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眠れなくなって、i-podで音楽を聴き始めてしまいました。

なぜか管楽器が聴きたくて、熱帯JAZZ楽団の「Spain」をセレクト。

今までも聴いていた音源ですが、今日は改めてあまりにすばらしくて、体が覚醒してしまい、ますます眠れなくなってしまいました。


熱帯JAZZ楽団というのは、ラテンジャズのビッグバンドで、リズムセクション(ドラム、ベース、ピアノ、ラテンパーカッション)、そしてホーンセクション(トランペット隊、トロンボーン隊、サックス隊)、それぞれの楽器においておそらく日本一レベルと言ってよいであろうメンバーを取り揃えたスーパーバンドです。


改めて気づいた、アレンジの緻密さ、アイディアの奔放さ、その気合いの入り方は尋常じゃない!

そして1つ1つの楽器が、本当にいい音で、いい所おいしい所にバシッと入っていて、その絶妙さにため息が出てしまいます。


そもそも楽器を習得するというのはたいへんなことです。

しかも、上手なだけにとどまらず、魅力的に演奏できるまでになるには、どれほどの努力と年月とエネルギーがかかっていることでしょうか。

たった1つの音に、そのミュージシャンが過ごしてきた少年期〜青年期の鍛錬の積み重ねと、その後の現場で海千山千の経験と精進を重ねて来た重みと輝きがこもっている・・・そしてそれが一瞬の「今」に集約した「その音」。だからちょっとやそっとの音じゃないんです。そんな音を十数人が一斉に出しているんですから、そのエネルギーたるや只事ではないです。


個人的に、最近音楽を聴くフレームワークが変わってきて、新たな発見を色々と感じています。

いやー、なんてみんな素晴らしい!

それに尽きる今夜。いや、もう朝ですね。


熱帯JAZZ楽団 7~Spain~

楽天ブックス

 

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さて来週です、10月3日(土)の犬塚大塚(いぬづかおおつか)ライブ。

今回のお店、Z・Imagine(ジ・イマジン)のピアノは、通常のグランドピアノでありながら、消音機能やMIDI接続という特殊な機能もついているのです。この写真、YAMAHAのEA1という機種です。


・・ということを知ったからには、やりたいことが色々でてきまして。

つまり、自分のシンセサイザーを接続して、曲によってある時はピアノ、ある時はシンセ、ある時はミックスしたり切り替えたり・・・と、様々な色づけができる・・・それでいこう!

そう思って、先日楽器の下見に行ってきました。お店の方にも趣旨を理解して頂き、実験してみました。大丈夫そうです。


そういうわけで、そのセッティングを前提にアレンジを考えて、今日はリハーサルでした。

歌とギターとピアノというシンプルな編成なので、ちょっとした音色の違いで、それぞれの曲の色合いが変わりイメージが広がって、なかなか楽しくなりそうです。

それってどういうことなのか、よくわかんないという方も、来てみれば「へー」と思われるでしょう。

しかしまあ、そんな仕掛け云々より、気持ちの良い時間を過ごして頂ければなによりなのです!

 

なお、こちらのお店のメニューは、お飲物と、ナッツ程度の簡単なおつまみに限られるそうです。申し訳ありませんが、お食事をお考えの方はそのつもりで時間帯をご計画の上いらして下さいね。


10月3日(土)

開場 19:00 開演 19:30  <料金> 2500 円 (ドリンク別) 

Vo./G 犬塚彩子(いぬづかさえこ)  

 P. 大塚彩子(おおつかあやこ)
            

Z・Imagine(ジ・イマジン)

港区北青山2-7-17 青山鈴越ビルB1F  

TEL. 03-3796-6757

 


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以前のエントリーで少し書きました、ボサノバの歌とギターで活動されている犬塚彩子(いぬづかさえこ)さんとの出会い。

6月に初めてちょっとだけご一緒した時から、なんだかいい雰囲気になりそう・・・という予感のようなものを感じ、「ぜひまた今度」というお話になりました。

そして、その初ライブが10月3日(土)に決定です。外苑前のジ・イマジンにて19:30より。

ボサノバやサンバのスタンダードな曲から、犬塚さんのオリジナル、そして私のオリジナルなども考えています。

さえこさんは、歌の世界になんとも言えずたゆたゆとした空気感があるのですが、お話をしてもほんわかとした親近感ある雰囲気をお持ちです。私もけっこうボーッとした方なので、ライブはきっとエキサイティングとかアグレッシブとかとは対極の、きわめておだやかで平和なものになることでしょう。ゆったりリラックスした時間を過ごしていただければなによりです。

こんなにおもしろい名前のご縁ですからユニット名「犬塚大塚」ということにしました。そのまんまってばそのまんまだけど、藤岡藤巻っていう方達もいますしねー。

画像クリックするとチラシが大きくなります。

犬塚彩子(いぬづかさえこ)サイト

Z・Imagine(ジ・イマジン)サイト

 

犬塚彩子(いぬづかさえこ)さんはサンバ/ボサノヴァのギターと歌をやってらっしゃる方です。ご覧の通り私と字が一字違い、というか点一つの違い!

