伝え、聞かせ、引き寄せる話し方とは!? — 「ひらがな」で話す技術 by 西任暁子

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僕は作家・プロブロガーであると同時にプロのセミナー講師でもある。

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作家・プロブロガーとセミナー講師の共通点は、「伝える」ことだ。

自分以外の人に、自分の言葉を使って情報や想いを「伝える」。これが僕の役割だ。

いっぽう作家・ブロガーとセミナー講師の違いは、伝える手段である。

作家・ブロガーは書いた「文字」で伝えるのに対して、セミナー講師は「音声」で話しを伝える。

文字と音声、同じ伝える活動だが、一つ決定的に違うことがある。

書かれた文字はすぐに読み返すことができるが、音声で聞いている言葉は、再生することができない。

1対1なら「もう一度言ってください」と言えるかもしれないが、セミナーなどでは無理だ。

そしてもう一つ違う点は、本やブログは読み飛ばすことができるが、音声はつまらなくてもスキップすることができない点だ。

するとどうなるか。

話の冒頭が詰まらないと、聴衆は「飽きる」のだ。話を聞かなくなる。

どんなにためになる内容であっても、話がつまらないと聴いてもらえないのだ。

それは大問題である。

そんな僕にとって非常に勉強になる一冊の本と出会った。15年間ラジオのDJとして、そして歌手としても活躍されている西任暁子さんの「「ひらがな」で話す技術」だ。

 

「ひらがな」で話す技術

西任暁子 サンマーク出版 2012-04-17
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話し方の本だが、書き方にも応用できる部分が多く、とても参考になった。

さっそく紹介しよう。

 

 

伝え、聞かせ、引き寄せる話し方とは!? — 「ひらがな」で話す技術 by 西任暁子

 

僕たちは人の話を「ひらがな」で聴いている

すごく優秀な先生で内容は勉強になる講義なのに、全然心に響かない。

楽しみにしていたセミナーなのに最初の15秒で飽きてしまい、あとは全然集中できなかった。

そんな経験をしたことがある人も多いのではないだろうか。

人に話をするということは、相手に伝えることが目的のはず。

伝わらないなら独り言と同じで、話し手の一方通行、自己満足になってしまう。

 

 

なぜ同じ内容でも、話し手によってすごく面白く感じたり、詰まらなく感じたりするのか。

最大のポイントは、話し手が「ひらがな」を意識しているかどうかだ。

 

 

僕たちは漢字のまま言葉を聞くことはできない。

「効果」という言葉を音声で伝えるときには、僕らの耳には「こうか」とひらがなで届く。

それを受け手が再び脳内で漢字に変換するわけだが、変換は前後の文脈で判断するしかない。

「こうか」という言葉だけを単独で言われたらどうだろう。

「効果」なのか「高価」なのか、それとも「降下」なのか「校歌」なのか分からない。

文脈が分かったとしても、僕たちは人の話を聞きながら、受け取ったひらがなを都度漢字に再変換しながら聴いている。

この「再変換」がくせものなのだ。

 

 

ひらがなを再変換する際に一瞬僕たちの脳は話し手の言葉から集中力を切り、「こうか」→「効果」という変換作業を行っている。

一瞬のことではあるのだが、この再変換が何度も行われると、中にはうまく再変換ができない、意味不明の言葉も出てくる。

「え?それは何?」「えーと、意味が分からないな」という作業を繰り返すうち、聴き手は集中力を失い、「話が詰まらない」「何を言ってるのか分からない」と感じ始めるのだ。

 

 

 

話が上手い人は「丸い言葉」を使う

話が上手い人は、聴き手が言葉を「ひらがな」で受け取っていること、そしてそのひらがなを漢字に再変換していることを理解している。

だから、再変換が必要ない話し方をするのだ。

どんな話し方か?

著者の西任さんは、「丸い言葉」を使うのだと説明している。

丸い言葉とは何か?

