自己実現・自己啓発書評

「惜しい努力」で終わらせない思考法 by 午堂登紀雄 〜 努力は正しくするべし!! [書評]

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ブックレビュー2010年の115冊目は、午堂登紀雄氏著、「「惜しい努力」で終わらせない思考法」を読了。

午堂登紀雄氏の著書を読むのはこれが2冊目。これは自分でも意外だった。もっとたくさん読んでいるような気がしていたのだ。

一冊目は僕の人生に強い影響を与えた「脳を「見える化」する思考ノート」。

さて、本書「「惜しい努力」で終わらせない思考術」は、巻頭に午堂氏が解説している通り、自分の頭で考える「地頭」を作るための本である。

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「惜しい努力」で終わらせない思考法  by 午堂登紀雄 〜 努力は正しくするべし!! [書評]

ノウハウ本を頷きながら読み、「ああ勉強になった」というタイプのものではなく世の中で常識と思われていること、良いノウハウと言われていることを、著者が意図的にやや過激に振って解説を加えている。

著者の言葉に頷くも良し、反論するも良し、知的格闘しながら読む本である。

と、ここまでが著者の説明である。

だが、本書は僕に言わせると、「一般人を卒業したい人のための常識の違いガイド」とでも呼ぶべきチャレンジ本である。

著者の午堂氏はフリーターからコンビニ店長を経て、不動産投資で成功した逆張りの人で、つい数年前までは深夜のコンビニでバイトするごく一般の人だったのだ。

その「元一般人」が、不動産投資で得た資金を有効活用しつつ公認会計士となり自分で会社を設立し、さらにこのようにたくさんの著書も出版するなどの大活躍の人となる過程で、自分自身で卒業してきた「一般人の常識」を羅列してある本なのだ。

そういう読み方をすると、本書は「成功する人の行動指針」として読むことができ、俄然面白くなる。

「20代〜30代前半は土台を作る時期だ」「オン・オフの区別がなくなるまで仕事にのめり込め」「道が二つあったら大変な方を選べ」「「目標を立てろ」は本当か?」など、刺激的な言葉が並ぶ。

世のビジネス書が説く言葉に対する疑問を多く投げ掛けているのだが、中でも秀逸なのが以下の言葉。

「私たちが真似しなければならないのは、成功者が今やっていることではなく、成功者が成功していく過程でやっていたことのはず」

これはまさにその通りで、僕らはビジネス本に書かれている言葉をそのまま鵜呑みにしてはダメで、自分にフィットする部分だけを採用するという才覚が必要なのだ。

たとえば、僕が尊敬する経営者吉越浩一郎さんの著作に「残業ゼロの仕事術」という本がある。

本書を僕は何度も読んだが、それはマネジメント手法を学ぶ場としてであって、一般社員の働き方という立場ではない。

当たり前のことだが、「残業ゼロ」は、企業にとって素晴らしい仕組みではあるが、一日8時間しか努力をしない人と、一日16時間努力する人では、一年後に大きな差が出てくるものだ。

吉越さんの「残業ゼロの仕事術」などの著書は、経営者の視点で書かれた本であり、それを20代半ばの何のスキルもない若者が言葉だけを表面的に鵜呑みにして仕事を途中で放り出して遊びに行くなどというのは愚の骨頂なのである。

仕事が定時で終わるなら、その後の時間をいかに有効に使うかが工夫のしどころになるのであって、残業がゼロだからといって個人の仕事が出来るようになるわけではない。

著者は著者の立場で自身のノウハウを提供している。読者も読者一人ひとりの立場で、採用すべき点だけを採用すれば良いのであって、成功者の今の姿を表面的にまねてもダメなのだ。

本書の後半はテーマを「仕事」から「社会」へと広げ、午堂氏自身がフリーターだった経験から、今の日本の「格差」「派遣」「ニート」などの問題に対する問題提起をしている。

これがまた鋭くて膝を打つことが多い。

「不況だから節約しろ、の嘘」などはまさに一般人を卒業するための採用試験のような章で、ここが分かっている人と分かっていない人では、生き方が大きく変わってしまうことになる。

努力をするなら正しい方法で。

これは多くのノウハウ本に書いてあることだ。

だが、本書はそれら成功者によるノウハウ本の中では、相当親切で具体的、そして一般人から成功する人になるための思考回路の変更方法が書かれている。

一般人を卒業して成功者になりたいと願うなら、手に取ってみて損はないだろう。

「「惜しい努力」で終わらせない思考法」のチェックはこちらからどうぞ!

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