以前からお名前は存じており、点一つ違いで同じく音楽をやってる方がいるんだなー、なんて思っていました。知人に「こないだ○○でライブやってたでしょ。名前が載ってたよ。」とか言われて、「あ、それ私じゃなくて犬塚さんだと思うよ。」なんてこともあったものです。


そんな犬塚さんと、ついにお会いできる機会がやってきました!

私が学生の頃レッスンに行っていたジャズピアノの立花保子先生が、新宿でピアノラウンジをされていて、今月そこで犬塚さんのライブが決まったのです。私もご縁があるのでお手伝いさせて頂くことになり,先日打ち合わせに出かけました。そこで犬塚彩子・大塚彩子、感激の対面!となったのでした。

犬塚さんも、私の存在をずいぶん前から知ってらしたそうで、お互い最初からかなりの盛り上がり(笑)。

その様子をご自身のHPの日記でも書いて下さっています。

当日私も、犬塚さんのオリジナル曲でちょっとだけピアノ参加させて頂くことになり、感動の初共演が決定しました。楽しみだなー。

 

 

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HEARTBEAT
posted with amazlet at 09.05.02
犬塚彩子
インディーズ・メーカー (2006-09-19)

 

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昨日は劇団ステージドアの歌稽古に立ち会ってきました。私は劇中全ての歌の作詞・作曲・編曲をしています。

5/9・10の本番まで大詰めのこの日、ヴォイス・トレーナーの石崎千穂先生がいらっしゃり、それぞれの歌を一通りチェックし、稽古をつけて下さいました。

 

毎年恒例のこのミュージカル、一昨年までは作者である私がどうにか歌稽古をこなしていたのですが、何せ歌唱については専門外なので限界がありました。

しかし去年から石崎さんが来て下さるようになって、役者の皆さんの歌のレベルも次第に上がってくるようになり、私もたいへん心強い限りです。


ヴォイス・トレーナーというと何となく発声の先生というイメージがありますが、石崎さんはそれ以上に、歌詞と曲の関係、その音楽がそうなっている意味、その表現の意図、そのために必要な歌い方、心の持ち方、等・・・全てをすばやく的確にとらえ、役者の皆さんに伝えて下さるのです。そこには、ご自身の人生経験や真摯な人間観などがおのずとにじみ出て、心を打たれるものがあります。


私がその曲にこめたかったこと、言いたかったことを全部汲み取って下さるのはもちろん、私も気づかなかったようなさらに奥の次元に言及されるのには「よくぞそこまで(T_T)」と感激。いや〜作者冥利といいましょうか。

あまりにも全て的確に言って下さるので、私はほとんど何も言わずに済んでしまい、最近の稽古ではすっかり静かな人になっているかも。

でもその分、私は作る側としてオケのバランスや修正ポイントのチェックに集中できるのでありがたいです。

これはきっと貴重なこと。そんな良きパートナーに恵まれたのは本当にありがたいことだなーと感じています。

先日「ランニングデビュー」として書きましたが、その後なんと!続いております、これで4日。

最初は歩幅も狭くゆっくりでいい、との先輩のアドバイス通りに走ると、当初の「ランニング=苦しい<根性勝負!」みたいなイメージが払拭され、なんかこれなら私にもできる気がしてきました。距離は相変わらずほんのちょっとだけど、適度に身体が活性化する感じはなかなかいいかも。これはやってみて初めてわかることですね。


さて、それで今日は久しぶりにサックスのレッスン。

今月は毎日少しでも練習時間をとるようにしたので、自分でも今までより一歩、何かがつかめた気がしていました。やっぱり楽器は時間でナンボですな、特に初級のうちは。


それでレッスンに行ったら、やっぱり先生にも「大事なことがわかってきた」と言ってもらえた (^-^)V

これまでも「これが大事、これをああしてこうして」と色んな言い方で言って頂いてきました。でもはっきり言って、それが実際にどういうことを言っているのか、本当にはわからなかったしできなかった。

