Opinionに関するエントリー

以前から何度か書いているが、僕はこの7年ほどの間、メインカードはアメックスを使っていた。日常の買い物から光熱費の引き落とし、iPhone料金まで、とにかく可能なものは全てアメックスに集約させ、ポイントを集めてきた。

だが、数ヶ月前に楽天カードの存在を知り、そのポイント獲得の優位性、貯めたポイントの活用法の幅広さなどの圧倒的な素晴らしさを目の当たりにして、メインカードをアメックスから楽天カードに切り替えることにした。

わざわざ「メイン」カードと書いているからには、当然「サブ」カードも存在するわけで、僕の場合、今年からサブカードはANA Suica VISAカードを使っている。これはSuicaとして使えて、しかもポイントがANAマイレージクラブと三井住友の両方に着くというお得カードで、そのうえANAも三井住友もポイントを楽天ポイントに移行できるので問題ないのだが、問題はメインから格下げになったアメックスである。

アメックスカードは年会費が高い。僕が使っていた通常の緑色のカードでも年会費が12,600円にポイントを無期限にするオプション料金が3,150円で、年間15,750円もの会費がかかってしまう。これではサブカードとして持っていることはとてもできない。

というわけで、今日アメックスに電話をかけて、カードを解約してもらうことにしたのだが、そこで電話口の担当者が、びっくりするような提案をしてきたのだ。

サポート担当者に解約したい旨伝えると、電話口の男性担当者から、別の女性担当者に電話を回された。女性担当者に改めて解約したい旨告げると、理由を訊かれたので、年会費が高く、ポイント維持にも費用がかかる割に、ポイントの活用方法が限定されており、他社のカードに比べて見劣りする旨告げた。

他社とはどこのカードかと訊かれたので、楽天カードである旨回答した。ここで、僕の情報を確認するため保留させて欲しい旨担当者から告げられ、しばらく待たされた。

そして、電話口に戻ってきた担当者が僕に告げたのは、以下の内容。「何とかカードの解約を思いとどまって欲しい。もし思いとどまってくれるなら、今後あなただけに、ポイントを2倍付与します」。

 

 

なんなんだ、それは。

 

 

正直言って、この提案を聞いて、心底アメックスが嫌になった。僕は今まで7年間ずっとメインカードとして相当額を使ってきたが、一度たりともそのような提案を受けたことがなかった。

海外旅行に行ったり、大きな額の買い物をしたこともあれば、光熱費等の定期的な引き落としも全部アメックスに集約してきたのに、使っている際には一切ユーザーにとって嬉しい提案をしなかったくせに、こちらが解約だと言った途端に急にポイントが倍になるなんて、そんなバカな話はない。

それに、楽天カードなら、楽天での買い物を楽天カードで決済した時点でポイントは倍になるし、さらに週末の感謝デーのポイント倍キャンペーンやイーグルスやヴィッセル勝利のキャンペーン、さらにポイント10倍キャンペーンなどもあるうえに、楽天が取り扱っている原則全ての商品をポイントで交換できる。一方でアメックスではANAやJALなどのマイルやPriority Clubなどのホテルチェーン、それにちょっとしたギフト商品程度としか交換できず、ポイントが2倍になったからと言って、アメックスをメインにするメリットは感じられない。

アメックスだと貯まったポイントをANAマイルに移行するのでさえ、毎年5,000円もの費用がかかってしまう。楽天カードなら、楽天トラベルで取り扱っているチケットやパック旅行なら何でも選べるし、ポイント交換に3,000円だ5,000円だという金額を追加徴収されることもない。

執拗に食い下がる担当者に上記のような僕の考えを伝え、とにかく解約処理を進めて欲しい旨告げたところ、それでもまだ、「私どもで何かお手伝いできることはないでしょうか」と言われた。通話を始めて既に20分以上が経過していた。

なので僕は、「これ以上の押し問答を止めて、解約処理を速やかに進めてもらうことが、僕にとって最も利益になることです」と告げた。これでようやく女性担当者も諦めたらしく、処理を進めてくれた。

というわけで、解約にあたってびっくりするような提案をされてしまい、腹が立つやら呆れるやら。僕は断ってしまったが、どうやら世の中には、解約を申し入れた結果、自分だけポイントが2倍になっているアメックス会員が大量発生している可能性がある。

