寺島町奇譚 by 滝田ゆう

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滝田ゆうさん著「寺島町奇譚」という漫画本を読んだのでご紹介しよう。

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僕がこの本を手に入れたのは20年近く前のこと。

ちくま文庫版の奥付を見ると、僕が持っているのは1993年7月発行の第4刷で、Amazonの履歴によると購入したのは2002年である。

そして、ちくま文庫版によると、本作品は1968年から1972年にかけ連載されたものを昭和55年に2冊の単行本としたのが最初。

その後、1988年にちくま文庫版のとしてすべての作品が収められた。

著者の滝田ゆうさんは、子供の頃からテレビで馴染みがあり、滝田さんの著作もテレビで断片的に見る程度だった。

その後、僕は20〜30代前半の頃に東京下町の近代史、特に下町の町並や風俗史に興味を持った時期があった。

その時期に永井荷風の「墨東奇譚」なども読み漁り、その過程でこの「寺島町奇譚」の存在を知り、本を購入した。

長らく僕の本棚に収まっていて、何度か通読したが、おそらく10年以上読んでいなかっただろう。

今回久しぶりに手に取り、通読したのでブログでも紹介しよう。

太平洋戦争中の東京・玉の井を舞台とした家族を描いた作品

本作品のタイトルにある「寺島町」とは、今の東京都墨田区にかつてあった街の名前である。

今は東向島という町名になっているが、かつては「玉の井」と呼ばれる遊郭があった場所である。

遊郭といっても、吉原のような公娼街ではなく、私娼街であった。

「寺島町奇譚」は、寺島町で幼少期を過ごした著者滝田ゆうさんが、当時の玉の井の街と人々の様子を克明に描いた作品である。

時代は1940年代、太平洋戦争が激しさを増している時期となっている。

小学生だった滝田ゆうさんが主人公キヨシとして登場し、彼の家族や友達、そして玉の井の街の人たちや遊郭を訪れる客などを交えた、当時の下町の風俗が活き活きと描かれている。

キヨシの両親と姉は、玉の井でデンキブランなどを出すバーを自宅で経営している。

キヨシも店の手伝いをしたりお使いに出たりする関係で、バーにも顔を出しているし、玉の井の私娼街は彼の遊び場であった。

当時の玉の井の街は迷路のような細い路地が入り組んでおり、両側にびっしり銘酒屋(私娼窟)が並び、遊女が店の中から客引きをしていた。

そんな大人の街で育つキヨシは、街で様々な人間模様に遭遇していく。

太平洋戦争中ではあったが、下町の人々がたくましく、ある意味楽観的に生きる姿が等身大で描かれている。

また、玉の井の私娼街という、すでに消滅した文化についても詳細に描かれており、風俗史としても価値があるものだと感じる。

色街に忍び寄る戦争の影、そして最終回へ

本作品の時代設定は太平洋戦争の後期から末期である。

このちくま文庫版には、 一話完結の物語が19作収められている。

話が進むにつれ、彼らの暮らす東京下町にも、徐々に戦争の影が濃くなってくる。

赤狩りの刑事が店に飛び込んできたり、客が召集令状を持ってきたり、営業時間を短縮させられたり、店で出すつまみが配給の制限で少なくなったり。

不安の色が濃くなる中でも、多くの客が玉の井を訪れ続ける。

出征する兵士を、町の人々と共に、万歳をしながらキヨシは見送っていた。

そして最終回、ついにアメリカ軍のB29が東京下町一帯を焼き尽くした東京大空襲の時を迎える。

幸いキヨシの一家は全員無事であったが、自宅兼バーはすっかり焼けてしまう。

キヨシは家族から離れ、一人汽車で疎開に向かうところで物語は終わる。

実際、玉の井の私娼街があったエリアは空襲で全焼してしまい、再建されることはなかった。

戦後、玉の井の私娼街は場所を移し、戦災を免れたエリアで営業を再開したという。

街と家族、そして友達、そして飼っていたネコを一度に失い東京を離れるキヨシの寂しさが物語のフィナーレを切ないものにしている。

まとめ

本作品は、かつての東京下町の普通の人々の生活をリアルに描いている。

昭和20年前後の東京の暮らしを「懐かしい」と感じる人達も、すでに少なくなってきているだろう。

昭和44年生まれの僕が読んでも、戦時中の子供たちの遊びの中には、良く分からないものも描かれている。

例えば、ベーゴマやメンコは僕が子供の頃にもまだ遊び道具としてあったが、作品中で描かれているルールは良く分からない。

著者の滝田ゆうさんは、抜群の記憶力で子供の頃の情景や遊びの様子を描き切っている。

終戦から既に76年という時が経ち、当時の文化や風俗はどんどん遠いものになっている。

滝田ゆうさんが亡くなって、今年で31年という。

時代が移っても、これからも本作品は色褪せることなく、昭和の一時代の情景を後世に伝え続けて欲しい。

「寺島町奇譚」のチェックはこちらからどうぞ!!

寺島町奇譚

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