書評

始めよう。瞑想 by 宝彩有菜 — 瞑想は科学です 技術です [書評]

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最近瞑想にはまっている。

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ウチの奥さんは以前から瞑想が好きで、時間を見つけてはちょくちょく座って瞑想していた。

奥さんに誘われて何度か僕もチャレンジしたものの、いまいちコツが掴めず、モヤモヤした状態だった。

そんな時、昨年からお世話になるようになったカイロプラクティックの高橋治療院の高橋先生から、瞑想の効用について説明を受け、おすすめの参考図書として、この本を教えてもらった。

宝彩有菜さんという方の「始めよう。瞑想」という本だ。

 

始めよう。瞑想―15分でできるココロとアタマのストレッチ宝彩 有菜 光文社 2007-08
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この本を読んだおかげで、全体的な瞑想の位置づけや、効能などを体系的に勉強することができて、とても参考になった。

僕がブログなどでしきりに「瞑想」「瞑想」と騒ぐので、瞑想に興味を持たれている方も多いようだ。

せっかくなので、この本について紹介しようと思う。

 

 

 

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瞑想は科学である

まずこの本を読んで本当に良かったと感じたのは、タイトルにも書いたとおり、著者宝彩さんがハッキリと「瞑想は科学です。瞑想は技術です」と断言している点。

どうしても瞑想は「超能力」とか「宗教」なんかと結びついているような雰囲気があり、軽く引いてしまうところがあった。

それに、もし超能力とか宗教などがベースになる行為であれば、僕のような霊感もまったくなく不信心な人間には効果はないのでは、という思いもあった。

でもこの本では、そういった僕の心配を明快にぶっ壊してくれる。

たとえば瞑想をする時には「マントラを唱える」とある。

「マントラ」と聞くと、「え〜、やっぱり宗教じゃん」と抵抗を感じる方も多いだろうが、マントラについては、以下のような説明がある。

 

 

マントラ自体に何か力があって、それを唱えると何か変化するというものではありません。

マントラは瞑想する時に頭の中で唱えるものです。

瞑想するときの一種の道具です。「雑念」を際立たせるための一つの工夫です。

例えば、綿アメを作る時に浮遊している綿アメを絡め取るために割り箸を回しますが、マントラはその割り箸のようなものです。浮遊している雑念(綿アメ)をマントラ(割り箸)で絡め取るものだとも言えます。

 

 

もちろん、宗教に根ざしたマントラも世の中にはたくさんある。しかし、僕らが瞑想を始めるときに唱えるマントラは、宗教とはまったく関係のない、ただ単なる「記号」として唱えることができるのだ。

本書のスタンスは一貫してこの調子で、瞑想は科学であり、健康や幸福を後押しする行為という位置づけをされている。

超科学的なものやスピリチュアル系のものが苦手な方も、これなら取っつきやすいのではないだろうか(僕もだ)。

 

 

 

瞑想の方法

この本では、瞑想を13のステップに分けて説明している。

細かい手順については本書を是非読んでもらいたいのだが、ポイントは以下の5点だ。

 

 

1.  静かな場所で周囲を暗くして座る

和室やフローリングの部屋に座布団やクッションを敷き座る。

本書では座布団を2枚用意して、一枚を2つ折にして、お尻が乗る部分を高くすると背筋が伸びて良いと推奨している。

確かにその形であぐらをかいて座ると腰が高くなり、放っておいても背筋が伸びる。

僕が通っている高橋治療院の高橋先生によると、椅子に座って行っても良いとのことで、僕は最近は椅子に座ってやっているが、あぐらの方が気分が出ることは確かだ。

瞑想に入る時は、目や耳からの刺激が極力ない方が良いので、周囲を暗くする。

僕は耳栓もして、余計なノイズが入らないように気をつけている。

 

 

2. 時間は15分

瞑想は「何となくする」のではなく、「今から瞑想をするぞ」と決め、時間を測ってやると良い。

瞑想は集中力を使う行為なので、15分が限度、と著者は説明している。

ウチの奥さんは特に時間を決めずにやっているが、多忙な人はなかなか時間を決めずにのんびりとというわけにはいかないだろう。

僕はせっかちな性格なので、時間を決めないと「もういいや」と3分で終えてしまう可能性もある。

そのため、僕は高橋先生から推薦してもらったMeditateというiPhoneアプリで時間を15分に設定して瞑想している。

瞑想開始と終了時に、清らかなベルの音で時間を知らせてくれるので、時間の心配をしなくていいし、時間が来るまでは「今何分だろう」と心配せず、瞑想に集中することができる。
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3. 腹式呼吸でゆっくり呼吸しつつ、マントラを唱える

眼を閉じ深呼吸を数回したら、腹式呼吸でゆっくり呼吸をしつつ、マントラを唱える。

著者が勧めているのは、「Mマントラ」という、どの宗教とも関係のない中立的かつ無意味な言葉の羅列である。

息を吸う時に「オーン・ナーム」と唱え、息を吐くときに「スバーハー」と唱える。

瞑想で一番大切なことは、「何も考えないこと」なのだが、座ってじっと眼を閉じていると、次々と雑念が浮かんできてしまい、止められなくなることがある。

だが、人間不思議なもので、マントラを唱えながら色々なことを考えることは難しい。

そして雑念が湧いている時には、マントラが無意識のうちに止まっていたりする。

「呼吸だけに意識を集中する」という手法を読んだことがあるが、それをさらに簡単にしてくれるのがマントラだ。

マントラだけに意識を集中することで、余計なことを考えなくなる。

 

