自己実現・自己啓発書評

もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら

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樺沢紫苑さん著、齋藤邦雄さん作画、「もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら」という本を読んだのでご紹介しよう。

タイトルにある「アウトプット大全」とは、2018年に刊行となった樺沢紫苑さんの代表作で、シリーズ90万部突破とのこと。

「アウトプット大全」は僕も刊行後すぐに購入して読み、書評を書いた↓

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今回は、その「アウトプット大全」をベースとしたコミック+樺沢さんによる解説という形の新刊だ。

読む前にイメージしていた内容と、良い意味で、だいぶ異なる本だった。

さっそく紹介しよう。

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「リカバリー行動」を脱して「プラス行動」へ

われわれ人間の活動は大きく二つに分類される。

一つはマイナス、ネガティブな状態をニュートラル、ゼロに戻すための「リカバリー行動」。

そしてもう一つが、ニュートラル、ゼロ、またはプラスの状態から、より大きなプラスへと向かうための「プラス行動」である。

本書では、主人公の若手会社員が、長時間労働で心身ともに疲弊し、「社畜ゾンビ」と化した状況から物語がスタートする。

長時間労働で疲弊した状態では、良いアイディアが浮かぶはずもなく、生産性も最悪の状態。

生産性が上がらないから残業が深夜に及び運動もする時間がなく、精神的に追いつめられ眠れず睡眠も取れない。

眠れないからますます生産性が下がるという悪循環だ。

そんな主人公を救った最初のきっかけは、小さなアウトプットだった。

「 昨日はどんな日でしたか?」

他愛のない小さな質問に口頭で答える。

本人にはアウトプットしているという自覚はなかっただろう。

しかし、その小さなアウトプットが主人公にとってのリカバリー行動のきっかけとなった。

続いて主人公は自分の思考や感情をノートに書くというワークを始める。

出てくるのはネガティブな思考や感情ばかりだが、書き出す手が止まらない。

アウトプットすることで、それまで頭や心の中に渦巻いていたネガティブな思考と感情が一気に吐き出されたのだ。

アウトプットの第一歩として、自分の思いを吐き出すこと、たとえそれが弱音や泣き言であっても、心に留めず形にすることが大切だ。

思う存分愚痴を言い、弱音を書き綴ることで、主人公はネガティブな状態からニュートラルな状態へと「復活」していく。

そしてさらにアウトプットを続けることで、次に主人公はプラス行動へと推移していく。

僕自身も、ひたすら自分の思考と感情を書き出すことが無意識にリカバリー行動となり、リカバリーが完了するとプラス行動を取るようになった経験がある。

社畜ゾンビ状態の人は、まずは自分の思考と感情を何でもいいから口頭で吐き出し、ノートに書き殴ることから始めよう。

アウトプットすると「失敗が存在しなくなる」

何か1つのことを成し遂げようとチャレンジする、つまり行動を起こす。

行動を起こせば何らかの結果が出る。

満足のいく結果が出ることもあれば、思うように結果が出ない時もある。

行き詰まってしまう人は、思うように結果が出なかったとき、それを「失敗」と判断し、行動を止めてしまう。

しかし、思うような結果が出なかった時こそ、立ち止まって上手くいかない理由を考え、次の一手を考えることが必要だ。

そして次のいってを起こし、またその結果を検討する。

そのように一歩ずつ進むプロセスを人は「成長」と呼ぶ。

その際に必要なプロセスが、行動、つまりアウトプットとフィードバックの繰り返しだ。

フィードバックの際にも頭だけで考えてはすぐに行き詰まる。

ノートやカードなどを駆使して常にアウトプットしながら次の手を考える。

行動してフィードバックをするPDCAサイクルが回れば、物事には「失敗」がなくなる。

なぜなら、まだ物事は完了しておらず、改善の途中だからだ。

失敗とは、「事実」ではなく、完全に諦めたときに我々が「認識」するものごとの状態だ。

アウトプットを続けることで、「上手くいっていること」「上手くいくよう改善している途中のこと」だけが存在し、失敗という概念がなくなるのだ。

目標は書いて見返すと実現する

ハーバード大学の研究によると、目標達成できない最大の理由は「目標を忘れるから」だという。

毎年お正月に目標を立てても、ちっとも実行せず年末に見返して「こんな目標立てたっけ」と驚くことがあるだろう。

目標を頭の中で想い描くだけでは、まず達成することはできない。

目標を立てたなら、必ず書き出すこと。

そして目標を具体的に行動できる形に変換すること。

さらに、すぐに行動を起こせるまで目標を細かく分割すること。

分割した一つ一つの目標には期限を定めること。

そして、目標を立てたなら毎日目標を見返し、周囲にも公言しよう。

そして目標に対してどの程度進捗しているかを定期的にフィードバックすることも大切だ。

目標を立てることも書き出すことも、そしてフィードバックをすることもすべてアウトプットである。

アウトプットにより目標達成の可能性が劇的に上がるのだ。

まとめ

本書のタイトルは「もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら」だが、物語の中には書籍としての「アウトプット大全」はまったく登場しない。

また、「アウトプット大全」ではほとんど触れられていなかった「リカバリー行動」からストーリーが展開していくなど、良い意味で予想を裏切られた。

さらに、漫画部分のストーリー構成がとても良く、感動的で涙が出たシーンもあった。

学びを深めるのに、「心が動く」のは非常に効果的だと再認識させられた。

改めて、アウトプットの重要性を確認する機会となった素晴らしい一冊だった。

「アウトプット大全」と併せて読むとさらに効果的だろう。

オススメです!!

「もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら」のチェックはこちらからどうぞ!!

もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら

「もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら」は僕のYouTubeチャンネルでも紹介してます!併せてご覧ください!

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