どうせ引き止めるなら、もうちょっと透明性のある方法で引き止めて欲しかった。解約引き止めを理由に同じ年会費を払っている会員の、一部だけがポイントで優遇されるなどという取引方法は、明らかに間違っていると思うし、するべきではない。

とにもかくにも、これで無事アメックスの解約が完了。アマゾンとアメックス、アメリカ資本の二つの"A"を僕の生活から駆逐した。3つ目の"A"は、まさかApple?いえいえそれはないと断言できる。今のところ僕の知る限り、Apple製品に取って代わるものはない。

年会費12,600円、トラベラーズ特典3,150円、ANAマイレージ移行手数料5,250円。つまり合計21,000円がアメックスでは必要だった。楽天カードなら全てが無料である上に、ポイント特典は楽天での取り扱い商品原則全て。しかもポイントはカードを使っている限り無期限。

ならば作ろう楽天カード。日本企業を応援して、日本(僕たち)のお金がずるずるアメリカに流出するのを食い止めよう。楽天カードの新規作成はこちらからどうぞ。

 

SMAPの草彅剛が泥酔して赤坂の桧町公園で全裸で騒ぎ「公然わいせつ罪」で現行犯逮捕されたというニュース。

テレビはまったく見ていないのでネットと新聞記事で知った限りなのだが、何だかどうも草彅君が気の毒な気がする。

確かに酔って裸になったのは褒められたことではないのだが、桧町公園は午後11時以降は一般の立入が禁止されているそうで、するとそこは「公衆の場所」なのか?というのはどうも疑問。公然わいせつ罪が当てはまるのかねえ。

酔って騒いで迷惑防止条例違反とか、静止しようとした警察官に反抗したため公務執行妨害とかならまだ分かる。でも、それも泥酔者が一人で騒いでいただけで、いわゆる「トラ」をしょっぴいて「トラ箱」で一晩寝かせておいて、翌日説教して放免、程度のことなんではないか。

それに拘留中に草彅君の自宅を警察が家宅捜索したという。酔っぱらって騒いで捕まった人間の家が家宅捜索されるなんて聞いたことがないが、これって最近多い大麻や麻薬所持や使用を探ったということなのだろうか。

もう一つ気になるのが、この程度のことで、拘留中に情報がマスコミに出て、大々的に報じられたことにも違和感を感じる。近所で騒々しかった方々には気の毒だとは思うが、騒いでいると言ったって一人だけのことだ、一人の人間が騒いでいた程度のことで現行犯逮捕してしまう警察も狭量な気がするし、それをマスコミに公表してしまうってのも何とも幼稚なんじゃないかなあ。

鳩山邦夫総務大臣は、草彅君のことを「最低の人間だ。絶対許せない」とコメントしたそうだが、このコメントも如何なものか。草彅君がやったことは褒められることではないし、強く言うなら「最低のことをやった」ぐらいに言われても仕方がないだろう。

だが、彼のことを「最低の人間」とまで言う権利が鳩山大臣にはあるのかね。死刑執行の命令書にサインした大臣は、酔ってストレスを発散した時に暴走した、弱い面を持つ人間を「最低の人間」とまで言うのかね。「絶対に許せない」とまで言うあんたは、どれほど清く正しく美しく生きているのかね。

僕自身もかつては大酒飲みであったから、酒飲みに甘い意見なのかもしれないが、それでもやはり今回のマスコミの騒ぎ方はちょっと異常なんじゃないかと感じてしまう。ネットに圧されて広告収入が入らなくなり赤字になっているテレビ局や週刊誌は、刺激的でうわっと話題が集まるニュースを必要以上に過剰に扱う傾向が顕著で、鼻につくし嫌らしい。

だが、マスコミ関係者は、そのように本来のニュース価値以上に無闇にセンセーショナルな記事を垂れ流すことが、ますます自分自身のニュースソースとしての価値を下げてしまっていることに、どうやらまだ気付いていないようで、これまた痛々しいというか気の毒というか。

いずれにしても、僕らブロガーを含め、国民はネットで個人の意見を堂々と表明できる時代なのだから、マスコミのあまりにおかしな報道には、きちんと異を唱えていく必要があると、改めて感じさせられるニュースであった。

草彅君にはこれにめげずにこれからも頑張ってもらいたい。

 

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堀内さんがブログで村上春樹のエルサレム賞受賞スピーチとその後の文藝春秋掲載のインタビューについての意見を書かれていて、これは何か書かねば(笑)と思い、書いてみる。