 

4. 雑念を「棚上げ」して頭の中を空っぽにする

瞑想の目的は頭をからっぽにすることだ。

ところがこれが意外と難しい。

マントラは退屈なものだ。意味がない言葉の羅列で、これを繰り返していると脳はすぐに退屈してくる。

退屈すると、お金の心配、仕事の懸案事項、次の週末の予定などなど、考えるべきことがどんどん頭の中に浮かんできてしまう。

それらが浮かんできたら、一つずつ「今は瞑想中だから考えるのを止めよう」と「棚上げ」し、マントラに戻るのだ。

マントラに戻るとまた別の懸案事項が浮かんでくるので、それも「棚上げ」する。

雑念の「棚上げ」を繰り返してマントラを唱えていると、やがて懸案事項が尽きて、頭の中がシーンと静かになってくる。

この「棚上げ作業」を行っているのが第1段階の「実践瞑想」、そして片づけが終わると、さらに瞑想は深いところへとおりて行く。

普段は思い出すことがない遠い昔の記憶が蘇ってきたり、快感を感じたりする「境地瞑想」に入る。

上手な瞑想のコツは、次々浮かぶ雑念を手際よく「棚上げ」し、雑念がない状態に手早く入ることだ。

僕自身はまだ始めて間もないので、この「棚上げ」が上手く行くときもあれば、なかなか進まないときもある。

あと、「快感」に近いものを感じたことはいまのところない。

ただ、雑念が全部片づいて頭の中が「シーン」とした状態と、そこから古い記憶やイメージなどがふわりふわりと湧いてくる感覚は、とても心地が良いものだ。

 

 

 

瞑想の効能

瞑想をすると、生活のなかでさまざまな変化が起こり始める。

そのいずれもが、瞑想による「脳の整理」による効果である。

脳はいつも働いていて、頭の中にはさまざまなデータがぎっしり雑多に詰まっている。

瞑想をすることで、それらの雑多なデータを一旦キレイにすることができる。

つまり、瞑想は脳のデフラグをしているようなものなのだ。

脳のデフラグをすることで、いくつもの効果が説明されているが、その中でも僕が実感しているのは以下のポイントだ。

 

 

1. 熟睡できる

睡眠については、ハッキリと熟睡感が増したと感じる。

本書によると、それは、脳がレム睡眠時に行う情報整理を、瞑想時に先回りして行うため、睡眠の質が向上するとのこと。

この「レム睡眠時の情報整理」2時間分が、15分の瞑想でできるとのことで、本書では「瞑想をすると2時間睡眠が短くなる」と書かれている。

僕は残念ながら睡眠時間は短くなっていないが、熟睡できた充実感は確実に増していて、効果を感じている。

 

 

2. クヨクヨしなくなる

効果的に瞑想ができてくると、あれこれ悩んだりクヨクヨすることがなくなってくる。

「悩む」という状況は、物事が脳の中で整理されず放置されているときに起こる。

困難な状態があったとしても、その対処法を自分で決められていれば、前に進めるし悩むこともない。

瞑想により頭の混乱が静められるため、悩むことがなくなるのだ。

これも効果を実感している。とてもありがたい。

 

 

3. 直観が冴える

瞑想をするようになってから、直観が冴えるようになった。

以前だったら理屈を優先して物事を判断していたところを、直観を優先することが増えた。

そしてその直観を優先できるよう、いつもアンテナを張るようになった。

そしてその直観が、新しい出会いやアイデアを持ってきてくれるのだ。

これも大きな変化だと感じている。

 

 

4. シンクロニシティが多発する

これは3と関連するのだが、瞑想を始めてから、誰かと「バッタリ」とか、偶然の一致のような、ビックリするような事柄がとても増えた。

ずっと会いたいと思っていた方とお会いできたり、欲しかった情報が向こうから飛び込んできたり、ビジネスの企画を考えている時に、たまたま会合で隣に座った方からとても有効なアイデアをいただけたり。

忙しい時には脳はあまりにもたくさんの情報を抱え、処理し切れなくなり、飽和状態になってしまうのだろう。

それを日々整理し続けることで、思考も感情もクリアになり、その結果、無意識のアンテナの感度が高くなるのだと思う。

 

 

 

まとめ

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僕はまだ瞑想を始めて一ヶ月の初級者だ。

それでも、毎日15分を脳の整理に使うことで、1日の残りの時間がとても充実したものに変化しつつある。

「瞑想」という言葉自体が曖昧だし、その効果や効能を写真に撮って見せたりできないので、やり方が分からない方も多いだろう。

そんな方は、この本を通読することで、瞑想の具体的な進め方、コツ、そしてその効果と効能を体系的に知ることができる。

もちろん何となく始めても効果はあると思うが、やり方のコツを得て始めた方が効果的であることは間違いない。

1日15分の瞑想習慣。オススメです(^-^)。

 

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