書評

チャレンジせよ!生き抜け! 書評「40代を後悔しない50のリスト」 by 大塚寿

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このブログの読者の皆さんの平均年齢は何歳ぐらいなのだろう?

僕の頭にパッと浮かぶ方を考えると、70歳から16歳くらいの方を思い付く。だがそれはもちろん僕がリアルに、またはネットで知っている人を思い付いただけで、ROMされている方のことはこちらからは分からない。

僕はいま41歳だ。

39歳と40歳で何かが大きく違うか、と尋ねられたら、「やっぱりかなり違う」と答えるだろう。

昨日と今日は繋がっていて、去年と同じように冬が終わり春がやってきても、僕の中で進む時計は後戻りすることがないのだ。

40代は30代とどう違うのか。言葉で説明するのは難しい。その難しいことを難なくしてしまったのが今日紹介する「40代を後悔しない50のリスト」である。ダイヤモンド社の市川様よりご献本いただきました。ありがとうございました。

 

40代を後悔しない50のリスト 1万人の失敗談からわかった人生の法則

大塚 寿 ダイヤモンド社 2011-02-18
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by ヨメレバ

 

 

多くのリタイア世代が一番後悔しているのは40代の過ごし方だったという。公私ともに先達の話を聞くことが好きと公言する著者が、1万人以上の話を聞いて出した結論である。

何故彼らは40代の生き方を一番後悔しているのか。

本書では、50の「後悔リスト」をずらりと並べるという重苦しく暗い手法を敢えて採ることで、反面教師として、今の30代〜40代の人々に、悔いのない40代を過ごすよう諭す本である。

著者がリクルートに勤めるサラリーマンということもあってか、対象読者はある程度の規模の企業に勤める中間管理職といったところだろう。

50の後悔は、6つの章に分けられ、「この10年で何より大切にしたいこと(ができなかった)」、「プレイングマネジャーとして本当に必要なこと(ができなかった)」、「年相応に学ぶべきこと(ができなかった)」という後悔の括りが作られている。

そしてさらに、各章に「自分自身を振り返る時間を持つべきだった」「会社以外の居場所を見つけておくべきだった」いいった項目に細分化される。

これだけを書くと、「どれだけ暗い本だ」ということになるが、実はそうではない。あくまでも先達の後悔から学び、僕らはもっと光り輝く40代を送ろうというのが本書のコンセプトなのだ。

従って、それぞれの後悔リストには、そこから学び著者が導いた「こうするべき」リストが添えられ、本文も「こうなるべき」に従って展開していく。

例えば先ほどの「自分自身を振り返る時間を持つべきだった」という後悔に対しては、「通勤電車の中はフィードバック時間にあてる」という「こうするべき」が添えられ、「会社以外の居場所を見つけておくべきだった」に対しては「自分の存在価値を実感できる仕事以外の活動に意識的に参加する」という指導が入っている。

50のリストを読み終えて改めて感じるのは、40代は放っておくと、どんどん守りに入ってしまう世代なのだということ。

親世代が徐々に年老いてきて、出世レースも大体の結果が見え、子供は高校から大学へと進み、子育て終了に伴い再び夫婦がお互いを見つめ直す。

本書が一環してメッセージとして訴えかけているのは、「守るな、攻めろ」ということだ。敢えて強い言葉で言えば、「生き抜け!」というだ。仕事にしても家庭にしても、守りに入ると状況に流され、不本意な場所へと連れていかれてしまう。そして40代を不本意に生きてしまうと、50代60代でその場所から本来自分がいるべき場所に戻ってくることは、非常に難しくなってしまうのだ。

そんな40代だからこそ、自らの意志をしっかりと持ち、前に進み突破するというパワーが必要だ。

身体が衰えるような年齢ではない。心が年老いてしまうのだ。

あちこちからかかるプレッシャー。直視せざるを得ない厳しい現実。忘れかけた夢。潤いをなくした家庭。

40代を流されて生きてしまえば、50歳を過ぎたとき、きっとあなたも40代を後悔する人のリストに名を連ねることになるだろう。

そうなりたくない人。40代を攻撃的に生きたい人にとっては、本書がヒントになるかもしれない。

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