仕組みを語るとDNAに行き着く! 書評「小飼弾の「仕組み」進化論」

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凄い本だ。

ノウハウ本ではない。「仕組み」というキーワードについて論じた本である。

冒頭から以下の文章に出くわす。「これらの本」とは「仕組みで仕事」系のノウハウ本を指す。

 

「私が感じたのは、これらの本の「仕組み」の「耐えられない軽さ」です。はっきり申し上げて、私にはこれらの本が呼ぶところの「仕組み」がなまぬるいものに感じてならなかったのです」。

 

なかなか強烈なアンチテーゼである。

では、小飼弾氏はなぜ、そのような不満を持ったのか。

それは、これらのノウハウ本が、「仕組み化で効率を上げよう」という点しか論じていないからだ。

それでは「軽い」と小飼氏は断じる。

では、小飼氏は何を言わんとしているのか。

それが本書「小飼弾の「仕組み」進化論」である。

 

小飼弾の 「仕組み」進化論

小飼 弾 日本実業出版社 2009-03-19
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by ヨメレバ

 

 

本書で論じているポイントは以下の通り。

 

  • 仕組み作りを仕事にする
  • 仕組み作りの仕組みを知る
  • 仕組みを使う
  • 複数の仕組みを組み合わせる
  • 新しい仕組みを作る
  • 仕組みの未来を知る

 

本書では、「仕組み作り」はスタートポイントに位置づけられている。仕組みを作れば効率化するのは著者に言わせれば当たり前のことなのだ。

そして、まずは自分の「食いぶちをつなぐための仕事」を、自分の時間の20%で処理できるようにする。

すると、自分の時間の80%が残る。

この80%の時間を新しい仕組み作りのために使うのだ。

 

一つの仕組みを作ると、その仕組みは勝手に動き出す。たとえ元々意図したのとは違う方向に進んだとしても。

例えば2008年に発生した世界同時金融危機。

あの問題は、もともとはアメリカの不動産ローンの破綻だったにすぎなかったものが、あっという間に世界中に破綻の波が押し寄せ、当初傷が浅いと言われていた日本経済に大きな打撃を与えた。

あの件についても、不動産の債権を証券化するという仕組み、その証券の下落をヘッジするはずの保険商品の販売という仕組みが、住宅ローンの破綻というきっかけによって逆回転し始めたために発生した。

つまり、仕組みは一回作ったら終わりではないのだ。

 

 

今僕らが日常的にこなしている仕事の仕組み。ある人は会社の仕事かもしれない。ある人は家庭での家事かもしれない。

これらを、今の20%の時間でこなせる「仕組み」を作ることから始まると本書は説いている。

キーワードは「怠慢」、「短気」、「傲慢」である。

「同じことを何度も繰り返すなんて面倒だから、自動化しよう」という怠慢。

「こんなに時間をかけてやっていられないから簡単な仕組みにしよう」という短気。

「自分が作った仕組みが使いにくいなんて許せない。使いにくいなら絶対直す」という傲慢。

これらのキーワードはプログラマーに求められる気質だという。

 

 

そして「仕組み」は自分一人の仕事から、チームや組織への大きな仕組みへと拡大していく。

その時には当然複数の仕組みを合体させたり組み合わせたりして、仕組みを高度化していくのだ。

 

そして、仕組みをどんどん高度化させていくと、仕組みは社会を包み、さらには僕らは自分達「人間」という仕組みに辿り着くことになる。

「人間」という生物が維持されている仕組み。その一つ一つのDNAにまで仕組みは組み込まれ,何十億年も生き続けているのだ。

これぞ究極の「仕組み」である。

そして、この生物が持つ究極の仕組みと、我々人間が社会的に作り出した「仕組み」には決定的な違いがあり、そしてその違いを認識しないままでは、いくら仕組みを作ってもうまくいくことはない。

どんどん高度化する仕組みとその社会で生きる我々人間という存在。「生物的仕組み」と「社会的仕組み」が抱える根源的矛盾を解決する方法を、小飼氏は提示している。

そしてそこに、究極のフレーズが挿入されている。

 

  • 十分に発達した仕事は遊びと区別できない

 

我々は個人の仕事を仕組み化して終わってはいけない。

仕組みは改善し、進化させなければならない。そして新しい仕組みは、生物がDNAに刻む「生物的仕組み」の意味を理解しなければならない。

その先僕達が向かうべき方向性は、「遊びと区別できない仕事」なのである。

仕組みが個人を変え、企業を変え、そして社会を変える。

僕達の生活は様々な仕組みの上に成り立っている。

果たして僕達はどこへ向かうのか。今後どんな仕組みが僕達を待っているのか。

天才小飼弾の凄さをまざまざと知った名著。拙い書評で申し訳ない。本書の凄さは実際に読まないと分からないだろう。

小飼弾、恐るべし!

 

 

2011年42冊目の書評としてお届けしました。


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