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2011年、一度死んだブログが革命を起こす! 書評「ソーシャルメディア革命」by 立入勝義

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2011年ソーシャル革命起こる

 

 

僕がブログを始めたのは1996年3月20日だ。

当時はブログという言葉もWordpressやMovable TypeのようなCMSもない時代。

だから僕らはテキストファイルにHTMLタグを手打ちして記事を書き、FTPソフトを使ってファイルを一つ一つアップロードしていた。

あれからまもなく15年。2011年はブログにとって、まさに革命のような大きな変化が起こる年になろうとしている。

ブログとTwitter仲間で毎回素晴らしいエントリーを輩出し続ける、わかったブログのかん吉さんが紹介してくれた「ソーシャルメディア革命」という本がある。

 

ソーシャルメディア革命

立入 勝義 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2011-01-21
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この本を読んで、僕の中にあった予感や予測が確信へと変わった。

つい先日「ソーシャルメディア維新」という本を読んだばかりだが、「維新」から「革命」への飛躍である。

まさに今年2011年、僕らは革命の旗手になるのかもしれない。可能性は十分にある。

 

 

チュニジアとエジプトで起こったこと

 

 

まさについ先日、エジプトで大きな政権交代が起こった。これはまさに無血革命とも呼ばれるレベルの出来事で、30年近く独裁政権を維持した大統領が辞職し、民主的政権が発足する見込みとなった。

当初隣国チュニジアで起こった民主化の波は、アルジェリアやエジプトに瞬く間に伝播した。

この無血革命の陰の主役はTwitterやFacebookといったソーシャルネットワークだと言われている。

警官の違法な振る舞いに怒る若者の発言がFacebookやTwitterで瞬く間に人々の間で共有され、大きな反政府への波となったのだ。

10年前までは考えられなかった、光の速度による情報の伝播が、まさにソーシャルメディア革命の時代の本格的到来を思い起こさせる。

 

革命の旗手はブログだ!

 

 

そんな中、ソーシャルメディア先進国アメリカでもっとも注目されているメディアは「ブログ」である。

え?TwitterやFacebookではなくてブログ?今更?

そう思う方も多いだろう。だが、FacebookやTwitterというのは、ソーシャルメディアのツールの一つにすぎない。

2011年型ブログはこれらソーシャルメディア・ツールを巧みに使いこなし、その中心に自らのブログを位置させる、セルフ・ブランディングによって完成形となるのだ。

 

 

年収5,000万のプロ・ブロガー続出

 

 

アメリカには、既に年収5,000万円以上を稼ぐような個人のプロ・ブロガーが多数登場し、日々ボトムアップの形で情報を発信し続けている。

彼らはTwitter、Facebook、YouTubeなど複数のツールを自分のブログの露出と読者とのコミュニケーション手段として活用しているのだ。

少し前に日本で「ブログは終わった。これからはTwitterの時代」という論調が流行していたが、これからのブログの概念はTwitterやFacebookと対立するものではなく、相互に補完するものとなる。

ブログを更新したら、更新情報がTwitterに流れ、人々はTwitterからリンクを踏んでブログに辿り着く。

そして読後の感想をFacebookのFacebookページ(旧ファンページ)に書き込み、ブログ著者をはじめ他の読者と議論したり交流したりする。

FacebookとTwitterが持つ、性質の異なる伝播力、Twitterの韋駄天のごとく即効性のある拡散と、Facebookの深堀していくじわじわと確実な伝染力、が、ブログの発信力を大きく高め、そして読者と発信者を強く結びつけていくのだ。

 

 

日本はソーシャル・ガラパゴスになるのか?

 

 

本書はアメリカ在住の日本人としての著者の立場から、英語を苦手とする日本人による「ソーシャルのガラパゴス化」に対する危惧を強く指摘している。

多くの情報が英語で飛び交うなか、英語を理解できない日本人は、高速で行き交う最新情報からおいていかれてしまう、というものだ。

確かに英語の情報に触れられないというのは大きな痛手だとは思う。

だが、それは決して致命傷ではない。どれだけの人数のエジプト人が英語を流ちょうに話すというのか。それは二次的な問題ではあっても、クリティカルな事項ではない。

だが、英語を苦手とする僕らに必要なことは、ソーシャルな大きなうねりが革命の如く押し寄せてきているという事実を、しっかり把握することだ。

ソーシャルの時代は、自ら一歩を踏み出してコミュニケーションの海に身を投じないことには何事も始まらないのだ。

英語が分からないからと、呆然としていれば、大きな津波てさえも、目の前を素通りしていってしまうのだ。

 

 

まとめ

 

 

2011年、ソーシャルメディア革命の年。

後年、日本の歴史にはそのように刻まれるであろう。そして僕らはその時代を生きた「ソーシャル・ブロガー」として、ネットの海に永遠にその名を残すのだ。

かん吉さんのブログの結びの言葉を繰り返させてもらおう。

やるなら今しかない!

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