書評

経営にレバレッジをかけビジネスを加速せよ! “レバレッジ・マネジメント” by 本田直之 [Book Review 2011-023]

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ブックレビュー2011年の23冊目は、本田直之氏著、「レバレッジ・マネジメント」を読了。

 

レバレッジ・マネジメント―少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略』

本田 直之 東洋経済新報社 2009-01-16
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by ヨメレバ

 

 

このブログで取り上げた本田直之氏の著書に関するバックナンバーはこちら。

 

 

本田直之氏のレバレッジ・シリーズの一冊だが、本書は他のレバレッジ・シリーズとは大きく装いが異なる。

何が違うかといえば、他のレバレッジ・シリーズは一人一人の人間、個人に向けて書かれているが、本書は会社経営者に向けて書かれた本という点である。

もちろん会社経営者だって人間なわけだが、企業の舵取りを担う公人という立場にフォーカスされている点が他のレバレッジ・シリーズとは大きく異なっている。

そしてターゲットが異なるのに従って、同じ「レバレッジ」を扱う本田氏の著書とはいえ、文体も違えば切り口も違う。

普段の「自己啓発」的切り口はなりを潜め、読者が会社経営者であるという前提で、読者自身が経営する会社にいかにレバレッジをかけるかという点に絞って書かれている。

そういう意味では普段の滑らかで優しい本田節はほとんどなく、ゴツゴツと武骨で本音を語る、ビジネスマンとしての本田氏の姿を見ることができる。

とはいえ、タイトルが表している通り、テーマは他のシリーズと同じ「レバレッジ」である点は共通している。

むしろ、僕ら個人一人一人をターゲットとしてきた従来のレバレッジ・シリーズでの本田氏の教えが、会社経営にこのような形で活かせるんだ、と新たな発見ができる、新鮮な切り口の本である。

さて、本書では、会社とその経営者、そして「経営」そのものに、いかにレバレッジをかけるかというテーマを扱っている。

まずは経営者自身がどういう心構えをするべきか。そして経営者自身に準備ができたなら、次は経営戦略、営業、ブランド、仕組化と、レバレッジが必要な箇所を順番に網羅していく。

印象的なのが、本書では、全ページ数の1/3を使って、経営者自身へのレバレッジを説いているという点だ。

このことが、会社経営にレバレッジをかけてビジネスを加速させたいと願う経営者がいるならば、まずは徹底的に自分の考え方や哲学をブラッシュアップするべきということだ。

どんなに優れたブランディングや営業部隊がいたとしても、社長の考え方が古いままでは組織は変化しようがない。

経営者のレバレッジに書かれる項目は、「考える時間の余裕はあるか」「素直さを持っているか」「外部とのつながりはあるか」「時代のうねりを見ているか」など、実に本質的かつ根源的な項目がずらりと並ぶ。

だが、これらの項目がずらりと並び、本書がベストセラーに名を連ねるということは、やはりこれら本質的な事柄を経営者がバランス良く身に付けることが、いかに難しいかを、本書は逆説的に証明しているのではないだろうか。

会社経営者はもちろん、中間マネジメントから上級マネジメントに昇格しようとしている人、中間マネジメントを担っているが、より高い視点を持ちたい人、フリーで働く一国一城の主など、幅広いリーダーに是非読んでもらいたい本だ。

学ばないリーダーの下で働く者は悲惨だ。そして部下は上司を選ぶことができない。

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