ライフイベントに振り回されない自立的女性をめざして — 書評:これからも働き続けるあなたへ by 太田彩子

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書評再開第1弾は太田彩子さんの最新刊「これからも働き続けるあなたへ」。

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本書「これからも働き続けるあなたへ」は、サブタイトル「働く女性の不安をやわらげる42の処方箋」にあるとおり、女性向けの本である。

でも、もしあなたが会社でマネジメントや人事を担当する男性社員であったり、自ら企業を運営する立場にある男性ならば、この本はあなたに多くのことを気づかせてくれるだろう。

僕自身43歳男性なわけだが、この本から大切なことをいくつも教えてもらった。それを紹介したい。

 

これからも働き続けるあなたへ ~働く女性の不安をやわらげる42の処方箋~太田 彩子 大和書房 2012-12-20
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ライフイベントを迎える女性へのアドバイス

女性には多くのライフイベントがある。

「女性には」と書くのは本当はおかしいことだ。

ライフイベント「結婚」「出産」「子育て」などは、男女が共に迎えるものである。もちろん男性自身が出産することはできないが、イベントとしての出産は夫婦二人のもののはずだ。

ところが、日本では、まだまだ女性の側にライフイベントの影響が大きく出てしまう傾向が強い。

この本の著者太田彩子さんは、ご自身が学生時代に出産をされており、子供がいる中で就職活動をし、そしてリクルートで営業担当として働き数々の賞を受賞され、さらに独立・起業までされた方だ。

出産、育児をしながらも働き続けてきた太田さんからの「働きたいのに働くのを諦めてしまう」日本の女性たちへの熱いエール、それが本書だ。

 

 

 

「仕事を続けたい」というメンタリティを育てたい

本書は、「就職」「結婚」「出産」「子育て」という、女性が経験するライフイベントのステップごとに、太田さんがそれぞれの年齢の女性に語りかけるような、対等な目線で読者の不安や葛藤を和らげる文体で優しく書かれているのが特徴だ。

そしてもう一つの特徴は、各ステップにおいて、読者がすぐに実践できるように、3ステップのアドバイスが付け加えられている。

たとえば結婚を控えた働く女性に対して、夫婦間の役割分担について、以下のような3つのアドバイスが書かれている。

 

  1. 事前にパートナーと話し合い、役割分担を決めてしまう
  2. 計画どおりにはいかないと覚悟して、お互いにフォローし合う
  3. 常に相手に感謝の気持ちを抱き、それを行動で表す

 

また、出産を終え、これから仕事に復帰しようと考えている女性に向けては次の3ステップだ。

 

  1. 子どもの安全を確保し、働くための時間を確保する
  2. 少しずつ、職場とコンタクトを取るようにする
  3. 社会復帰のためのトレーニングを開始する

 

これらの具体的行動例とともに太田さんが繰り返し語っているのが、「働くことの素晴らしさ」である。

日本は少子高齢化で労働人口が減っているのに、女性の社会進出が遅れている。

僕自身17年間サラリーマンとして働いてきて、女性の管理職の少なさ、女性経営者の少なさは常に実感してきた。

僕が働いていたのは翻訳会社で、しかも女性オーナー創業者社長のもとで働いてきた。

その女性オーナー創業者社長の会社でも、女性の管理職は圧倒的に少なかったし、取引先は多くが外資系企業だったが、そこでも女性のマネジメントや経営者は少数派だった。

 

 

また、前職ではフリーランスの翻訳者を定期的に募集していた。フリー翻訳者は在宅で専門技術を発揮できる仕事だ。

そこには常にたくさんの、「とても優秀な女性」が「出産を機にフルタイムの仕事を退職」し、「自宅で育児と並行して働くことができる」「仕事を探して」応募してきていた。

学生時代には成績優秀で留学なども経験し、一流企業に就職したものの、結婚・出産を機に退職してしまう女性がとても多いのだ。

そして育児をしつつ働こうと思っても、以前の職ほどの条件の仕事には就けず、スーパーのレジ打ちのような、単純作業を外国人留学生などと競って低給与で確保するのに精一杯。

そんな女性が多いのが実情だ。

 

 

そこには社会の仕組み、企業側の問題もあるが、それと同時に女性たちに「一生働き続けたい」というメンタリティがあまり根付いていないという側面もあるように思う。

太田さんからのメッセージは、「働き続けることの素晴らしさを知って欲しい」ということと、「働き続けようと思えば働けるから、もったいないから辞めないで」なのではないかと感じた。

 

 

母として働く女性として

太田さんは1975年生まれ。30代後半でありながら、既に息子さんは高校生とのこと。

会社を経営しつつ育児を終えた人としての余裕が本書からも見て取ることができる。

僕自身男性で、しかも子供もいないので、本書後半の育児や育児を終えてゆとりができた人向けの章は「なるほど」と納得させられる点が多い。

「子育ては永遠に続くものではない」「ほんの少しエレガントに」などのさりげない言葉は、経験してきた人にしか言えないものだろう。

 

 

そしてもう一つ太田さんが説いているのが「自立」である。

常に受身で何か良いことが向こうからやってくるのを待つ。まるで白馬に乗った王子様がシンデレラを迎えに来るように。

そうではなく、自分から白馬に乗って世界を駆け巡って欲しい。

自分の人生は自分で切り開いていく。

「私なんかにできるだろうか」「私には無理じゃないか」

そう不安に感じる女性のために、太田さんはこの本を書いたのだ。

 

 

まとめ

僕は翻訳会社に勤務している時に、合計2,000人以上の方と面接をしてきた。

成績優秀で聡明な女性が、新卒や転職で何人も入社しては短い期間で退職していった。

多くの女性は入社時には「結婚してからもずっと仕事を続けたい」と言って入社してくる。

でも、実際ほとんどの女性社員は結婚により旦那さんの転勤で引っ越すことになったり、出産を機に家庭に入ることになったりして、退職していった。

この本を読んでいて、当時のことを思い出した。

 

 

「迷走」という言葉を当時良く思った。

「彼女は何のために留学までしてここまでの学力を身につけたんだろう」

「彼女はどうしてこの職種からこの会社への転職を決めたんだろう」

「何故この女性は入社して半年で結婚退職をすることにしたんだろう」

 

 

キーワードはやはり「自立」なのだと思う。

女性自身が自立を強く意識し、会社や社会も女性の自立を積極的に支援する。

そういう体制が必要なのだと思う。

 

 

「就職」「結婚」「出産」「子育て」

そのような大きなイベントを控える方はもちろん、すべての「自立して生きたい」と願う女性に。

是非読んでみてください。きっと勇気が出ると思います。

 

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