書評

億万長者は「状態」ではなく「能力」だ! “億万長者専門学校” by クリス岡崎 [Book Review 2011-009]

スポンサーリンク

ブックレビュー2011年の9冊目はクリス岡崎氏著、「億万長者専門学校」を読了。

 

億万長者 専門学校

クリス 岡崎 中経出版 2008-06-28
売り上げランキング : 49940

by ヨメレバ

 

 

「あなたは億万長者になりたいか?」

この質問にあなたはYesと答えるか。それともNoか。

多くの人は「別にそこまで稼がなくてもいいかなあ。普通に暮らしていければいいよ」と感じるのではないだろうか?

では、あなたは「億万長者」とは何なのかを真剣に考えたことがあるだろうか。

本書「億万長者専門学校」では、億万長者をきっちり定義している。その定義によれば、億万長者とは、「5年〜10年あれば、たとえゼロ円からでも1億円の資産を作ることができる人」を指す。

つまり、親の遺産を受け継いだだけで自分では新たに資産を作り出していない人や、偶然年末ジャンボ宝くじに当たって3億円をゲットした人などは「億万長者」とは呼ばない。

そして、何度一文無しになったとしても、そこから1億円を作りだすことができる「億万長者」は、1億円があるという「状態」を指すのではなく、ゼロから1億円を作れる「能力」なのである。

本書は、僕ら読者がゼロから5年〜10年で1億円の資産を作る「億万長者」という能力を身に付けるためのガイドブックであり、学ぶ僕らを受け入れてくれる専門学校というわけだ。

そんな億万長者へのガイドをしてくれる著者クリス岡崎という人物は何者なのか。本書のプロフィール欄や本文中に書かれている自己紹介を読むと、この方は日本人で、アンソニー・ロビンスの日本で唯一のシニアリーダーとある。

僕はアンソニー・ロビンスという人物のこともこのクリス岡崎氏のことも本書を読むまで知らなかったのだが、本書はかなり良く練られた、素晴らしい本だということは分かった。

どうやって僕らは億万長者という能力を身に付けるか。つまりどうやって僕達は5年〜10年の間に1億円という資産を手に入れるか。

本書では冒頭に大きな字で、「富を作るための80%はメンタルだ」と書かれており、実際その通り、1章から4章までを割いて、お金持ちになるためのメンタリティーの作り方が徹底的に説明されている。

たとえば、億万長者は単に「大金持ちになりたいな」と願っている人ではなく、何らかの理由でお金を持って遂行すべきミッション、つまり「ビッグ・ホワイ」を持つべきというような生き方の原則的なものから、実際に困難に直面した時にどのように対処するかを具体的にアクションとして示す「パワーボキャブラリー」まで、網羅的に僕らの心の持ちようを鍛えてくれる。

そして、ある程度億万長者のメンタリティーを理解したうえで、5章からはゼロだった資産をどのように増やしていくのかについての原理原則が語られるとともに、日々のお金に対する接し方についてのビジョンを示してくれる。

本書はとにかく明るく楽しく読めるように工夫がされていて、この手の自己啓発本に慣れていない人でも笑いながら読めるよう作られている。

しかし、内容は初心者向けというような甘いものではない。稼いだお金を使ってしまう消費のメンタリティを改めないことには絶対に億万長者にはなれないなど、ハッキリ言うべき点は鋭く斬込んできている。

「億万長者は状態ではなくて能力である」という考え方は非常に気に入った。そして能力ならば、僕らにも大なり小なり備わっているものだろうし、勉強したり努力したりして鍛えることもできるだろう。

これからの10年をどう生きるか。長期計画のお供に本書はビシリと響く。繰り返し読みたい本になるかもしれない。

タイトルとURLをコピーしました