それは「やまとことば」のことである。以下引用しよう。

 

やまとことばとは、日本(やまと)に大陸文化が伝わる前に、日本列島で話されていた言葉、つまり、簡単に言うと、漢字を使った「漢語」やカタカナを使う「外来語」と違い、ひらがなの多い言葉ということです。

丸い言葉、つまり「ひらがな」が多い言葉は、聴き手が再変換する必要がないし、誤解することもない(「効果」を「高価」に誤解するような)。

具体的には、四角い言葉を丸くするには以下の3つの方法がある。

 

1. 分解する

山の高低→山の高い低い

詳述します→詳しく述べます

粘弾性物→粘っていて弾力のあるもの

 

このように、「こうてい」「しょうじゅつ」「ねんだんせいぶつ」といった、漢語や専門用語を、ひらがなに「分解」するのだ。

ちなみに「粘弾性物」というのは、雪見大福などのお菓子に入っている粘り気を出させるための成分。

粘弾性物のような専門用語は分解すると意味不明になる場合もある。しかしひらがなで「ねんだんせいぶつ」と突然言われて意味をすぐ理解できる人はいない。

そのような場合は、言った直後に補足の説明を加えることで聴き手が理解できるようにする。

<ねんだんせいぶつ>それは、<ねばっていて、だんりょくがあるもの>」という形だ。

 

 

2. 意味を説明する

多くの言葉には、うまく分解できないものや、分解しても複数の意味があって混乱するものなども多い。

例えば「転居」という言葉は分解すると「居所を転ずる」だが、これを「いどころをてんずる」と言われてもピンとこないだろう。

そういう場合は、同じ意味を持つ別の言葉で説明すると分かりやすくなる。

「転居」の場合は「引っ越す」がもっとも分かりやすいだろう。「視覚」なら「目で見る感覚」などになる。

また、文章の中に説明を付け足すことも有効だ。

 

「『美術史』とは、視覚を通じて世界を理解しようという学問です」。

 

この一文は文字で読むには問題ないが、音声で聴くと「視覚」の部分が意味不明になりやすい。

その場合、以下のように説明を追加することで、グッと分かりやすくなのだ。

 

「『美術史』とは、視覚、つまり目に見えることを通じて、世界を理解しようという学問です」

 

漢語については、このように「分解」と「意味の説明」で丸めることができる。

 

 

3.  翻訳する

漢語と並んでもう一つの四角い言葉、カタカナを使った外来語の丸め方は「翻訳」である。

カタカナやアルファベットの外来語をそのまま話し言葉にすると相手は理解できないことが多い。

そんなときは、まず日本語に翻訳をする。

 

・ライフコースとは、人生の道筋のことです。

・カタルシスとは、精神の浄化作用のことです。

・ダイバーシティとは、多様性のことです。

 

そして一旦翻訳した言葉を、さらに漢語と同じやり方で丸めていく。

 

・ライフコースとは、人生の道筋、つまり「個人が生まれてから死ぬまでの間にたどる道のり」のことです。

・カタルシスとは製品の浄化作用、つまり「心の中に溜まっていたモヤモヤがなくなってすっきりすること」です。

・ダイバーシティとは、多様性、つまり「人種や性別、宗教などいろんな違いを受け入れていこう」という考え方です。

 

このように2段階で変換することで、聴き手は話し手の話から集中力を途切れさせることなく、気持ちよく話を聞き続けることができる。

 

また、アルファベットの省略語の場合は、何が省略されているのかについても説明する必要がある。

 

・SEOとは「サーチエンジン・オプティマイゼーション」の略で、日本語にすると検索エンジン最適化、つまり「検索した時、最初のほうに自分のホームページが出てくるようにすること」です。

 

このようになる。

手間がかかることだが、このステップを抜いてしまうと、聴き手は話し手の言葉に付いていけなくなり、興味を失ってしまうことになる。

ちょっとした一手間が分かりやすい話し方に必要なのだ。

 

 

 

間で会話せよ!間で惹き付けよ!

