「本棚」の役割の変化 〜「情報革命」による「蔵書」価値の暴落について

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「本棚」の役割の変化 〜「情報革命」による「蔵書」価値の暴落について

作家として、そして書評を書くブロガーとして、本を読む機会は一般の人よりも多いと思う。

本にまみれた生活を送っていると、蔵書の数も多くなり、それに伴って本棚も多くなる。

昨年の引っ越しのときに本棚を増強したのだが、あっという間にいっぱいになってしまった。

だが、最近思うところがあり、もうこれ以上本棚は増やさない、つまり本を増やさないことに決めた。

時代が変化して、自宅に本を置くことの価値が、変化してきているように思うのだ。

思うところを書いてみよう。

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「本棚」の役割の変化 〜「情報革命」による「蔵書」価値の暴落について

「百科事典」が一般家庭から消えた理由

僕らが子供のころ、多くの家庭に「百科事典」があった。

残念ながら僕の家にはなかったのだが、百科事典がある家がとても羨ましかった。

従姉妹の家に百科事典があったので、遊びに行くと、いつも百科事典を眺めていた。

あの頃は百科事典が家にあるということは、ステータスシンボルだったのだ。

「情報は貴重なもの」という時代、何か調べものをするときに、百科事典が必要だと我々は信じていた。

だからこそ、何十万円もする百科事典を、わざわざローンを組んでまでして、人々は購入したのだ。

でも、2016年のいま、新規で百科事典を買っている人というのを、ほとんど見ることはない。

昔のものをそのまま置いている家はまだあるかもしれないが、一般家庭から百科事典は消えたのだ。

なぜか。

それは、「情報革命」により、情報の価値が大暴落したからだ。

いま、僕たちは調べものをするときに、わざわざ百科事典などを開く必要はない。

Googleの検索窓に調べたいことを入れれば、瞬時に答えが分かるようになっている。

そしてそれらの情報は、すべて無料で見ることができるのだ。

インターネット上の百科事典、Wikipediaには、膨大な情報が無料で掲載されている。

何十万円もした百科事典が、無料のWikipediaに取って代わられたのだ。

昔はずらっと百科事典を並べて、家に情報があることを誇示することが、ステータスシンボルだった。

でも、今は、情報は「世界中に有り余り、溢れ、ノイズにさえなっている」ぐらい、情報革命によって大転換が起きた。

百科事典をはじめとする「情報」を並べる場所、「本棚」の役割も、この大転換によって、大きく存在意義が変化しつつあると感じる。

必要な本は「当日」配達される

僕はいま、Amazonのプライム会員になっている。

プライム会員になっていると、Amazonで販売されている本は、在庫があれば、当日または翌日に配達される。

もし読みたい本があったとして、手許にその本がなくても、Amazonに注文すれば、あっという間に手許に届くようになった。

ネット書店がこのように隆盛となる前、20世紀においては、本というのは本屋さんで買うものだった。

本屋さんには当然建物の限界があり、棚に置ける本にも限りがあった。

一度買った本にはもう二度と出会えないかもしれない。

そう思えばこそ、買って読んだ本をずらっと一覧できるように並べておく意義があったように思う。

だが、21世紀のいま、本が「家の中にあるかどうか」は、以前ほど重要ではなくなりつつあるように思う。

家になければ注文すれば届く。

ならば、家という、専有面積に限界があり、家賃やローンなどの支払い対象となっている場所に、わざわざ本を置いておく必要があるだろうか?

そんなことを感じるようになってきた。

「情報価値」だけなら電子書籍で十分

僕は電子書籍があまり好きではなく、本は紙で読みたい派だ。

だから、購入する本に電子書籍版があっても、原則紙で買って読んでいる。

でも、正直一度読んだ本で、5回も6回も読み返している本というのは、蔵書のうちの5%もないのではと感じる。

ならば、残りの95%の本は、ただ並べるために並べてある、という状態になる。

コレクター的な満足感はある。

あと、僕は作家なので、本を書くときに資料として使うものも、なくはない。

ただ、資料として使う「情報価値」だけを追求するなら、電子書籍で十分ではないかと思っている。

電子書籍の方がかさばらないし、検索もできる。

むしろ、紙の本の方が取り扱いがしにくいくらいなのだ。

2016年の結論:「1年以内に読み返す可能性が低い本から順番に押し出して処分していく」

僕の家からは、国会図書館まで、自転車で10分もかからない。

国会図書館には、原則日本で出版されたすべての本が納められている。

そう、10分でいける場所に日本のすべての本があるのに、わざわざ家賃を払って高いお金を払っている部屋の中に、読み返さない本を並べておく価値ってあるのだろうか。

そのことを考えたとき、僕は、自分の部屋の本棚を、これからどうしたいのか、なんとなく方向性が定まった。

原則、今以上に本は増やさない、というか、緩やかに減らしていく方向で考える。

新しい本を買ったら、買った冊数と同じか、それ以上の本を処分する。

処分のルールは以下のとおりだ。

読み終わっている本は、一年以内に読み返す可能性が低いと感じる本から順に、押し出していく。

未読本の中にもご献本いただいたものの、興味の対象から外れるものなどもあるので、未読本も、1年以内に読む確率が低そうなものから順に、押し出していく。

押し出された本は手放していき、徐々に本棚を軽くしていく。

読みたい本、置いておきたい本は、時代、年齢、経験により変化する。

そのときに置いておきたい本を置き、不要と感じたら処分していく。

もし、処分した本を再び読みたいときには、買い直してもいいし、以下の方法でアクセスしてもいいと思っている。

「本の貯蔵スペースは『家』ではなく『街』と『ネット』の世界にある」と捉える

街の本屋、国会図書館、Amazonに代表されるネット書店、そしてKindleなどの電子書籍。

これら全部をひっくるめて、「僕の本の貯蔵スペース」と考えると、なんだかしっくり来る。

自宅に本があるかどうか、が重要なのではなく、読みたい本にできるだけ速やかにアクセスできる方法が複数ある、ということが大切だ。

もちろん、一番お気に入りの本は、もっともアクセスしやすい、「自宅の本棚」に置かれていていい。

一度手放した本をまた読みたくなったら、買い直してもいい。Amazonなら翌日には届く。

「ひょっとしたら読むかも」くらいの本は、次に必要になったときに、Kindle版をダウンロードすればいいかもしれない。

「二度と読まないし読むとしてもお金は払いたくない」と感じる本を再読する必要が生じたら、図書館まで出かけて閲覧させてもらえばいい。

情報は、もはや世界中にありあふれ、満ちあふれている。

だから、自宅に情報を閉じこめるのではなく、街とネットすべてを含めて、情報の流れるルートを作る。

それが、いまの僕にとって、気持ち良い情報の管理法かな、と思った。

というわけで、緩やかに本を減らしていこうと思います。

本棚の作り方に関する本はこちら!

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作家、プロフェッショナル・ブロガー、心理カウンセラー、人材開発トレーナー、イベントプロデューサー、情報発信コンサルタントなど、複数の肩書きを持ち、多面的に活動するノマドワーカー。 著書に「ノマドワーカーという生き方」「サラリーマンだけが知らない 好きなことだけして食っていくための29の方法」「クラウド版デッドライン仕事術」などがある。 株式会社ツナゲル 代表取締役社長兼C.E.O.。現在東京六本木と鎌倉のデュアルライフ実践中。詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。

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