健康・アンチエイジング書評

<からだ>に聞いて食べなさい by リズ・ブルボー 〜 あなたは痛過ぎる真実と向き合えるか? [書評]

健康・アンチエイジング書評
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ブックレビュー2010年の70冊目は、リズ・ブルボー氏著、浅岡夢二氏訳、「<からだ>に聞いて食べなさい」を読了。

痛い。痛過ぎる本だ。

この手の本を手に取る人の多くは、現在または過去に体重や体形に関する悩みを持った経験のある人だと思うが、現在進行形でダイエットに取り組みたいと願っている人には、もしかすると本書は痛過ぎる内容かもしれない。

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<からだ>に聞いて食べなさい by リズ・ブルボー 〜 あなたは痛過ぎる真実と向き合えるか? [書評]

肥満を病気と捉えた場合、人間が自ら進んで、病気になるまで、つまり健康に生存していくための必要量をはるかに越えて食べ続けてしまうのは何故か、という問いから本書はスタートする。

その理由はあなたが幼少期に母親または母親役を担った人物との関係性の中で受けた「傷」であり、その傷を持ったまま成人したあなたが持つ習慣であり、そして思い込みなのだ。

僕自身、つい2年半前までは今よりも体重が25kg以上あり、健康診断では肥満に分類されていた。

そして僕自身、生存に必要な量以上の食べ物を、継続的に、ずっと食べ続けていたために、そのような体重になっていたのだ。

間違いない。そして僕自身にも身に憶えがある。

焼け食いをしている時は、満腹かどうかが問題なのではない。美味いか不味いかも関係ない。

とにかく心の中にある何らかの衝動に駆られて食べるのだ。

「ストレス食い」「やけ食い」などの現象が何故起こるのか。

それは、幼少期に子供がぐずると母親が甘いジュースなどを含ませて泣きやませようとする行為から派生していると著者は言う。

そう、ものごとがうまくいかないと、何かを口に入れても良いのだ、という習慣が根ざしてしまっているのだ。

自分自身を愛していない状態、怒りや哀れみ、高ストレス状態などに置かれた時、僕らは空腹か満腹かという本来の意味とは異なる食べ方をしてしまう。

それは僕らが「傷」にコントロールされている状態なのだ。

だからこそ、僕らはまずは「傷」を直視し、何が僕らに食べろと命じているのかを突き止めなければならない。

そしてその「傷」を持つ自分に、「これは本当に今食べたいものなのか?」と問い掛けることが問題解決の第一ステップだ。

仕事でむしゃくしゃしたからアイスクリームを2個食べる。

その行為であなたの心は満足するだろうか。

身体は悲鳴を上げていて、その代償として十分な充足感が得られるだろうか。

答えは書かなくても分かるだろう。

僕らが正気で冷静であればしないようなことをしてしまう。

僕らはずっと昔の記憶にコントロールされてしまっているのだ。

さあ、この傷を見据える勇気があなたにはあるだろうか。

本書は痛みを伴う行為をあなたに求めている。

だが、もしあなたがその傷との対話に成功したならば、きっともう二度とむちゃ食いをして体重を増やすようなことはなくなるだろう。

痛みを伴う本と覚悟した上で読んでみて欲しい。

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