世の中も人間も「予想どおりに不合理」だと知ろう!

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人間として生まれたからには、できれば合理的に行動したいと常々思っている。

ところが実際日々生きてみると、どういうわけか当初組んだ予定と全然違うことに熱中してしまうことがある。

節約を誓った直後に衝動買いをしてしまったり、ダイエットを始めたばかりなのにどか食いしてしまうなど、僕らの行動は時として全然合理的でなくなってしまう。

 

 

これはどうしたことか?僕が欠陥人間なのか?

不安に感じているところに、素晴らしい本と出会った。その名は「予想どおりに不合理」。まさに僕ら人間がいかに「不合理」かを徹底的に実験した快心の書である。

 

予想どおりに不合理[増補版]ダン アリエリー 早川書房 2010-10-22
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「おとり」で買いたいものが変わってしまう?!

雑誌のオンライン版がWebで定期購読できるようになっているケースが増えている。

本書では「エコノミスト」誌を例に実験を行なった。

 

 

オンライン版のエコノミスト・ドットコムの購読を59ドル、そして印刷版の紙のエコノミスト誌の購読を125ドル、そしてオンラインと紙両方の購読も印刷版のみと同じ125ドルに設定した。

この場合、100人中84人が「オンラインと紙」両方の125 ドルの購読を選び、オンラインのみの59ドルを選んだのが16人、印刷版のみ125ドルを選んだ人はゼロだった。

 

 

ところが、この3つの選択肢から「印刷版のみ125ドル」を取り除き、オンライン版のみ、または印刷物 + オンライン、この二つだけに選択肢を変更するとどうなるか?

結果、オンライン版のみ59ドルを選択する人が68人に激増し、印刷物+オンラインの125ドルを選択する人が32人に減った。

 

 

この購入者たちの行動はまったく合理的ではない。

いかにも「損」な印刷版のみ125ドルを販売者が「おとり」としてセットに組み込むことで、購入者たちはなぜかオンライン版だけでは満足できなくなり、「得だ!」と思い「印刷 + オンライン版」を選んでしまうのだ。

 

 

本書では他にも同様の方法で「おとり」をセットに組み込むことで購買者を意図的にターゲットの商品に結びつけることができると論じている。

それだけではない、僕らは自分たちの給与やデートする相手についても、主体的ではなく、周囲の人間との間の相対性で比較してしまう生き物なのだ。

 

 

なぜプレゼントの値段を言ってはいけないのか!?

女の子に夢中になった男の子が熱心に彼女をデートに誘い、高級なレストランに連れて行き、食事をご馳走する。

それだけではなく、彼は彼女に高価なアクセサリーをプレゼントする。

 

 

だが、その時に彼は自分の行為に酔ってしまったのか、一つ重大な間違いをしてしまう。

それは、プレゼントの値段を口走ってしまうことだ。

「このアクセサリーは500ドルもしたんだよ」という具合に。

 

 

途端に女の子の態度はよそよそしくなり、結局彼は女の子とおつきあいすることはできなかった。

さて、何故ここで価格を出したことが問題になったのだろう。

 

 

僕らは「社会規範」と「市場規範」という二つの世界に生きている。

この二つは相いれない世界で、二つの世界の微妙なバランスの上に僕らは生きている。

 

 

女の子に食事をご馳走したりプレゼントを差し出したりするのは、「社会規範」の世界での出来事だ。

これは「趣味」や「ボランティア活動」などにも共通する世界観である。

そこには明確な「見返り」の発想はない。

レゴが趣味な人は楽しいからレゴを作るのであって、報酬がもらえるから作るのではない。

 

 

一方市場規範は、ビジネスの世界観だ。

この本でも「極端な事例」として男女の肉体関係を例にしているが、これがとても分かりやすい。

夫が家に帰って妻に「50ドル払うから今夜寝てくれ」とは言わない。夫婦というのは「社会規範」の世界に成り立つ関係だからだ。

一方街の娼婦は寝たい相手を選ぶことはない。取り決めた料金を払う相手と寝る。これは「市場規範」の世界の関係だからだ。

 

 

「市場規範」を代表する言葉は「労働」と「賃金」である。

働く人はイヤなことでも疲れていても労働力を提供して、見返りとして報酬を受け取る。

 

 

つまり、デートでプレゼントの値段やレストランの料金をべらべら喋ってしまうことは、二人の関係を「社会規範」の世界から「市場規範」の世界へと引き摺り込んでしまうことになる。

女の子はお金の話が出た途端、「この人何を見返りに望んでいるの?」という警戒心を抱くことになる。

高級レストランに目を輝かせ、高架なプレゼントを喜んで受け取る女の子に対して、お金の話をしてはいけないのは、僕らが二つの世界に住んでいるからなのだ。

 

 

知っているときと知らないときで味が変わる!?

著者チームは変な実験を色々と考えたが、この実験もとても面白い。

ビールに数滴だけバルサミコ酢を垂らしたのだ。

 

 

そして実験者たちに、バルサミコ酢が入っているビールと普通のビールを飲み比べてもらうのだ。

但し、実験は二つのグループに分けて行った。

片方のグループにはビールAにはバルサミコ酢が入っていると告げて飲み比べてもらう。

そしてもう一つのグループには何も告げず、二種類のビールを飲み比べてもらうのだ。

 

 

すると、酢が入っていると告げられた人たちは、全員が普通のビールの方が美味いと回答し、酢入りビールの試飲では顔をしかめる人が多かった。

一方で成分を知らされていないグループでは、バルサミコ酢入りビールの方が美味しいと回答した人の方が多かったのだ。

 

 

また、ビールにバルサミコ酢が入っていることを、試飲の後で教えたとしても、実験者たちは自分の好みを変えようとしなかった。

つまり、「ビールにバルサミコ酢を数滴垂らすと美味いんだ!」という嗜好を身につけたのだ。

 

 

僕らは本当に美味しいかどうかではなく、「酢が入った飲み物はまずいだろう」という予測に基づいて判断を下している。

そしてその判断には、実は合理性はまったくないケースも多いのだ。

 

 

 

まとめ

本書では上に挙げた例だけではなく、さまざまな実験を通じて僕らの不合理さを証明している。

たとえば「開腹したものの何もしなかった手術で病気が治った例」や「テストの問題に正しい回答をあらかじめ書き込んでおいた時に不正をする率」など、どれも非常に興味深い。

 

 

この本のタイトルにもあるとおり、これら人間の不合理さには一定のパターンがあり、予測できることが特徴だ。

だからこそ、その不合理さをあらかじめ理解することで、合理的な行動を取ることができるようになるかもしれない。

 

 

だが、一番大切なことは、僕らの住むこの世の中は決して合理的にはできておらず、従って僕らの行動も全然合理的ではないのだということを知ることだろう。

世の中、合理的なら素晴らしいとは限らない。

 

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