だから、毎回毎回、結局同じことを言われてきた。

それは言葉でわかることじゃないんですね。試行錯誤の上、身体で掴んで初めて「これか〜」とわかること。

でもレッスンだから、先生はわからない生徒にそれをどうにかして伝えようと言葉を尽くし続けなければならない。先生も大変です。


そんな今日は、先生が何のことを言っているのか、自分の身体の感覚としてやっと少しわかるようになっていることに気がついたのでした。


「体得」。それが本当の力。小さな時間の積み重ねの中でしか得られないもの。難しい。だけど楽しい。

スポーツも楽器も、きっと他の事諸々も、結局は「体得」に尽きるのでしょう。

これからも小さな時間を積み重ねてゆけたらと思います。


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KORGの音源モジュールM3XP-M、衝動買いしてしまった。。。

だって、通常の実売価格よりさらに3万も安いのが「1点限り!」てかんじで出てたもんだから。ホントこの値段、他にどこ探してもまずないっすよ。れっきとした新品で「ちょっとだけワケあり」ぐらいならなーんにも問題ない。こりゃいくしかないでしょ!ってな勢いでポチッとしてしまいました。

以前からM3はずっと気になっていた、というかできれば欲しかったものなんです。


かつて私が初めて持ったシンセが、シンセ史に残る名機ともいわれているKORGのM1。これに入っているシーケンサーでチマチマと打ち込みのイロハを始めたのでした。

それ以降、色々なメーカーの機材を周りに配しつつも、いつもKORGは必ず側に置いていました。

M1に始まったKORGのこのラインはその後Tシリーズへ(これは買わなかった)。その次に出たのが01/W。M1をこれに買い替え、その後にわたってかなり重宝したものです。

次に出たTRINITYはパスして、その次の後継機TRITON初代型を買う。これもけっこう気に入って、後にヤマハのMOTIFが来たり、ソフトシンセを使うようになったりしても、何だかんだでつい使ってしまう機械ではありました。

それにしても、保存はフロッピーディスクだし・・・いいかげん潮時でしょうと思っていた矢先。


もちろんソフトシンセが豊富な今時、ハードシンセを買うという選択をする人も減っているんではないかとは思いますが、今となってはCPUが足らないウチのMacでは、ソフトシンセもなかなか面倒くさい、というのもあって。でもそれ以上に、こうやって追いかけてきたKORGだから、そして各種他社よりなぜか肌に合うKORGだから、やっぱりここで新世代に替えて1台持っておきたかった。M3からバージョンアップしてExpandedになったのもいいタイミングじゃない?


まだ来たばっかりだから全部の音はわからないけど、まずはキメ細かくバリエーションした豊富な音色にびっくり。なかなか使えそうです。

ただ、不勉強ゆえ買ってからわかった。Expanded版の音を全部いっぺんに使うためには別売りメモリーを買わなきゃいけないのね。

それと、FirewireでMacと繋げばDAW上で「あたかもソフトシンセ」のようにオーディオを扱えるそうな。おー、それいい!欲しい!

と思ったら、それも別売りだそうな。

あーあ、便利に使いたかったらお金出せってね・・・

でも悔しいけど結局買うはめになるのだろう。まいったね〜。


 

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3月、私の教えている音楽学校でもそろそろ1年間のコースが終わり、生徒が進級や卒業していきます。

1年または2年という期間で生徒さんとおつきあいしていると、「最初こうだった子が今はこんなになってる」という、嬉しい驚きと感慨を感じることがあります。


A子ちゃんもその中の一人。ピアノとアレンジ両方見ていた子です。

もともと大人しくて引っ込み思案なタイプ。来た最初のころは、私が何か尋ねても蚊の鳴くような声で返事もよくわからないようなかんじ。

私もつい「どうしたいの?こうなの?ああなの?」と余計に押してしまって、ますます困らせてしまったようなこともありました。

とにかく自信がない。どうしたらいいかわからないんですね。

思えば私自身も似た道を通ってきました。「こうしなさい」と言われた事に素直に従って育ってきたいわゆる「よい女の子」は、逆に「自分がどうしたい」なんてことはわからなかったりするのです。そういう回路がないといってもよいかもしれません。

そんなことよりここで「どうしなければならないか」を一生懸命探ろうとする。頭の中は「これは合っているかしら、先生はどう言うかしら・・・」ということばかり。だからジャズやポップスのピアノで「自分の思ったようにやってごらん」なんて言われても真っ白になっちゃうんですね。

そんなA子ちゃんは、出しているピアノの音も弱々しいタッチで、どうしても右手のメロディーが前に出てこないというのが最初の頃でした。これはいくら私が「もうちょっと強めに弾いて」とか言ってもどうにもなりませんでした。