当たり前のことだが、堀内さんにケンカを売るとかではなく(売るわけもないが)、村上春樹の愛読者として感じたことをできるだけ率直に書いてみようという試みである。ちなみに僕が過去に書いたエルサレム賞受賞スピーチに関するエントリーはこちら。そして文藝春秋のインタビュー記事に関するエントリーはこちら

 

 

 

 

他の方がどう感じているかは分からないが、僕は村上春樹という作家は非常に個人的なスタンスで文章を書く人だと思っている。同じ世代の村上龍と較べると分かり易いと思うのだが(というか極端なのだが)、村上龍はシステムの側から俯瞰して物事を捉えて人物を描いていくのに対し、村上春樹は常に個の視点で物事を捉え、そこからマクロな側へと展開して物語を作っていく作家だと考えている。

がんがんテレビにも出て財界人との対談をこなし、金融小説や仮想戦争小説などを書く村上龍に対し、村上春樹はあくまでも「僕」が傷ついたり離婚したり恋をしたり人生を賭けて冒険に旅立ったりする物語を書き、政治や経済に対する自分のスタンスを表明して人々を導こうと試みたりしない。それが僕の中での村上春樹像である。

授賞式に出ずとも賞は貰えるため、過去には賞は受けたが授賞式に出席しなかった作家もおり、もちろん辞退した受賞者の例もあり、また、既にフランツ・カフカ賞を受賞してノーベル文学賞候補になっている村上春樹からすれば、エルサレム賞自体は彼のポジションを大きく飛躍させる格を持つ賞ではない中で、政治的発言を避け、メディアにも露出しなかった彼が今回のスピーチを受託したことには大きな意義があると思う。

「もらわなくても構わないエルサレム賞を受け、行かなくても構わないエルサレムに出向き、しなくても構わないスピーチをして、敢えて波風を立てなくても構わない授賞式でわざわざ政治的に突っ込んだ発言をした」、これが今回の一連の彼の行動だと思っている。

彼が好むと好まざるとに関わらず、彼の発言には大きな力がある。彼がスピーチをしなければ、エルサレム賞受賞はここまで大きなニュースにならなかっただろうし、多くの日本人はこの賞の存在すら知ることはなかったのではないだろうか。

面倒な人間関係を嫌って隠遁する村上春樹が何故わざわざこのような行動を起こしたのか。それは彼自身が己の発言力を知ったうえでの文学者としての戦争批判であり、それはイスラエルという個別の国に対して行われるものではなく、現在進行形で強靭なシステムが個を蹂躙する力を公使している国と関わることになった彼が、超売れっ子作家という希有な立場で出来る精一杯の抗議のための表現だと僕は捉えている。

昨年末から始まったガザ地区への攻撃のために、受賞が伝えられた後、日本国内では村上春樹に対する「辞退を」という抗議行動が起こっていた。一方で、現地の日本人の方のブログなどによると、あのスピーチと文藝春秋のインタビュー記事掲載後、イスラエルでは村上春樹を「反イスラエル的」ということで批判する意見が強くなっているそうだ。

政治活動やメディアのご意見番的な活動を一切しない村上春樹にとって、この行動とその結果もたらされた反響はデメリットにはなってもメリットにはならないのではないかと思うのだが、そんな中で何が彼を動かしたか。それは、彼が文藝春秋のインタビューの末尾に書いている、彼が同世代の日本人としての集団的責任を担おうという試みなのではないかと思っている。

彼の世代は安保闘争やベトナム反戦の学生運動において中核を担いつつも、参加者の多くは国家権力との戦いに敗れた後に髪を切りスーツを纏い、次々と企業戦士へと変貌し、猛烈に働いて日本経済の繁栄に貢献し、その結果バブル経済をもたらし、さらにそれを破裂させ、失われた10年へと時代を導いてしまった。そして彼等は今定年退職の時期を迎え、経済活動の第一線を退こうとしている。日本を導いてきた世代の一人として、彼がいま出来ることを考えて起こした行動が、あの受賞スピーチとその後のインタビューだったのではないだろうかと僕は思っている。

エルサレム賞は、その正式名称を「社会の中の個人の自由のためのエルサレム賞」(Jerusalem Prize for the Freedom of the Individual in Society)という。この賞の冠が受賞者に問いかけるものの重さを、村上春樹はスピーチで説明しようとしたのだと僕は思っており、そしてそれは十分意義のある試みであったと僕は思っている。

 

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