書評

苦手なことはするな! 書評「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」 by マーカス・バッキンガム & ドナルド・O・クリフトン

書評
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僕たちの人生は有限だ。時間は限られている。この世に産まれた瞬間から、僕らは最期の時に向かって一刻一刻と突き進んでいる。

もし僕らの時間が無限にあるなら、興味を持ったことに何でも片端から挑戦するのも悪くない。

だが、そんなことをしていたら、僕らはあっという間に歳を取ってしまうだろう。

だからこそ、自分が一番得意とすることに取り組む必要がある。

本書「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」は、僕ら一人ひとりが、自分が何が得意なのかを見つけるためのヒントとなる良書である。

 

 

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす 

マーカス バッキンガム 日本経済新聞出版社 2001-12-01
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by ヨメレバ

 

 

苦手なことをやってはいけない

 

 

僕らは誰もが一人ひとり、得意分野と苦手分野を持っている。

たとえば外向的な人もいれば内気な人もいる。慎重な人もいればおっちょこちょいな人もいる。

多くの場合、長所の裏返しが短所になる。

つまり、「外向的で人懐こい」という長所の人が「おっちょこちょい」であったり、「慎重で計画的」な人が「行動を起こすのが遅い」性格であったりする。

そして僕らは子供の頃から、苦手な分野を克服するよう、親や教師から指導されてきた。

だが、僕らは本当にそんなことをする必要があるのだろうか。

苦手分野を克服して人並みのレベルにするために費やす時間と労力は、本来なら最も得意な分野に費やすべきなのだ。

なぜか。

得意な分野をさらに伸ばせば、その分野は僕らの強い武器になる。

だが、苦手を人並みにしたところで、それは武器にも何もならない。時間がもったいないのだ。

 

 

好きと得意は違う

 

 

次に大切なこと。それは好きと得意は違うという事実をしっかり認識することだ。

僕らは自分がどういう強みを持っているのかを客観的に把握することがなかなかできない。

本当は営業に向いていても、本人にその自覚がなければ、気づかずにまったく違う分野に進んでしまうかもしれない。

学者が向いている人が、「自分は営業をやりたい」と頑張っても、なかなか成績が上がらないケースもあるだろう。

自分が好きなこと。これは気づきやすいだろう。

だが、自分にどういう資質があり、どういう方面に向いているのか、何が本当は得意なのかを冷静に知ることは、意外と難しい。

 

 

だからこそ得意を見つけよう

 

 

本書はWebで実施できる自らの資質の診断「ストレングス・ファインダー」と連動している。

新品で本書を購入すると、無料でこの試験を受けることができる。

このストレングス・ファインダーという試験を受けることで、僕らは自分が実際はどのような資質を持ち、どのような分野を得意としているのかを知ることができる。

本書では人が持つ強みを34に分けている。

例えば「アレンジ」、「運命思考」、「学習欲」、「自我」、「内省」、「親密性」などなど。

そして本書の後半は、多くのページを割いて、これら34の強み、資質がどのようなものかという解説と、それぞれの強みを持った人たちがどのような得意分野を持つのかという展開例を説明してくれる。

ストレングス・ファインダーでは僕ら一人一人に対して5つの強みが示される。なので、僕らは皆34の強みのうちの5つに該当することになる。

僕も早速ストレングス・ファインダーを受けてみた。

僕の強みは「コミュニケーション」、「着想」、「最上思考」、「活発性」、「未来志向」の5つであった。

 

 

まとめ

 

 

自らの強みを知ったからといって、すぐに人生が激変するわけではない。

だが、方向性が見えないなかでやみくもに突っ走り、結果として遠回りをしてしまったり、ゴールに辿り着けなかったりするリスクを考えれば、自らの強みを客観的に認識できることは大きなチャンスだろう。

もちろんこの「ストレングス・ファインダー」テストも本書も、完全なものではなく、絶対的な指針にはなりえない。

だが、一つの参考値として自らを見つめるきっかけにはなるのではないだろうか。

僕らの人生に与えられる時間は有限だ。

だからこそ、自分がもっとも得意な分野に特化して、突っ走ろうではないか。

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