しかし1年め過ぎた頃から、ちょっとずつ変わってきました。

メロディーとコードだけの譜面を見て自分でアレンジして弾くことに挑戦していると、意外な事に実は「ここはこういう音がほしい」というこだわりが彼女の中に密かにあることがわかってきました。それを形にして決定するのにはずいぶん時間がかかったりするけど、実はけっこうセンスが良かったりします。彼女の中にはちゃんと美しい音楽性と自分の意思があったのです。

ならば、どんどんそれを出せるようになろう。

あなたがそう思った、ならばそれが一番大事。それが正しい。

「自信がある」というのは「私はこれができます」と堂々と言えることではなくて、自分の感じ思うことをそれでいいと思えることを言うのだと、私は思っています。

そう思ったことをその通り行動して形にする。そうやってA子ちゃんにはそういう「自信」をつけていってもらいたいなと思ったのは、何より私自身がそういう道を辿って、結果として昔よりはるかに安心して生きていけている実感があるからです。


そうやってゆっくりですが、一つずつA子ちゃん自身の中から出てきたものを大切にして曲を仕上げていくうちに、彼女が「こっちの方が好き」「こうしたい」ということをだんだん言えるように、そしてこだわりのアレンジを作って弾いてくるようになってきました。ピアノの音もずいぶん力強くなっています。

不思議なもので、だんだんファッションもおしゃれになってきて、学校のお友達とも楽しくやっているみたい。他の男子生徒から「あ、あのかわいい子ですね」などと言われている事もチラと耳にしてしまいました。自信がついてくるってそういうことなんでしょうね。


そして、今期末のアレンジ実習では、曲に加えて歌詞まで自分で書いて、学校から紹介されたヴォーカリストさんに歌ってもらうお願いと段取りをし、レコーディングでは初対面のミュージシャンやエンジニアさんともちゃんと渡り合って「こうしたいです」と伝えていました。

できた曲も素敵なもので、ミュージシャンの皆さんからも大好評。

この経験はこれからさらなる彼女の自信につながっていくことでしょう。


なんとなんと、あの最初の頃の彼女を思えばこの飛躍はすばらしい!

こんなに変わる事ができる、人ってすごいなーと思います。

この人が結果として音楽家になるかどうかとか、そういうことはわかりません。でもそんなことはある意味どっちでもいいんです。

この2年間という期間の中で、その人の何かが転換し、人として幸せになる力を確実に一つ身につけたということが大切だと思うし、私はそれがなにより嬉しい限りです。

よかったねー。おめでとう!

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ピアノとはとっても古いつきあいです。4歳だか5歳だかの頃、初めて家に来た茶色いアップライト。その後高校生の時に買ってもらったグランドピアノ。

しかし実はそれほどピアノが大好きだったことはなく、ピアノ科の学生さんのように1日中練習に明け暮れたこともありませんでした。

それでも一応ピアノの仕事をするようになったりしたので、その時のそれなりに努力はしていたつもりでしょうが、何というか,心の奥で本質的に感じていた違和感のようなもの・・・があったような気がします。

ピアノに対する苦手感、何か言いようのないもどかしいかんじ。それが何なのかはっきり自覚してはいなかったけれど、いつもピアノに向かうたびにがっかりするような感じがあって、自分の中ではそれを「私は下手なんだ、向いてないんだ」という結論にしていたような気がします。

じわじわと疼いていたそんな違和感がだんだんと自覚できるほど大きくなり、いよいよ「ピアノっていう楽器が嫌い。もう弾きたくない。だから弾くのやめる。」というところまで行ったのが数年前。

もともと「ホントに嫌だったらやめていいんじゃん?」という人生の道の選び方をしてきて、けっこうそれが間違っていないという実感があったので、この時もほんとに弾かないことにしちゃいました。

何日もピアノに触らなくてもぜーんぜん平気!だって元々ピアノなんて好きじゃないもーん!・・・なんて。


そんなある日ふと思った。


嫌いなのはピアノなのか、この楽器なのか?


つまりあの時から長年のつきあいだったウチのピアノ。考えてみれば時々「こういう音イヤなんだよね。なんとかなんないのかな〜」と感じていたことがあった。

でもそういう楽器なんだからそれ以上どうにもならない。というところで思考は止まっていて、そんなことより自分の努力の問題でしょ、と思っていた。

さらにもっと考えてみれば、仕事先の会場やスタジオのピアノを弾いたときは嬉しい時もあった・・・アレ?するってぇともしかして問題はこの楽器!?

