思うこと




1997年2月25日(火)(24日分)


Daddy's Car / The Cardigans


皆さんこんばんは。「思うこと」です。

無事一泊二日の秋田出張を終え、先ほど戻って参りました。

実は今回の出張の移動中に、日記に関してのある企画を考えていたのですが、何と驚くことに、車中殆ど仕事してるか眠ってるかで全然できませんでした。

え?、どんな企画かって?

ふふふふふふ。それは秘密です。次回チャンスがあればやりたいと思ってますので、それまでお楽しみに。

二日分の日記を今日あげようと思ってます。長くなりそうなのでファイルを二つに分割します。これは24日分。



Hey Lula / Yutaka Fukuoka


午後3時半過ぎの上越新幹線にごそごそと乗り込んだ。思ったよりも車中は込みあっていて、上野でさらに乗客を積み込んでほぼ満席の状態だった。

一応出張先との打ち合わせに使う資料に目を通したりノートを取ったりガサガサしているうちにあっと言う間に高崎を過ぎた。

そろそろいいかなっていう感じでまずは缶ビールを買い込んでごくごくと飲む。小さい缶を一本飲んだらあっと言う間に眠くなってしまってあっさりと眠る。

上越新幹線でいつも必ず眠くなるのは、トンネルの連続区間に入ったころと決まっている。僕は車中であまり本を読んだりしないで、景色をずっと見ていることが多い。しかし、上越新幹線は上毛高原を過ぎると一気にトンネルの連続になってしまうので、殆ど景色が見えなくなり、退屈した僕はぐーぐーと眠るしかないのだ。

越後湯沢の手前のトンネルの中でかろうじて目を覚まし、雪景色を見るために一生懸命起きていた。越後湯沢に停車しない列車だったので、見事な雪景色はあっという間にトンネルの闇に再び飲み込まれてしまった。今年は引っ越し貧乏で一度もスキーに行けないので、せめてスキー場の景色だけはしっかりと見ておこうと思ったのだけど、本当に数秒間の雪景色だった。ザンネン。

長岡で殆どの客が降りてしまってガラガラになったので、安心してスパスパ喫煙する。ちゃんと喫煙車両に座ってはいたんだけど、隣がキレイなお姉さんだったので遠慮していた。隣が一本でも吸ってくれるとこっちも気楽だったんだけど、一本も吸わなかったもんなあ。

そうそう、今回は往復全て喫煙車両だったんだけど、普段は余程の長距離移動にならないかぎり僕は禁煙車両に座る。あの狭い車両のそこら中でタバコを吸われると、カラダから髪の毛から服から全部ヤニ臭くなってたまらない。禁煙車両に座っていてどうしても吸いたくなったら喫煙車両のデッキまでトコトコ歩いていって吸うというのがいつものパターン。ただ今回は急遽日程変更になった出張だったので、総務の女性に座席の予約を頼んだので、気を利かせて喫煙車両にしてくれたらしい。

スパスパたばこを満喫しているとあっという間に新潟の街が見えてきた。もうすっかり日が暮れていた。雪も雨も降っていないが晴れてもいないような感じ。窓から見るかぎりでは、道路もほとんど濡れていないし、雪も残っていない感じ。

ふとねぎねぎさんと秘密の会合が開けたなあなどと考えたけど時すでに遅し。今日は珍しく携帯が全然鳴らないなあなどと思って鞄から出してみたらバッテリーが切れてオフになっていた。あちゃー。

列車が新潟駅に着いた。どやどやと降りると、やはり東京よりは大分寒いけれど、思ったほど寒くもない。カバンの中にマフラーを入れていたんだけど、出す必要もなさそうでまずは安心。

接続の特急「いなほ」の出発まで10分しかない。以前この特急に乗って、車内販売が全くなくてオナカが減って死にそうになったことがあるのでまずは駅弁とビールを確保。羽越線のホームで売っていた「越後弁当」というのを買った。あとエビスビール。最近はキオスクでもエビスビールを売ってるんだぁなどと感心しつつ携帯の留守電を確認する。あー、やっぱり4件も入ってるよ。メッセージを聞いて一応カイシャに電話。それほど切迫したものは何もないので何も指示しないまま電話を切り「いなほ」に乗り込む。

車内はガラガラ、指定席を予約する必要まるでなし。でも時々妙に混んでることあるから、念のためにとっておかないとね。

新発田を過ぎるともう周りは田園風景のはず。ただ周囲は真っ暗なので全然景色が見えない。都会に住んでいると夜というのは空が黒い時間であって、決して暗黒の闇に閉ざされることはない。しかし、今僕の乗っている特急は塗りこめたような黒の中を、闇を引き裂くようにして走っている。そうなんだよ。夜は暗い時間なんだよな。車内の蛍光灯が照らしだせる範囲なんてたかが知れている。線路脇に残雪の白さが微かに光っている。

