重要だ。

鉄剤やカルシウムに代表されるような一部のサプリは、間違った摂取の仕方で大量に飲むと、身体に大きな負担をかけ、体調が改善するどころか、不具合を起こしてしまうことが分かっている。

僕自身身長190cm、体重80kgと、日本人にしては非常に大柄であり、小柄な女性とは容積でいったら2倍近く異なる。

それだけの体格差がある人が、「一人の人間」という単位で、同じ量のサプリを飲むことは危険である。

必要な栄養の量は人によってまったく異なるので、他人のマネをせず、栄養療法の専門医に相談したり、自分の体調の変化をこまめにチェックするなどして、自分に合った量と種類のサプリを摂取することが大切だ。

「何を食べるか」よりも「何を食べないか」が大切

栄養療法というと、サプリを飲めば良いと思うかもしれないが、もちろんそうではない。

そもそも人間が栄養を摂取しているのは食事からである。

どんなに良質のサプリを飲んだところで、食事がジャンクなものばかりでは、効果は得られない。

そもそもの食事を良質なもの、正しいものに整え、そのうえで不足している栄養をサプリで補うのが正しい方法だ。

そして、食事のときにまず考えるべきことは、「何を食べるか」よりも「何を食べないか」。

身体を不調に陥れ具合を悪くするようなものを遠ざけ、食べないことが大切になる。

本書では、砂糖や甘いもの、コーヒーなどのカフェイン、パンなどの小麦に含まれるグルテン、牛乳やチーズなど乳製品に含まれるカゼイン、悪い油の代表トランス脂肪酸などを「避けるべき」としている。

コンビニやファストフードなどに依存する食生活をしていると、これらの避けるべき食材を大量に浴びることになる。

何を食べないかをしっかりと考え、それらの食材を遠ざけるライフスタイルの構築が大切になる。

サプリを効かせるコツは「最低限のサプリですむ身体作り」

著者の宮澤さんは、本書で「サプリ効かない理由」を端的に以下の5つと指摘している。

  1. 効果が得られる量のサプリメントを使っていない
  2. 自分に必要なサプリメントがわかっていない
  3. サプリメントの消化、吸収について考えていない
  4. サプリメントを邪魔する要因を考えていない
  5. 食事をないがしろにしている

食事で身体に悪いものをたくさん食べ、他人のマネをしてサプリを色んな種類やたらと飲んでも効果はない。

上述したとおり、本来人間は栄養は食事から摂り、それで不足する部分や、医学的な効果をもたらすために、サプリメントを活用すべきなのだ。

つまり、サプリを効かせる最大のコツは、「最低限のサプリですむ身体づくり」である。

体内に炎症や不調があれば、大量のビタミンサプリを飲んでも「まだ足りない」という状態になる。

ストレスだらけの生活をしていたら、どんなにサプリを飲んでも体調不良は改善しないだろう。

日々の生活や仕事の仕方を改め、ストレスを減らし、体調を整えることをしながら、サプリを有効に活用するのが、正しいサプリの摂取法なのである。

まとめ

本書では、代表的なサプリの摂取法やその際の注意点が網羅的に書かれている。

これからサプリで健康改善をと思っている人は、読んでおくと良いだろう。

サプリだけではなく、健康に害を及ぼす食品についても詳細に書かれているので、今まで食事に無頓着だった人は、サプリの摂取と併せて、こちらもぜひ熟読されることをオススメする。

究極的には、分子栄養学をベースにした栄養療法は、血液検査を受けてその数値から足りない栄養素をカスタマイズしていく。

なので、僕も近々血液検査を受けて、自分に不足している栄養が何なのか、食事やサプリをどのように改善したら良いのかを、相談したいと思っている。

正しく使うことで強い武器になるサプリ、効果的に活用しましょう。

素晴らしい一冊でした。

オススメ!!

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