書評

読書メモ「ツイッター時代の個人「発信」力 by 北野充

書評
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個人が情報を発信する時代が訪れてずいぶんたった。

このブログも個人による情報発信の一つの形だ。

ほんの15年前までは、情報発信はマスメディアの専売特許で、僕ら個人には「新聞に投稿する」とか「ラジオで好きな曲をリクエストする」程度の情報発信しかできなかったのが嘘のようだ。

どう考えてもあの時代には戻れない。


個人による情報発信の大きなうねりは、いくつかのステップを経て拡大し続けている。

第1段階はブログ、第2段階はTwitter、そして第3段階が現在進行形のFacebookやGoogle+だ。

複数の個人メディアがそれぞれ独自の役割を果たし、情報発信基地が完成するのだ。

 

 

この本「ツイッター時代の個人「発信」力」は、タイトルにはツイッターと書かれているが、ツイッターに特化した本ではない。

そして何とも面白いことに、この本は外務省アジア大洋州局審議官の方が書かれている。

 

 

ビジネスパーソンのためのツイッター時代の個人「発信」力北野 充 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2010-07-17
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この本では、個人が情報発信をしていくことの重要性や始めるときのコツ、さらにはどうやって発信する情報を充実させていくかなどに触れられているが、もしタイトルからこの本に興味を持ったなら注意が必要だ。

この本は、かなり抽象的で高次な「情報発信」についての著者の持論を述べている本で、具体的なTwitterなどのSNSの使いこなし術や、個人のパーソナル・ブランディングなどについて書いた本ではない。

 

 

察するに、この本は北野さんと同世代の、個人による情報発信が可能になった時点で既に30代後半以上の年齢になっていて、若い人たちほど個人情報発信がうまくできていない人たちに向けた概論なのではないかと考えた。

北野さん自身の体験談もかなりふんだんに盛り込んであるのだが、外務省の審議官なだけに「国際会議での情報発信」など、具体例として僕らに響きにくい部分もあり、ちょっとハードルが高く感じられる。

 

 

ただ、アメリカ人に較べて日本人の中高齢者の個人メディア活用は遅れているのは事実だと思うので、このような本が出ることによって、中高年の方達が積極的に情報発信に取り組み始めるのなら、それはとても好ましいことだろう。

しかしこのタイトルはトリッキーだと言わざるを得ない。この本では恐らくTwitterについて触れている箇所は5ページくらいしかないのではないかと思う。

「50歳からはじめる個人発信力」とか「外務官僚だって個人発信したい」とか、もうちょっとマッチしたタイトルにすれば、もっとニーズに響いたのではないだろうか。

 

 

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