書評

メンタルモデルをインストールせよ! “仕事をためこまない人になる5つの習慣” by 佐々木正悟 [Book Review 2011-003]

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ブックレビュー2011年の3冊目は、佐々木正悟氏著、「仕事をためこまない人になる5つの習慣」を読了。

 

仕事をためこまない人になる5つの習慣

佐々木 正悟 青春出版社 2010-12-21
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by ヨメレバ

 

 

佐々木正悟氏の著作に関する本ブログの過去エントリーはこちら。

 

 

著者の佐々木様よりご献本いただいた。本当にありがとうございます。

 

 

世の中には様々な仕事術があり整理法がありハックがありメール術がある。どれか一つを採用すれば成果が出そうなものだが、なかなか成果が出ないことが多いのは何故か。

それはすなわち「メンタルモデル」が自分にインストールされていないからだ。

メンタルモデルとは何か。本書ではこれを「手順の図式のもとになるもの。言ってみれば”原理原則”」と説明している。

要は一つのタスクをこなす時に行わなければならない手順の一つ一つ。構成要素だ。本書ではトースターでパンを焼くというタスクを、1. パンをトースターに入れる、2. タイマーを5分にセットする、3. スタートする、という構成要素と手順に分解している。

一つのタスクに対して「やるべきこと」と「やる順番」を仕組み化して自分自身にインストールしてしまえということである。

この「やるべきこと」と「やる順番」に,「やる理由」と「やる背景」ぐらいまでがしっかりインストールされていると、一つ一つの「やるべきこと」をいちいち確認しなくても、たいていの物事に対してスムーズに対応していくことができる。

原理原則をしっかり理解すれば、応用はどうにでもなるのだ。もしあなたが一つの整理法で大きな成果を挙げたとしたら、きっとあなたは既に「原理原則」が何なのかが分かっているはずだ。異なる分野で同じ「原理原則」を用いてみるといい。

もしあなたが色々な仕事術などを試しても一向にうまくいかないのなら、本書を読むとヒントになるかもしれない。

本書では、著者が採用している「仕組み」を紹介しつつ、都度その背景にある人間の心理状態や感情を解説することにより、人間がどのような感情を持ったときに物事はうまくいくのか、どのような背景が物事がうまく進むことを阻害しているのかを、わかりやすく解説してくれている。

たとえばタスクリストを作ったものの、全然片づかないタスクがあるとする。そういう時はそのタスクを二分割するようにと著者は説いているわけだが、ここで重要なのは、「何故」二分割するのか、裏を返せば二分割しないことには進まない要因は何か、というメンタルモデルを理解してインストールすることである。

大き過ぎるタスクが実行力を削ぐ原因になることをしっかり理解できれば、今後やってくる様々な大きなタスクを小気味よく分解して取り組むことができるだろう。

人間は感情の生き物なのだ。理屈で攻めてもダメな時はダメなのだ。改めて実感させられた。

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