iPad情報書評

情熱と脱線の熱き熱きiPad活用術! 最高だ! “iPadバカ” by 美崎栄一郎 [Book Review 2011-019] [iPad]

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ブックレビュー2011年の19冊目は、美崎栄一郎氏著、「iPadバカ」を読了。

 

iPadバカ タブレットにとり憑かれた男の究極の活用術

美崎 栄一郎 アスコム 2011-01-19
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by ヨメレバ

 

 

 

美崎氏の著書を読むのは初めて。以前から読みたくて楽しみにしていたのだが、期待を裏切らない充実した本であった。

まず、タイトルからして最高だ。iPadバカ。一言でここまで著書の中身と著者の人となりを言い表す言葉があるだろうか。著者のiPadに対する愛情と思い入れがストレートに伝わってくる。

さて、本書は基本的にはサブタイトルにある通り、iPadの「活用術」を説明するノウハウ本のはずである。だが、本書の良さはノウハウが得られるという部分にとどまらない。

誤解がないように言っておくが、本書はノウハウ本としても最高レベルの素晴らしさだ。

実際に800本ものアプリをダウンロードして試した中から厳選したアプリを紹介しているし、単に紹介するだけではなく、他のガジェットとの組み合わせや使い分けのポイントなど、かなりマニアックなところまで突き詰めて説明してくれている。

だが、本書の真骨頂は二つ。一つは著者の熱さとこだわりであり、もう一つは脱線である。

この手のノウハウ本は、伝達する情報にばかりに重きが置かれ、時として著者の顔が見えづらいケースも多い。著者の個性が見えないと、読後感が薄くなり、結果として情報は仕入れたものの、本としての印象がまったく残らないということにもなってしまう。

だが、本書は違う。この本は美崎氏以外の誰にも書けない熱さに満ちている。美崎氏という軸が絶対ブレないため、読んでいて安心する。これぞパーソナル・ブランディングの真骨頂というべきだろう。

ダメなものはダメとハッキリ言い、良い部分を徹底的に褒める。このメリハリと判断基準が際立っているため、著者の視点でアプリやノウハウを判断し、それを自分の判断基準と比較することができるのだ。これは実に素晴らしいことだ。

そしてもう一つのポイント「脱線」だが、正直言ってここまで頻繁に本題から脱線してしまうノウハウ本は見たことがないというくらい、本書は頻繁に脱線するのだが、この脱線の部分が実に面白いのだ。

もちろん本来の話題からまったく関係ない別のテーマに話が移るのではなく、すぐ隣にあって関連性が高い事柄に「ひょい」と移っていくので、僕ら読者もごく自然に脱線に着いていくことができ、しかも読みながらニヤニヤしてしまう。

美崎氏も編集者もある程度意図的に脱線しているようで、著者も「また脱線しますが」などと平然と書いているし、編集者もそれをそのまま受け入れ出版させている。

ひょっとしたら脱線は狙って書かれた「文章内別コラム」的位置づけなのかもしれない。だとしたらこの脱線は凄いハイ・テクニックだ。

例えば、iPad版のKeynoteを使ってのプレゼン術で、資料に挿入する画像を加工するアプリの話題があり、まずは脱線してiPhoneの画像加工アプリの話題になる。

そこからさらに室内での写真撮影の際にiPadをライト代わりに使うテクニックとアプリの話になり、さらに脱線してiPadを電光掲示板にするアプリでカラオケで盛り上がるという話題へと移っていく。

仕事で使うプレゼン資料の話をしていたはずが、最後はカラオケボックスで盛り上がるという展開になってしまっているのだが、この推移の仕方が実に自然で面白いのだ。

この手のノウハウ本を読みながらニヤニヤすることはなかなかないのだが、本書は読んでいて何度もニヤニヤするシーンがあって楽しかった。

世の中には多くのノウハウ本が出ているが、ここまで「自分」という軸がハッキリ表明されている作品は珍しい。

ぎっしり詰まったノウハウを伝授してもらううえにたっぷり楽しむこともできる希有な本。アマゾンでも楽天ブックスでもずっと売り切れの大人気というのも分かる。

僕は本書を手に入れるためにリアル書店を5軒ハシゴしたが、その価値は十分にあった。

iPad好き、iPhone好きの人はもちろん、これから購入を検討している人にも是非一読してもらいたい名著。お奨め!

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