マーケティング・ブランディング書評

なぜか「また行きたくなる」飲食店のつくり方 by 大久保一彦 〜 飲食店はWebマーケティングにとても近い!! [書評]

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ブックレビュー2010年の118冊目は、大久保一彦氏著、「なぜか「また行きたくなる」飲食店のつくり方」を読了。

Twitter仲間でありわかったブログヨメレバカエレバなどの作者さまでもある @kankichi さんがブログで本書を薦めていたので早速読んでみた。

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なぜか「また行きたくなる」飲食店のつくり方 by 大久保一彦 〜 飲食店はWebマーケティングにとても近い!! [書評]

言っておくが僕は現在飲食店を経営しているわけではないし、近い将来するつもりもない。

では何故この本を読んだかというと、飲食店の経営はブログやTwitterなどを通じたWebにおけるマーケティング活動にとても近いと以前から感じていたからだ。

著者大久保一彦氏は、とんかつ新宿さぼてんの多店舗化に成功した後独立し、数多くの業績不振飲食店を再生してきた名コンサルタントで、著書も多い。

本書を読んで、改めて飲食業界とWebの世界というのは類似点が多いと感じた。僕が感じたのは以下の3点。

  • 大企業も個人も同じ土俵で戦うことができる
  • 来場者による評判がその店・Webの評価を大きく左右し、その評価により生死が決まることも多い
  • やりたいと思う人は多いが、成功するのは難しい

さて、僕は個人でブログを書きTwitterを活用する人間としての立場なので、以降はその立場を踏まえ、本書についての感想を書いてみよう。

飲食店を開店して続けていくには、幾つもの関門があるという。

まずは開店してからお客が入り繁盛するようになるまで耐えること。

これはブログに置き換えて考えるれば簡単で、ブログを開設したら、誰かが定期的に読みにきてくれるまで書き続けること、と言い換えられるだろう。

この点に関しては本書第一章の「売れるまでのステップ」がまさに当てはまる。

多くの飲食店は開店後、十分な数のお客さんに来店してもらうことができず、数ヶ月で消えていくという。

ブログもまったく同じで、新たに開設されたブログのほとんどは、1回または数回しか更新されず、アクセスする人もいないまま消えていく。

その第一関門を突破するのが、「売れるまでのステップ」だ。

「目的を決める」「脚本を書く」「脚本の肉付けをする」「演出」「演出のテクニック」を踏んでいくことで、多くの人がアクセスするブログを作ることができるだろう。

なかでも「目的を決める」ことが本当に大切。

ここが決まらずにスタートしてはまずダメなのは、ブログも飲食店もまったく同じである。

とんかつ屋なのかフランス料理なのか、価格帯はどうするのか、ウリは何なのか。

じっくり考えてからスタートしたい。

そして次の関門は売れた瞬間からスタートする。

売れ続けること。

お客様に愛され続ける店になること。

これが最初の難関よりもさらに難しい。

あなたのブログや飲食店がヒットしたら、必ず模倣する人が現われ、客足を奪われるだろう。

そんな時にいかに継続的に集客をするか、そしてどうやってさらなる発展を目指していくかが重要になる。

通行人にいかに「とりあえず」入ってもらえる雰囲気を作るか。

どうやって口コミを呼ぶ仕組みを作るか。

どうやって初回のお客さんをリピーターに変えていくか。

それらの秘訣は飲食店もブログも変わらないのだ。

そして、本書の最終章は「商売は長く続けて文化となって節目を迎える」というテーマで、これがまたブログとまったく同じだと膝を打つ。

「塩分はその人の文化だ」や「40歳を過ぎたら人間味を磨け」など、長く続いたお店が持つ独特の風格や哲学を、簡潔な言葉で伝授してくれるのだが、これらはそのまま僕らのブログに当てはめることができる。

塩味はまさにブログにおける刺激で、日々辛辣なことばかり書き続ければ、確かに瞬時のアクセスは稼げるかもしれないが、長く愛されるサイトにはなりにくいだろう。

一方であまりにぼんやりした内容で、毒にも薬にもならないコンテンツでは、読者は物足りないと感じるだろう。

塩辛過ぎず、かといって物足りなくもない、良い案配の塩加減が、ブログにも必要だろう。

そして40過ぎたらの部分は、まさに僕のことを指しているわけで、今年41歳になった僕としては、人間味を磨き読者の皆さんから末長く読んでいただける魅力を備えていかなければならない。

とにかく、長く続けて文化になる、これは絶対だと感じる。

このブログも1996年スタートで、来年3月で15周年を迎える。

このブログ自体はまだまだ「文化」にはほど遠いが、いつかはNo Second Lifeが一つの文化と呼ばれるようになりたいと、つくづく感じた。

自身のブログやWebサイトを磨きたい人は、是非読んでみて欲しい。

勉強になる本だった。

「なぜか「また行きたくなる」飲食店のつくり方 」のチェックはこちらから!!

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