僕がセミナー講師をするときに、強く意識していることがある。

それは「間」である。

実は、会話の面白さは、この「間」で決まると言っても過言ではないと僕は思っている。

間というのは、聴き手が情報を整理し、話に追い付き、「さあ、次を話してください」という準備に必要な時間である。

また、重要な話をする前には、たっぷりと間を取る。

聴き手はそれまで連続して届いていた声が途切れたことで、「え?どうしたの?」と注意喚起され、集中力が高まるのだ。

間を制することで、話し方のレベルは劇的に上がっていくのだ。

 

 

話が詰まらない人は、話し方が回りくどく言葉が途切れず長い傾向がある。

そんな場合にうまく相手を惹き付けるためには、文書を切ることが大切だ。

そんなときには話と話をくっつけている「接着剤」をはがすことが大切だ。

ここでいう接着剤とは、文と文をつなぐ接続詞のことを刺す。

本書で用いられている例文の一部を引用しよう。

 

私がなぜ話し方を学びたいと思ったかといいますと、それは数カ月前に起こったある出来事がきっかけなんですが、ある人に私はちゃんと言いたいことを伝えたつもりだったのに、その人は全然違うふうに受け取っていて、「もう、なんでそうなるわけ?」と私は驚いたのですが、……

 

実際このような話し方をしてしまう人はとても多い。

この文書の接着剤をはがすと以下のようになる。

 

  • 私がなぜ話し方を学びたいと思ったかといいますと、それは数カ月前に起こったある出来事がきっかけです。
  • ある人に私はちゃんと言いたいことを伝えたつもりだったのに、その人は全然違うふうに受け取っていたのです。
  • 「もう、なんでそうなるわけ?」と私は驚きました。

 

このように接着剤をはがし、文章を独立させることで、自然と間が生まれ、文章にリズムが出てくるのだ。

 

 

 

流暢に話そうとしてはいけない

「話がうまい」という言葉には、「表面的な技術を持っているにすぎない」というネガティブな意味が隠されている。

どんなに淀みなくキレイな声で滔々と語っても、「なぜか伝わってこない」「なんか嘘っぽい」と思われてしまうケースというのがある。

 

 

そもそも、僕たちは何のために話すのか。

それは、自分の中にある何かを表現して、相手に伝えたいからだろう。

流暢に話すとか、DJのように話す、といったテクニックにばかり気を取られ、「相手に伝えたい」という想いが疎かになってはいけない。

相手に伝えようとしていることに、話し手自身が心を動かされていること、心から「伝えたい」と願っていること。

それが何よりも大切なことなのだ。

 

 

結婚式で新郎新婦の親戚のおじさんなどが挨拶でマイクを持ち、感極まってほとんど言葉が出ないシーンを目にしたことがある方も多いだろう。

人前でほとんど話したこともない、田舎のおじさんの「おめでとう」の一言は、たとえ全然流暢ではなくても、多くの人の心を揺さぶり、感動させる力を持っている。

たとえ話が下手でもぶっきらぼうでも、そこに「伝えたい」という強い想いがあれば、聴き手の心を揺さぶることができるのだ。

 

 

 

まとめ

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伝えることは自己満足であってはいけない。

相手が正しく受け取ってくれて初めてコミュニケーションは成立する。

一方通行ではコミュニケーションとは言えないのである。

 

 

あなたが誰かに伝えたい想いがあるのに、話し方が下手なために十分に伝えることができていないなら。

是非この本を読んでみて欲しい。

また、ブログや出版など、文字でのコミュニケーションを目指している方にも、本書は非常に勉強になるだろう。

話し方と書き方には、共通する部分もたくさんあるからだ。

 

 

このブログ記事では、西任さんが紹介しているさまざまな心構えやテクニックのごくごく一部しか紹介できていない。

もしこのエントリーを読んで興味を持たれたなら、是非この本を読んでみていただきたい。

テクニックも素晴らしいが、それ以上に伝えることの大切さ、その本質を再認識できたことが大きい。

素晴らしい一冊。

オススメです!

 

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