村上を過ぎると「電源切換」の為に二度ほど車内の灯が消える。一瞬それまで夜の闇を邪魔していた列車が突然周囲の静寂に溶け込んだかのように夜景が浮かび上がって見える。ああ、ずっとこのままの方がどんなに気楽か。。。

そんなことを思っていると、漆黒の闇にぼーっと丸くて赤い月が見えてきた。都会では雲は白っぽく見えるけれども、地上の光りを乱反射していない雲は真っ黒だ。雲の切れ目から現れた丸い月が妙に赤くて不気味だった。

あつみ温泉。この辺りは日本海のすぐ脇を走っているはず。車内灯の光りに邪魔されないように顔を窓にぺったりとはりつけ、両手をフードのようにして車窓を見る。微かに白い波頭が見えるだけで、他にはまったく何も見えない。雪は積もっていないらしい。

ところどころに民家が偏西風をよけるために寄り添っているかのような小さな集落がかたまってある。殆どの家では雨戸を閉めているのか、門灯の他に灯は見えない。

鶴岡で殆どの客が降りてしまい、車両に残ったのは僕とぐーぐー寝ている疲れたオヤジのみ。

余目。陸羽西線に乗り換えると奥羽本線に出る。時間があれば山形から新庄周りで余目に出るほうが景色は良いし、ローカル線の旅を満喫できるのだが、こんな夜の旅ではどうにもならないし、何しろ陸羽西線の乗り継ぎが悪すぎる。

閑散とした車内で重油のことなんかをぼーっと考えているうちに終点の酒田に着いた。

駅前のタクシーの列を無視してトコトコといつものコンビニまで歩いていって、バーボンと氷を買った。いつものホテルは目の前なのだが今日は予約が満杯で取れなかったので、駅の反対側をずーーーっといったところにあるホテル。歩くと20分以上かかると脅されていたのでおとなしくタクシーに乗ろうと思ったらさっきあれほどいたタクシーの列が見事になくなっている。きゃー。

仕方がないので全然車の通らない駅のロータリーでしばらくタクシーを待つ。本当はちょっと裏に良く顔を出す場末のスナックがあるのでちょっと顔だけ出そうかなと思ったんだけど、体調と財布を心配して今日はパス。

ロータリーの隅っこには除雪された雪が1メートルぐらい残っている。道には全然雪がないので、とても先週末に大雪が降ったとは想像できない。月が随分と高く昇っていた。駅の反対側に出ればきっと月明かりで鳥海山がみえるだろーなー、などと想像しているとタクシーがやってきた。

どんどん乗り込んで行き先を告げる。てっきりワンメーターで行くと思っていたら890円もかかった。うー、これは歩いたら大変かも知れない。

ホテルは思ったよりもキレイでびっくりした。前に新潟に一泊したときは、ソープ街の真中にあるうらびれたホテルでいかにも怪しい雰囲気だったので今回もそんなものを期待(!?)していたので少々調子外れ。

チェックインを済ませて部屋に入る。部屋もいつも泊るホテルよりも遥かにキレイでしかも広い。

喫煙車両に乗ったせいで、やはりカラダ中が猛烈にタバコ臭い。上着とスーツを掛けてからまずは風呂にお湯を入れ、風呂に入る。 狭いユニットだからカラダがはみ出しそうになる。うーんうーん。いつも思うんだけど、ホテルの風呂には何故使い捨てのボディ・スポンジがないんだろう。ラブホテルには必ずあるんだから、ビジネスホテルにもあってもいいと思う。備え付けの石鹸をタオルで泡立ててカラダを洗っても全然洗った気がしないのは僕だけだろうか。

何はともあれ適当にサッパリして、部屋の電気を暗くしてカーテンを開ける。貧弱な街の灯が何とも言えない。買ってきたバーボンを飲みながらしばらくあれこれ妄想に耽る。

ぼーっとしていたらあっという間に眠くなってきたのでニナに電話してあれこれ話す。一泊二日だからノスタルジアにはまる要素もなくおやすみーっと言って電話を切り、部屋を暗くする。

空調を切っていても部屋が暑い。北国のホテルは共通して部屋の中が暑い。しばらくジタバタあばれているうちに眠ってしまったらしい。

普段家にいたら絶対眠らないような早い時間に寝てしまった。なんて健康的なんだろう。







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