不思議かもしれませんが、初めてそういう考え方に気がついたのです。

恥ずかしながら「楽器なんて多かれ少なかれどれも一緒でしょ。どんな楽器だって気にしないっすよ」ぐらいに思っていたのでした。

そこらへんが根っからのピアニストではないなあ、というところでもありながら、一面「どんな現場のどんなピアノでも受け入れて弾かざるを得ない」というピアニストの宿命を極めて忠実に受け入れていた、ある意味とてもピアニスト的であったとも言えるかもしれません。

しかし、気づいてしまいました。

「この楽器がイヤだったんだ!話が合わない。気持ちが通じない。どんなにがんばってもすれ違いばかり。愛せない。そもそも合う相手じゃなかったんだ。」ということに。


何事も現状を認めたところから、初めて変革が始まるものでございます。そうだったのか〜、というある意味「スッキリ感」とともに、「私だって、できるものならピアノと心を通わせてみたい。ピアノと仲直りしたい。」という気持ちがわいてきました。ここで初めて出てきた選択肢。


じゃ、ピアノ買い替えれば?


そうだ!買い替えればいいんじゃん!

無自覚に「1度買ったピアノは一生もん」みたいに思い込んでいたけど、実は買い替えってアリだった。考えてみれば絶対に無理な買い物ではない。

ただし、「ウチの楽器が合わないからピアノが嫌いになった。楽器を替えれば解決するはず。」というその仮説が正しかったかどうかは、新しい楽器が来てからわかること。だけど、ここで流れを変えたかった。賭けてみたいと思いました。

 

というわけで20余年のおつきあいを清算し、ピアノとの仲直りを願って去年買い替えたのがディアパソンというメーカーのピアノです。

あまり知られていませんが日本製で、その昔大橋さんというこだわりのピアノ設計者がこだわりのピアノを作りたくて興した会社ですが、そのこだわり故に経営に行き詰まり、大手メーカー・カワイの傘下となって、今はカワイの工場で作っています。

べつにヤマハやカワイがだめだというわけでは全然ないですが、ちょっとマイナーなとこが好きな私には何かが響きました。

 

私が買ったのはD164Rという小さいサイズのグランドピアノ。

決して高級なラインナップのものではありませんし、小ささゆえの限界ももちろんあるのですが、何より触った時に気持ちが通じる相手なのかどうかを確かめて選ぶようにしました。具体的に言えばタッチと音色、プラス見えない何か、サムシング。

 

そうして我が家に来た新しいピアノを弾くようになって、やっぱりこの選択は正しかったと思いました。

とにかく触って音を出すだけで気持ちがよいというのは何よりです。楽器と気持ちが通うというのはこんなに嬉しくスッキリするものなんだなあ、ということがよくわかりました。

なんだ、ピアノ、嫌いじゃなかったかも。


結局、普段触れているものが、少しずつ自分を作っていくのでしょう。

この気持ちでピアノに向かっていることが、これからどんな未来につながっていくのか。まだわからないけど、ゆっくりじっくり、自分の中で何かを育んでいきたいと思っています。

今日は読売日本交響楽団@池袋芸術劇場、行ってきました。

指揮は下野竜也さん、曲はドヴォルザークの3本立て。

この方の指揮は、わかりやすくて気持ちが良い。指揮に疎い私のような者にもその動作と出てくる音の関係が「なるほど〜」と納得感多々あり、安心できます。

もちろん、指揮、オケ、曲、等聴くべきポイントは色々とありますが、なんといっても今日の金星はトロンボーン。

たぶんオケの皆さんそれぞれに良くやってらしたのだと思うけれども、いろんな瞬間にハッとしたり、オッと思ったり、グっときたりしてしまったのがトロンボーン隊だったのです。

もともと私 は金管大好き。特にトロンボーンやホルンの、ピアノの時は神々しく優しく美しく、フォルテになったら野獣に変貌!のような、その音質の変わりぶりどちらも 捨て難く好きです。バストロンボーン含め中低音でブリブリハモるトロンボーン隊はほんとにカッコいいと思いますね。

今日のドヴォルザーク4番では、トロンボーンがその硬軟両方の側面でいい音を出していて、他を差し置いてつい見ちゃって。

もちろん元 々の演奏者の技量もあるでしょう。その上で今日には今日の諸々があったのでしょう。精神状態が特別良かったとか、楽器のコンディションだとか、気が合うメ ンバーだったとか、指揮者の気合いとか、あと良い演奏を引き出すようなドヴォルザークの譜面だったのかもしれないなー、などと色々考えながら。

きっと様々な要素が積み重なって現れた、そんな今日のトロンボーン、素敵でした。

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