真夏の夜に 思うこと Summer Edition

最終回




1996年8月31日(土)

Here Comes the Rain Again / Eurythmics

Foggy Rain, 霧雨




夏の終わりを告げるかのように、街を霧雨が包んでいた。





交差点に立つ




午前1時




行き交う車のライトが乱反射して、視界を遮られる




横断歩道を渡れば、そこには328の赤い矢印が灯っているだろう、あの夜のように




浮遊する水分が体中に付着する




髪の毛に、重みを感じる







恐れも、後悔も、懐かしさも










霧雨の中に




溶けていく夜





二本目のタバコに火を付けたとき





残像が、現実となり


重なる







重なりあったまま




夏が




溶けてゆく







Calling You / Jevetta Steele

Prrrrrr....Prrrrrrr




もしもし




・・・・・・・




もしもし?




みねこです




みねちゃん?




・・・・うん




久しぶりじゃん、どうしたの?







・・・・・・




もしもし?




あのね、




うん







わたし、

ずっとたけちゃんのこと、

考えてた







忘れられなくて




ずっと







考えてた







Summertime / Janis Joplin




The End of Summer that I will Remember




今日の東京は寒かった

今年の夏は短く、儚いものだったが、あまりにも充実し、熱い日々だった

熱に浮かされた日々が過去のものになり、人々は冬支度を始める

未熟なまま生まれたたくさんの思いが、徐々に冷却され、分類されていく

何よりも大切なものへと結実していくもの、真夏の夜の夢として、記憶の中に 埋もれていくもの、儚さのあまり、記憶にも残らないもの、真夏の夜の魔法がとけて、 白日の下にさらされた現実に、思わず目を逸らすようなもの




まだ自分の中で整理がついていないようです

無分別な行動の後には、内省と自閉の日々がやってくる

僕にとっては、ごく当たり前の周期でしょう

夢を見る季節はどうやら終わってしまったようです

甘い夢も、悪夢も




Summer Editionもそろそろ店じまいです

夏祭りの終わった後、露店の片付けをしているような気分です







素敵なNatsuを、ありがとう










The End of Summer that I will Remember




love







Takeshi Tachibana
























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