無名芸能人からわずか6年で大手IT企業部長に転身した男の手法と戦略

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芸能人が出す本は山のようにある。

どの本にも共通項がある。売れた人が本を書く、ということだ。

有名な芸能人には当然たくさんのファンがいて、その固定客が本を買うことが想定されるからだ。

売れるという目算が立つわけだ。

 

 

ところが、ここに奇妙な本が一冊ある。

タレントだった僕が芸能界で教わった社会人として大切なこと」という本だ。

著者は飯塚和秀さん。

 

 

タレントだった僕が芸能界で教わった社会人として大切なこと飯塚 和秀 こう書房 2012-06-05
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芸能界からIT業界への転身

さて、飯塚和秀さんというお名前を読んで、パッとタレントとして顔が思い浮かんだ人はいるだろうか。

そう、ほとんどいないだろう。

本書冒頭に本人が書いているが、飯塚さんはタレントとしては無名のまま、26歳で芸能界を引退したのだ。

 

 

ではなぜ、無名のまま芸能界を去った人物が、引退から10年も経ってから本を出すことになったのか。

それは、飯塚さんが芸能界引退後、まったく畑の違うIT業界に転身し、わずか6年で大手企業の部長職にまで一気に駆け上がった稀有なキャリアを持つ人物だからだ。

 

 

IT業界でキャリアを積むにあたり、飯塚さんは自身が芸能界で経験したさまざまな事柄が、その後のビジネスの世界でも大いに役立ったと述懐し、その経験から得た教訓をシェアするために本書を書いたのだという。

芸能界という世界は僕にはまったく縁がなく、その内側を覗き見るような、奇妙な高揚感を感じつつページを進めることになった。

 


 

16歳を待ち受ける自己責任思考

著者飯塚さんが芸能界入りしたのは16歳の時。

僕は何も知らなかったのだが、芸能界に入るのは簡単なのだという。

スカウトされて最初から華麗にデビューする人はごくごく僅かな撰ばれた人。

それ以外の人はほとんどが「タレント養成所」に入所する。お金を支払って。

この時点で「タレント年鑑」に登録され、その人は芸能人になる。

 

 

養成所に入った飯塚さんを待っていたのは、それまでの高校生生活とはまったく違う、厳しい現実だった。

簡単に言ってしまえば、そこは自己責任の世界。遊びではないのだ。

だが、普通の高校生に突然「自己責任思考」と言っても、なかなか伝わらないだろう。

まだまだ16歳、遊びたい盛り、悪ガキ盛りだ。

 

 

ついつい学校生活のように甘ったれた「受身」の姿勢を示してしまう受講生たち。

「挨拶がなっていない」と言われれば反抗し、講師の陰口で盛り上がる。

だが、そこには常に「大人の人間」としての対応を要求する芸能界の厳しいルールとマナーが待っていた。

 

 

「挨拶がろくにできない人間には仕事は出さない」

「プロダクション全体に迷惑だ」

そういった厳しい言葉が容赦なく受講生に浴びせられる。

だが、ここで叩き込まれた厳しい立ち居振る舞いが、後に著者を支える屋台骨となっていくのだ。

 

 

 

自然体ではダメだ。自分で撰んだ道なら無理しろよ

「ゆとり世代」「世界に一つだけの花」。

そう言った言葉に慣れ親しんだ若者たちは競争に慣れていない。

養成所に入った若者たちの間でも、徐々に自然淘汰が起こる。

 

 

厳しい肉体トレーニングを課せられ続け、「こんなの無理!わたしは自然体で生きたいの」と教官に食ってかかった女性に、教官は冷たく言い放つ。

「まだ何も成し遂げていない人間が自然体なんて言葉を使うなど、勘違いもはなはだしいじゃないか」

 

 

当時の飯塚さんは教官の厳し過ぎる言葉に納得できなかったという。

だが、今では大手企業の部長職として多くの部下を抱えるようになった飯塚さんは、教官の言葉が理解できると振り返っている。

 

「芸能界での成功を目指している人間など世の中には山ほどいるわけです。所属プロダクションのなかでも競争がありますが、おなじようなプロダクションが都内だけでも相当数あるわけで、そうしたプロダクション間での競争もあります。ですから、少なくともクラスの中でトップを取るんだくらいの気持ちがあって、初めてスタートラインに立てる——、それくらいの感覚が正しいのだと思います」

自分から望んで芸能界に入り養成所の訓練を受けることを選んだ。

それなのに自主的にトレーニングに参加せず、自分の弱さを他人のせいにしては這い上がっていくことはできない。

これは社会の仕組みもまったく一緒だ。

人は日々常に競争に晒されている。覚悟がない人間はどんどん淘汰されてしまう。

養成所はまさに社会の縮図なのだ。

 

 

 

一流と二流の違い。覚悟の世界

養成所でのトレーニングが進み、飯塚さんにもエキストラとしてのテレビ出演の機会が巡ってきた。

同じ養成所の同期生の中は、まったく仕事の依頼が来ない人も出てきて、温度差も生じるという。

 

 

そして実際の撮影の現場は、まさにプロとプロがぶつかる真剣勝負の場所だった。

テレビではヘラヘラしてばかりのお笑いタレントの現場は、ピンは張りつめた緊張感に包まれていたという。

そして、ゴシップ誌では「傲慢」と叩かれるトップ女性タレントは、現場では気配りと人への配慮を怠らない、とても素晴らしい人物だったという。

 

 

エキストラ出演が多かった飯塚さんだが、ある大物女優の弟役に抜擢され、ドラマに準主役で出演することになった。

ところがその現場で飯塚さんを待ち受けていたものは、まさに一流と二流を分ける厳しい現実だった。

大物女優の厳しさ、現場のプロ意識の高さ、売り出し中の若手タレントの如才なさ。

 

 

後半のクライマックスのリアリティーはさすが現場にいた飯塚さんならではのタッチなので、是非本書を手に取って読んでみていただきたい。

16歳の高校生が体験するには、強烈すぎる現実だったかもしれない。

だが、そこで学んだ「社会の仕組み」が、飯塚さんのビジネスマンとしての成功に、なくてはならないものだったのだ。

 

 

 

まとめ

今まで読んだことのない種類の本だった。

芸能界で花開かずひっそりと引退した人は数知れずいるだろう。

だが、そう言った人が出版をするとしたら、逆転一発を狙う「暴露本」ぐらいだろう。

 

 

この本はそういった類いの本ではまったくない。むしろ正反対だ。

この本は著者の自伝をベースとした成功実現への導きを示唆する、他に類のない本だ。

 

 

全然堅苦しい本ではない。

柔らかい文体で書かれて軽快だし、あちこちにクスクスと笑える要素がちりばめられている。

でも、不思議と読後には、ちょっとした熱いものが胸に残る。

芸能界で芽が出なかった無名の人でも、そこからたくさんのことを学んだ結果、IT業界というまったく別の世界で短期間で結果を出し、さらにこうして本まで出せてしまうのだ、という事実に、僕らは勇気づけられるし、感動もするのだ。

 

 

人はどんなことからでも学ぶことができる。

それを再認識させられる良書だった。

オススメです!

 

 

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